働きやすい職場とは?
私の妻は、1年半ほど前からパートに出ている。職場は福祉関係だが、話を聞いているとどうも、上司とうまくいっていないらしい。上司と部下の間に、信頼関係は全くなさそうだ。
これまで、何度か転勤し、官庁へも出向し、会社が合併し職場の人間関係も大きくかわった。リーダーとか、課長という名の管理職の仕事もした。「マネージメント」ってどうやればうまくいくのか、どうすれば配下の人たちが生き生きと働いてくれるのか?自問自答、試行錯誤の毎日だった。そんな目から見ると、妻の職場の上司は、まったく、真面目に「マネージメント」について考えたことがあるのかと言いたくなる。
以前、米国の世論調査会社ギャラップ社の「ストレングス・ファインダー」の話を書いたが、そのギャラップ社のスタッフが書いたマネージャー論に『これが答えだ!(原題:FOLLOW THIS PATH)』(カート・コフマン&ゲイブリエル・ゴンザレス=モリーナ著、日本経済新聞社)という本がある。サブタイトルには「部下の潜在力を引き出す12の質問」とある。
本のカバーの折り返しには「1000万人の顧客、300万人の従業員、20万人のマネージャーを対象とした調査から、生産性の高い組織とそうでない組織のちがいが明らかになった。それが<Q12>と呼ばれる12の質問だ。これら12の条件が満たされれば、マネージャーは必ず生産的な職場を生み出すことができる!」とまで書かれている。
その12の質問は以下の通りだ。
1.職場で自分が何を期待されているのかを知っている
2.仕事をうまくおこなうための必要な材料や道具を与えられている
3.職場でもっとも得意なことをする機会を毎日与えられている
4.この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
5.上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
6.職場の誰かが自分の成長を促してくれる
7.職場で自分の意見が尊重されるようだ
8.会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
9.職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
10.職場には親友がいる
11.この6ヵ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
12.この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった
この12の質問は、「ストレングス・ファインダー」とも密接に関連しており、「ストレングス・ファインダー」で明らかになった個々人の強みを認識した上で、メンバーそれぞれに得意なことをやってもらおうということだ。
マネージャーは、ひとりひとりのメンバーに関心を持ち、その成長・気づきのためには何ができるのか、常に考え行動することが求められているのだと思う。
私は、今はマネージャーの立場ではないが、職場では、周囲の人たちには、それとなく声をかけるようにはしている。信頼関係が築かれたチームの中で、それぞれのメンバーが真剣に質の高い仕事をしようとすれば、それは自然とチーム内に適度な緊張感を生み、1人ひとりが孤立無援で仕事をしている時より、数倍のエネルギーを発揮すると思う。もし、また、マネージャーの立場にことがあれば、この12の質問を活かして、メンバーと関わっていきたい。
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