ドラマ「指先でつむぐ愛」を見て
一昨日の夜、フジテレビのドラマ「指先でつむぐ愛」を見た。新聞の番組欄に載っていたので、見てみようかと思っていたら、妻もそう思っていたようで、2人で見た。
9才で失明し、18才で耳も聞こえなくなった全盲聾の福島智さん(現東京大学助教授)を中村梅雀さんが、その妻光成沢美さんを田中美佐子さんが演じている。原作は、沢美さんが書いた『指先で紡ぐ愛』(講談社)である。
福島さんは、子どもの頃の記憶で喋ることはできるが、外部からの情報入手は、指点字という通訳者の指の「手話」だけである。
2人がリハビリセンターで講師と生徒として出会って、互いに思いを寄せ、結婚するまでの前半。夫婦となってから、2人の出会った東京を離れ、金沢大学で助教授として教える夫を妻、通訳者として公私ともに支える中で、沢美さんは、自分の存在・役割に疑問を感じ、葛藤が起きる。最後には、その思いを夫にぶつける。
福島さんは、『自分を大切にできない人間は、他人も大切にできない』『一人で生きていけない人間は二人でも生きていけない』と言い、『君が何かをしてくれるから一緒にいるのではない、君の存在そのものが自分には必要なのだ』と語りかける。
障害者の夫とその妻という形で表現されているが、底流に流れるテーマはどの夫婦にも共通の問題だろう。原作も読んでみたい。
ドラマのあらすじや主演2人のコメントはフジテレビのホームページに掲載されている。ドラマ→金曜エンタテイメントと進み、「指先をつむぐ愛」バナーをクリックすると見ることができる。(勝手にリンクは張れないようなので)
| 固定リンク | 0
「恋愛」カテゴリの記事
- 言葉にして伝えることの大切さ(『男の復権』を読んで・その2)(2007.01.03)
- 人生の四季 、『ライフサイクルの心理学』を読み終わる(2006.07.30)
- ゲド戦記第4巻『帰還』(2006.07.05)
- ゲド戦記第2巻『こわれた腕環』(2006.06.26)
- リメイク版「Shall we dance?」が描こうとしたもの(2006.06.06)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マンガ『弱虫ペダル』大ヒットの理由を考える。主人公小野田坂道は指示待ち世代の典型?(2015.09.06)
- 『赤毛のアン』を読み始める(2014.09.21)
- 漫画『坂道のアポロン』ボーナス・トラックとのファンブック、ログブックを読み、アニメ『坂道のアポロン』のブルーレイディスクで見た制作関係者の本気(2012.11.23)
- 深夜アニメ『坂道のアポロン』が素晴らしい(2012.06.10)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 西野智彦著『ドキュメント通貨失政』(岩波書店、2022年)を読み終わる(2023.02.24)
- 三宅香帆著『それを読むたび思い出す』(青土社、2022年)を読み終わる (2023.02.18)
- 北条早雲(伊勢新九郎盛時)を描く『新九郎、奔る!』(ゆうきまさみ、小学館)(2021.05.22)
- 『戦乱と政変の室町時代』(渡邊大門編、柏書房)を読み終わる(2021.05.16)
- 小野不由美著『十二国記』シリーズ (新潮文庫版)を読み終わる(2015.03.01)
「家族」カテゴリの記事
- 赤﨑正和監督の映画「ちづる」の劇場公開を見て、母久美さんの本『ちづる』を読んで考えたこと(2)~劇場公開までのもう一つのドラマ(2011.11.07)
- 赤﨑正和監督の映画「ちづる」の劇場公開を見て、母久美さんの本『ちづる』を読んで考えたこと(2011.10.31)
- 記事の総数もようやく1200本へ、過去1年半を振り返りこれから迎える50代を考える(2010.09.02)
- 公私ともに一段落、そろそろブログも復活しなくては…。(2010.03.27)
- バレーボールに賭けた長男の中3の夏が終わる(2009.07.20)
「人生」カテゴリの記事
- 令和元年の年の瀬にブログ更新を再開(2019.12.21)
- 49歳という年齢とブログのテーマ(2009.11.11)
- 「中年クライシス」から「中年の覚悟」へ(2009.06.01)
- 大人と子供を区別するもの、人の事を考えられるか(2007.03.05)
- 訃報:『14歳からの哲学』の池田晶子さん死去(2007.03.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント