ゲド戦記第5巻『アースシーの風』
ゲド戦記第5巻『アースシーの風』を昨日読み終わった。
第4巻『帰還』で、魔術師としての力を失ったケドは故郷のゴント島に戻り、第2巻『こわれた腕環』でカルガド帝国の墓所から救い出したテナーと結婚し、テナーが引き取って育てている娘テルーとともに、ゲドの恩師であるオジオンの家で暮らし始める。第4巻では、最後に、ゲドとテナーの危機をテルーが救うことになる。
『アースシーの風』では、『帰還』からさらに年月がたち、老年となったゲドのところに、ハンノキという男のまじない師が訪ねて来るところから始まる。テナーとテルーは、第3巻『さいはての島へ』で、ゲドと生死をともにした後、王となったレバンネン(アレン)から呼ばれ王の住むハブナー島へ出かけている。
ハンノキは、死に別れた妻ユリに呼ばれて夢の中で、黄泉の国の石垣を乗り越えてあちらの世界に行きそうになる。どうしたら、夢を見なくなるか、ゲドに尋ねに来たのだ。ゲドは、動物を飼い自分の近くに置けば、夢を見なくなるかもしれないと考え、ハンノキに一匹の子猫をもらってやる。しかし、自分のところでは、これ以上なにもしてやれないと、レバンネン王の手紙を託け、ハブナーに行くように勧める。
一方、ハブナーでは、レバンネン王が西の海で竜が暴れ出したことに心を痛め、その対策を考えるための相談相手として、テナーとテルー(テヌハー)を呼んでいたのだ。そこに、和平交渉していたカルガド帝国から、使節団がやって来て、カルガドの王女を王妃とすることが和平の条件と言い残し、王女を置いて国に戻ってしまう。王女は、ハブナーの言葉が全くわからず、レバンネン王はカルガドに対し怒りと憎しみさえ抱く。さらに、西方で暴れていた竜がハブナー島の西岸にまで飛来し、畑を荒らしたりと暴れ出す。
今回もゲドは導入部で登場するだけで、話はレバンネン王とテナーを中心に語られる。最初は、無関係に見えたハンノキが亡くなった妻に夢の中で呼ばれることと、西方で竜が暴れていることが、実は関係があることが、だんだんと明らかになっていく。
今回は、生と死というものが大きなテーマとしてあって、西洋的な幽霊・霊魂的なものと、仏教的な輪廻転生というものが対比されている。また、言葉、民族・国といったものも、テーマとしてあり、重層的な話に仕上がっている。
とりあえず、外伝を除いたメインストリーの5冊を読み終わった訳だが、ひと言では言い表せない深みがある。あと、2~3回読み直して、細かい表現、登場人物の整理等を行う必要があるだろう。まちがいなく、一読の価値ありである。
別巻『ゲド戦記外伝』まで、読み終わったところで、改めて考えてみたい。
*関係する記事
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6月22日:『影との戦い』
6月26日:ゲド戦記第2巻『こわれた腕環』
6月30日:ゲド戦記第3巻『さいはての島へ』
7月5日:ゲド戦記第4巻『帰還』
7月9日:ゲド戦記第5巻『アースシーの風』(本編)
7月16日:ゲド戦記『ゲド戦記外伝』
8月5日:『ゲド戦記』宮崎吾朗監督のメッセージ
8月13日:映画『ゲド戦記』を見て
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コメント
はじめまして。トラックバックして頂いたので、こちらからもさせて頂きます。
拙宅の記事の内容が第5巻中心なので、こちらの記事にさせて頂きました。
投稿: 青空百景 | 2006年10月23日 (月) 09時21分