パン教室の先生
今日、妻が通っていたパン教室の講師の認定試験があり、なんとか合格した。とりあえず、家族一同ほっとしている。(多分、妻本人が一番ほっとしていると思うが)
試験の課題は、「食パン」と「あんパン」を焼くこと。試験が近づいた先々週あたりから、いま習いに行っている教室の先生からは、「食パンを100斤焼きなさい」と言われ、介護のパートの傍ら、夜遅くまで、食パン作りと格闘していた。(結局100斤には届かず、30斤くらいだったようだ)
なかなか、うまく焼けないようで、落ち込む日も多々あり、以前、「田舎で小さな喫茶店を開き、自分がパンを焼くので、あなたはおいしいコーヒーを淹れて」と言っていた威勢の良さは影を潜めていた。
最近では「自分は専用オーブンに、発酵器も持っているのに、持っていない(教室の他の)人より出来が悪い」「自分は、パン作りの才能ないかもしれない…」「パン作りに向いていない…」と弱気発言の連発で、しまいには、「あのパン教室の教え方は変だ」と言い出す始末で、なだめるのに一苦労だった。
まあ、人に教える資格をもらうのだから、そう簡単には行くはずもなく、「教室の先生は、同じ食パンを何回も焼くことで、均等な品質でパンを焼くことの難しさを、身をもって体験してさせようという事なのだろうな」と、端からみている私などは思うのだが、渦中にいる当事者は、それどころではないようだった。
練習で焼いた食パン、あんパンのうち、いくらかは我が家で自家消費したが、毎日のように2斤、3斤と焼かれる食パンを食べきれるはずもなく、近所に配るにも限度があり、焼かれたパンの半分以上は捨てられてしまったようだ。もったいないというか、申し訳ないというか……。
捨てられたパンたちの供養のためにも、妻にはこの資格を今後の人生の中で是非有効に活用して欲しいと思っている。(私のコーヒーの方は、当分、進みそうにないけれど)
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