海の霧
今日は、平日休暇を取った。午前中、都心まで出て、会合に出たあと、昼過ぎに自宅に戻る。リビングでテレビをつけると、各地の天気を伝えていて、北海道では霧に包まれる釧路市の幣舞橋(ぬさまいばし)の映像が登場していた。
北海道では、何度か霧に遭遇した。最初は海の霧だ。
去年(2005年)の5月29日、桜で有名な日高地方の静内二十間道路に向かった。静内町は競走馬の産地としても、有名で、昨年、吉永小百合の主演映画として話題になった『北の零年』も静内が舞台だった。
札幌から道央自動車道で、南に下り、苫小牧東ICで日高自動車道に乗る。シシャモで有名な鵡川で自動車道は終わり、あとは、海沿いの国道235号線を走った。地図を見るとわかるが、国道235号線は、途中から海岸線を沿うように走っている。静内に向かっては、右手に太平洋、左手は至るところの日高の馬牧場を見ながら車を走らせる。
晴れていて、気温も暑すぎず寒すぎず、快適なドライブと喜んでいたら、静内の隣町の新冠に近づいたところで、突然、海から霧が湧いてきた。海の方から、陸に向けてあとからあとから、霧が湧き出してきて、瞬く間に道路を覆っていった。最初はうっすらだったが、どんどん濃くなっていく。視界も、どんどん悪くなる。車のスピードも落とさざるを得ない。とりあえず、いったん新冠(にいかっぷ)の道の駅で休む。(写真は道の駅で。銅像の馬はハイセイコー、写真の後方の建物は霧に霞んでいる。)
霧はすぐ収まる気配もないので、残り5~6kmということもあり、再び出発。程なく、静内の町に着いたので事なきを得たが、もっと手前で霧に遭遇していたら、行くのをあきらめていただろう。
二十間道路は、町中から少し山手に上がったところだったので、霧もそこまでは追いかけてこず、ゆっくり見物はできたが、桜の方は盛りは過ぎかなり散り始めていて、一部は葉桜になっていた。
帰りは、安全を考えて、少し遠回りだったが、途中まで山間部の道を走った。帰り、鵡川の道の駅「四季の館」で、ひと休みしていたら、こちらにも霧が迫ってきた。霧から逃れるように、札幌に向かったのを思い出す。
先日、紹介した『楽しい気象観察図鑑』(武田康男〔文・写真〕、草思社)には、
海でも、親潮(北海道の東側から房総沖にかけて北から南に流れる寒流)などが流れる冷たい海では、空気が冷やされて霧が発生しやすくなります。海で発生する霧は範囲が広く、視界が悪くなるので、船の航行にはたいへん危険です。(以下略、同書15ページ)
とある。急に冷たい親潮が、沿岸付近まで流れて来たのだろうか。天気も悪くなかったので、暖められていた海上の湿った空気が、急に寒流で冷やされ、海から霧が湧き出したように見えたのだろう。やはり、自然の力は侮れない。
余談だが、まっったく別件で検索をしている最中に、『楽しい気象観察図鑑』の作者の武田康男さんのインタビュー記事をみつけた。経歴を見て、自分と同じ1960年生まれということで、さらに親近感を覚えた。「SKYPAGE」というホームページの写真も素晴らしい。
二度目の北海道の霧体験は、また改めて書くことにしたい。
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