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2006年7月 2日 (日)

「カード」から「ケータイ」へ

最近のクレジットカードやキャッシュカードを見ると、カードに金色の金属チップが埋め込んである。ICチップだ。ICチップが埋め込まれたカードがICカードである。
最近、必要に迫られて、この世界の技術について勉強したが、数年前まで、開発段階だったものが、ここ1、2年で一気に実用段階に入り、我々の身の回りに登場してきている。

カードに埋め込まれている金色のICチップは接触型ICチップ。非接触型ICチップというのもあって、これは、電子マネーのJRのSuicaカードやEdyなどに使われていて、表面からは見えない。接触型も、非接触型も基本的な構造は同じで、計算処理等を行うCPU(演算装置)とデータやアプリケーションソフトを搭載するメモリー部分に分かれていている。電源はATMやカードリーダーなど外部から供給を受け、ATMやカードリーダーとの間で情報をやりとりし、いわば小さなコンピューターとして働く。(参考記事:知っておきたいICカードのタイプと使われ方

接触型の金色のICチップが搭載されたカードは、従来のキャッシュカードやクレジットカードの磁気ストライプ部分に記録されていた暗唱番号のデータをICチップのメモリー部分に記憶し、さらに自ら持つCPUと残ったメモリーをどう活用するかという課題はあるものの、基本的には従来のカードの延長線上にある商品・サービスだと思う。
現在、カードの世界では、ICチップの登場により多機能化が一気に進み始めている。銀行のキャッシュカードとクレジットカード機能の一体化、クレジットカードと電子マネー機能の一体化、ひいてはキャッシュカード・クレジットカード・電子マネー機能が一枚のカードに納められたカードも登場している。まさしく、カードにおける「all-in-one」である。

一方、非接触型ICチップが登場したことにより、これまでプラスチックカードの存在を前提にしていた商品・サービスが、カードというインフラから離れることが可能になった。その代表が、携帯電話を利用した「おさいふケータイ」である。SuicaやEdyのアプリケーションソフトが携帯電話の非接触ICチップにダウンロードされれば、そのまま使える。さらに、NTTドコモでは、DCMXという独自のクレジットブランドを立ち上げた。携帯電話がクレジットカードの機能も兼ね備えることになる。(DCMXは、カードも発行するようではあるが…)

これまでは、サラリーマンが、必ず持ち歩くものといえば、通勤電車の定期券、銀行のキャッシュカード、この10年ほどで、そこに携帯電話が加わった。(クレジットカードは、持ち歩いてはいるが、なくても何とかなる)

そして、ICチップの登場により、それらの日常携行品が様々なサービスを加えてきたが、金融と交通は融合し、1枚のいずれカードで用が足りるようになるだろう。さらに、その複合カードの機能を携帯電話が全て吸収することになるのか、しばらくは企業間の合従連衡、陣取り合戦が繰り広げられるだろう。

今のところ、非接触ICチップのメモリー容量の問題で、全てのサービスを携帯電話に取り込むことは難しいようだが、技術的には解決可能な問題だろう。

キャッシュカード、クレジットカード、電子マネー、定期券の全ての機能を取り込んだ携帯電話ができれば、持ち歩くものが減って便利にはなると思うが、携帯を忘れたり、なくしたりすると何もできなくなるリスクも抱えることになる。最後は、何を選ぶかは利用者次第になるとは思うが、しばらくはこの世界から目が離せない。

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