厄落とし
今日、職場からの帰り、情けない話があった。
自宅最寄り駅で降りて、駅前の自転車置き場から自転車に乗り、家路に着く。途中、閉店間際のドラッグストア前を通ると、トイレット・ペーパー12個パックが168円という表示に目に入った。これは安い!間違いなく安い!そう言えば、そろそろ我が家のトイレット・ペーパーがなくる頃だと思い出し、小雨の中だったが、4個だけ残っていた特売のパックのうち、2個を買った。
道路を渡って、家族に頼まれていた玉子を買いにスーパーへ。トイレットペーパーのパックを持って店内を歩くわけにもいかないので、一個は自転車の前カゴに、一個は荷台に付けている後ろのカゴに入れて店に入った。何となく嫌な予感がしたのだが、10分も経たずに戻ってみると、見事に後ろのカゴに入れたパックがなくなっていた。
いかにも取って下さいと言わんばかりに、無防備に置いていた自分も悪いが、いったいどんな人が、たかだか200円程度のトイレット・ペーパーのパックを盗んでいったのだろうかと思うと、悲しいやら情けないやら。日本人もここまで堕ちたのかと怒る気にも、なれなかった。
4~5年前、仕事で福岡に出張した。ちょうど12月で、冬のボーナスが出たばかり。天神で4万円ほど下ろして、財布にいれ、会社の人と取引先に向かいプレゼンをした。終わったあと、取引先の社長と私を呼んでくれた会社の人と一緒に、中洲のスナックに誘われて飲みに行った。背広を脱いで、店のクローゼットに預ける。財布を入れたままにしておいたのが、いけなかった。帰ってみると、どうもお金が抜かれている。店には、片言の日本語でしゃべるアジア系の女性もいたので、彼女にやられたのかもしれない。その店は、取引先の社長の行きつけだったので、ケチをつけるようなことを言うのも、はばかられ、そのままにしておくしかなかった。以来、財布を背広に入れたまま預けることはしなくなったが…。
前置きが長くなったが、中洲で現金を抜かれ不愉快ではあったが、その取引先へのプレゼンは社長にそれなりに評価してもらい、その後の自分の仕事の柱の一つになったので、4万円を抜かれたことを我慢した分くらいの見返りは十分あった。4万円の見返りに運をもらったと思うことにした。多分、その時、私の財布からお金を抜いた主は、きっといい目にはあっていないのではないだろうか。
今日の話も、盗んでいった犯人が私の厄も一緒に貰っていってくれて、厄落としになったと考えようと思う。4万円に比べると、あまりにせこい話なので、御利益(ごりやく)も小さいかも知れないけれど。(今頃、犯人はくしゃみでもしているだろう…)
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