周防監督が書いた「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」
先週6日の土曜日、本家『shall we ダンス?』を見た後、翌日7日の日曜日にはさっそくハリウッド・リメイク版の『shall we dance?』を見て、このブログの新規投稿ページで、日米版の違いをテーマにいろいろ書いてほぼ完成、念のため、ハリウッド版を解説しているホーム・ページで、役名を確認してとうっかり検索したら、ページが替わってしまい、「しまった」と思った時にはすでに遅く、保存していなかったため、1時間近くかけて書いた文章は、きれいさっぱり消えてなくなっていた。仕事でもたまにあるが、気合いを入れて書いていただけに虚脱感も大きく、夜も遅かったので、そのまま寝てしまった。
一度、興味を持つと納得するまで、追究したい癖があり、月曜日には、書店で周防正行監督が日本版の米国での公開のため米国全土をキャンペーンで回った時のことを書いた「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」(文春文庫)を見つけ、3日ほどで読んだ。
私は、この映画を中年クライシスをテーマにした映画ということで見たが、監督自身は最初から中年クライシスという視点で描いた訳ではなく、それは世代に関わらず、自分の現状に不安や不満があって、ふっと立ち止まって考える人の象徴として、その頃日本で一番元気のなかった中年を取り上げ、彼らを元気づけたいということだったようだ。中年クライシス(ミドル・エイジ・クライシス)を描いた映画という評価は、米国に行って初めて言われたらしい。
この本は、米国各地でのキャンペーンの記録のために書かれたものだが、最初にそもそも、何故、米国で日本版を公開することになったのか?米国での公開のため、上映時間を2時間以内にすることが求められ、不本意ながら日本での公開版から約20分をカットすることになり、どの場面をカットしたのかなどが、詳細に書かれている。
そこには、映画全体への監督の思い、個々の場面作りでの監督の意図が語られていて、「そうだよね、自分もそう感じた」という部分と「そこまで考えていたのか、気がつかなかった」という部分、また時には「あの場面で、これを感じろというのはちょっと難しいのでは」ところもあり、映画を思い出しながら、一方、同じ場面がリメイク版でどう表現されていたかということも考えながら読むと、なかなかおもしろかった。
1回書きかけて消えてしまった、本家とリメイク版の比較は、また稿を改めて書くことにする。
「Shall we ダンス?」関連の記事はこちら
5月6日:「Shall we ダンス?」を見る
5月13日:周防監督が書いた「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」(本編)
6月5日:ハリウッド・リメイク版「shall we dance?」と日本の「shall we ダンス?」の違い
6月6日:リメイク版「Shall we dance?」が描こうとしたもの
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コメント
こんにちは!
初めてコメントさせていただきます。私もおととい3時間かけて、あげる寸前に飛ばしてしまいました。画像処理等に時間をかけやっと寝れると思った瞬間でした。
リメーク版は、2時間かかり結局寝たのは、5時半と中年にとっては、ショック以上のものでした。
リメーク版は、出来は、悪く、やはり神様は、別の話題にしなさい!と言うメッセージだったかもしれません?1回切れてしまった本家とリメーク版の比較、楽しみにしています!
投稿: ホウホウです | 2006年5月14日 (日) 17時28分
ホウホウさん、コメントありがとうございます。
長時間の作業が一瞬にして消え去るむなしさは、何とも言えないものがありますね。
一度、ワードやメモ帳で下書きをしてから、最後に新規投稿ページに貼り付ければいいというのは判っているのですが、うっかり忘れていた時に不幸はやって来るということでしょう。
本家『Shall we ダンス?』とリメイク版『shall we dance?』は、もう少し周防監督の本なども読み返して、組み立てなおして書きたいと思います。できあがった時は、また読んでいただければ幸いです。
投稿: 拓庵 | 2006年5月14日 (日) 19時09分