物書き志願
妻の夢は、喫茶店を開くことだが、自分の夢はと自問すると、これといったものが浮かばない。あえて言えば、「物書き」だろうか。亡くなった父が、新聞記者をしていたことも影響しているかもしれない。
小学生の頃は、作文が大の苦手だった。6年生の時だ。国語の授業で作文の宿題が出た。どうしても題材が思い浮かばず、半ばやけくそで、学校から帰って夜まで、とうとう作文が一行も書けなかったという作文を書いた。ふざけた話だ。しかし、何故か、その作文は評価され、区の作文コンクールのクラスの代表作に選ばれ、あろうことか、学校からの出品作2作のうちの1つに選ばれたのだ。
もちろん、そのようなふざけたテーマの作文が、まじめに書かれた他の学校の生徒の作品にかなうわけもなくコンクールでは佳作に終わったが、それでも、入選作をまとめた文集の巻末の佳作の欄に自分の名前が印刷をされているのを見た時は誇らしい気持ちがしたし、長年、苦しめられてきた作文コンプレックスから解放された気がした。
その後は、プライベートでは、中学生から社会人になって数年間日記を書いていたし、職場でも、一時期、調査セクションに配属され、業界調査のレポートを何冊か書いた。
おそらく、自分にとって書くことが自己表現の手段なのだ。ただ、悲しいかな、お話を創作する才に恵まれているとは言い難く、情報を集め、分析する方が得意なので、ノンフィクションを書く方が向いていると思う。
話は全く変わるが、作年(2005年)は、ムーミン60周年だったそうだ(ムーミン公式サイト)。フィンランドの女流作家トーベ・ヤンソンが作り出したムーミン谷の世界。ムーミン屋敷の主ムーミンパパは、いつも机に向かって書き物をしている。彼は、若い頃の冒険旅行の思い出を書いているのだ。(『ムーミンパパの思い出』としてまとめられている)。
喫茶店のマスターをしながら、ムーミンパパのように物書きができれば、それはそれで夢がかなったことになるのかもしれない。個人的には、スナフキンの大ファンなのだけれど…。
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