言葉にして伝えることの大切さ(『男の復権』を読んで・その2)
昨日も取り上げた『男の復権』(池内ひろ美著、ダイヤモンド社)から、もう一つ。
「第2章 後悔しないための女の選びかた五箇条」の最後に「女の落とし方」との一文がある。ここには、手練手管を駆使して、どうやって女性を口説くかということが、書いてあるわけではない。正攻法が書いてある。
あなたが好む女を選ぶことができたら、彼女にその気持ちを伝えたくなる。
さて、どうしたらいいか。
多くの男性はここで悩んだあげく、彼女に嫌われたくないと思うあまり、気を遣いすぎる。
大切なのは、「嫌われないこと」ではなく「好かれる」ことである。
まずは、あなたが彼女に好意を持っていることを伝えよう。(中略)
いずれにせよ、あなたの気持ちは言葉にしなければ伝わらない。伝えることが大切だ。一人前のまともな女であれば、あたたが伝えた言葉を理解して答えを出すことができる。その答えを聞いてから、進むか引くかを決めればいい。
愛情を伝えることを怖がらなくていい。好きだと思ったらまっすぐに伝えて、頑張れ。
(『男の復権』49~50ページより)
” 大切なのは、「嫌われないこと」ではなく「好かれる」こと”、”あなたの気持ちは言葉にしなければ伝わらない”というのは、その通りだと思う。しかし、それは40代になって実感すること。
言葉にして伝えた結果、ダメだったこともある。しかし、それ以上に、嫌われたくないあまり、言い出せないまま、終わってしまった想いがどれだけあることだろう。あの時、言葉にしていれば、結果はどうだったのか?過去に遡って、解き明かしてみたいことではある。 意外に、相手も「憎からず思っていたのに、そう言ってくれなかったではないか」ということになるかも知れない。
とはいえ、「後悔先に立たず」であり、既に現在の生活を抱える大人たちにとって、「あの時、気持ちを伝えていれば…」との「if(イフ)」を問うて明らかにしてみたところで、何かが変わる訳でもない。
では、現在の我々にとって 言葉にして伝えることの意味は何か。著者は「大人の男になるための十箇条」の「第7条、「ありがとう」の言える男になれ」でも、言葉にして伝えることの重要性を強調する。
言葉にしなければ、伝わらないことがある。言葉はとても大切なものだ。
そんなことはない、気持ちがあるから大丈夫だよ、夫婦は以心伝心 だし、部下は推して知るべしだ。なぁんてことを信じていてはだめですよ。(以下省略)
(男の復権』20ページより)
当たり前のことだが、何も若い男女の恋愛感情に限らず、相手が誰であっても、何事も、言葉にして伝えなければ相手には伝わらない。しかし、親しければ親しいほど、それを忘れてしまう。過去の苦い経験は、自分が生きているいま現在に活かしていくしかない。
自分の周りの人々に、いろいろなことをキチンと言葉にして伝えていけるか、これは何歳(いくつ)になっても、簡単そうで、難しいことの一つだと思う。1年の計の5つめの目標に加えるべきことかもしれない。
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