教育・育児の悩みを解決してくれる『子育てハッピーアドバイス』
高校3年生の長女が先週末『子育てハッピーアドバイス』『子育てハッピーアドバイス2』(いずれも、明橋大二著、イラスト太田知子、1万年堂出版)の2冊を学校の図書館から借りてきた。「おもしろそうだし、イラストが可愛かったから…」との長女の弁。
著者の明橋大二さんは、1959年生まれの精神科医で、スクールカウンセラーもやっている。子育てに悩む若い母親向けに、明橋先生の語りを太田さんの可愛いイラスト・マンガを交えて伝える。1冊1時間もあれば、読めてしまう。
しかし、内容は濃い。2冊を通じて、明橋先生が強調するのは、子供の自分に対する信頼感(自己評価)を高めること。幼い時に、親がしっかり子供の甘えを受け止め、話を良く聞いてあげて、子供の自己評価・自己肯定感が育ってこそ、「しつけ」も、「勉強」も身につくと説いている。親が何をやれば子供の自己評価が高まり、何をやれば自己評価を低めることになるのか、日常によくあるケースがいくつも取り上げられている。親がよかれと思ってやっていることが、逆効果というケースがなんと多いことか。自分でも、反省させられることが多かった。
また、子育ての責任が母親ひとりに集中しがちで、母親自身に余裕がなくなっているケースが多いので、父親や周りの人々が母親をサポートすることも重要と強調している。
折しも、我が家では、夏休み明けの妻が、中3の次女の成績が伸びない、小6の長男はちっとも言うことを聞かないということで、「自分の子育てが間違っていたのではないか?」と真剣に悩み始め、私が「そんなことはない」となだめても全く効果がなく「中年クライシス」状態だった。家族全員で、この2冊を読んで「これってウチでもあるよね」とみんなで納得している。妻も、自分が客観視できて、少しは楽になったのではないかと思う。
きちんとしつけなきゃならない、と思って、子育てが負担になり、イライラしていると思ったら、いったん、しつけなんて、もうヤ~タと放棄して、肩の荷を下ろして、深呼吸してください。
そのほうが、よほど子供の将来のためにいい、ということもあるのです。
(明橋大二著『子育てハッピーアドバイス』1万年堂出版、116ページ)
この本は、今子育てに悪戦苦闘する若い親とっては、子育てのバイブルになるだろう。すでに子供が大きくなった私のような中年世代の親にも、自分の子育てを振り返り見直し、やり残したことがあれば、今からでもできることは試した方が、より良い親子関係作れるかも知れないという点で必読書だと思う。
*『子育てハッピーアドバイス』関連記事
9月4日:教育・育児の悩みを解決してくれる『子育てハッピーアドバイス』
9月10日:『子育てハッピーアドバイス3』発売
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