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2007年1月28日 (日)

ブログは自分の分身、検索サイトの横暴からどうやって分身を守るのか(『ウェブ人間論』(梅田望夫・平野啓一郎)を読んで)

しばらく前に読んだ、新潮新書の『ウェブ人間論』(梅田望夫、平野啓一郎 対談)の中で、「ブログはネット上での自分の分身」という梅田望夫氏のコメントあった。

私も、ブログを書くようになって、もうすぐ1年になるが、少しづつ記事を書き続けていくうちに、記事も300250タイトル以上たまった。なぜ、飽きもせずに書いているかといえば、一つは文章を書くことが好きだからであり、書いたものを誰かに読んでもらいたいからだろう。確かに、このブログはネットの世界の中での私の分身だと思う。

1日どれだけの人が見てくれるかは、やはり一番の関心事で、数字が多ければうれしいし、少ない時はがっかりする。アクセス数が、分身のネット社会での端的な評価だからだろう。

現在、平均すると1日100件アクセスがあるが、どのような経路でアクセスされているかを調べると、①お気に入り・ブックマーク等に登録してもらっているこのブログのURLからの直接の来訪が12~13%程度で、残りの約90%の半分が②他のブログに送ったとトラックバックからの来訪、残りの半分が③グーグル、ヤフーなのど検索サイトでの検索によるものだ。

①は、私の知人も含め、定期的にこのブログを読みに来てくれる言わば「定期購読者」の方であり、基本的には、自分と同世代の何人かの友人・知人を顔を思い浮かべてこのブログは書かせてもらっている。読んでくれる読者は、私という人間が、今日は何を書いているのかということに関心を持ってアクセスしてくれているのだと思う。

②のトラックバックは、私が自分の書いた記事と同じような内容の記事を書いているブログのサイトを見つけては、自分の記事を相手の記事にトラックバックしているもので、いわば自分のブログを売り込む飛び込みセールスとでもいえようか。
トラックバックの相手は、個人の場合がほとんどだが、中には新聞社のブログや著名人のブログもある。
例えば、新聞社が開設している将棋の棋戦の中継ブログに将棋ネタの記事をトラックバックすれば、その棋戦の開催中や終了直後は、多くの人がそ棋戦のブログを読むので、そのうちの何人かは、そこにトラックバックされている私の記事にもアクセスしてくれる。言わば、本家のブログに便乗する形だ。本家の注目度が高ければ高い程、トラックバックの効果も大きく、一時的には自分のブログにもアクセスが増える。

③の検索は、どのようなキーワードでアクセスされるかは、事前には予測することは難しいし、検索にヒットさせることを目的に記事を書くのが、本筋ではないので、どの記事がよく検索の対象になるかは結果論でしかない(なるべく、検索にヒットしやすいような書き方はするが・・・)。むしろ、アクセスの結果を見て、世の中に人々が、より多く関心を持っているテーマを知るという方が正しいだろう。
これまでも何回か取り上げたが、私のブログに中では、河合隼雄前文化庁長官が脳梗塞で倒れたあとの容態に関する記事(2006年8月24日「気がかりな河合隼雄文化庁長官の容態」)がそれに当たる。記事を書いた8月とその直後の9月がもちろんアクセスが多かったが、その後も毎月コンスタントにアクセスがあり、これまでに4500件を超えている。ブログ開設以来約3万件の総アクセスのほぼ15%を占める。

これは、検索サイトの表示順の影響が大きい。本日現在では、「河合隼雄 容態」とグーグルに入れて検索すると8月24日の記事がトップで表示される。グーグルは、他のサイトにも検索機能を提供しているから、その影響力は絶大だ。年明けには、「河合隼雄」という単独のキーワードでも、グーグル検索のトップ10に表示されていて、この記事のアクセス数は1月に入り、12月よりも増えていた。

ところが・・・である。数日前から、このブログのアクセス数全体が大きく激減した。調べてみると、グーグルに「河合隼雄」と入れても、8月24日の記事はもちろん、他の日に書いた私の別の記事も、トップ10どころか、100番目までにも出てこない。単独ワード「河合隼雄」でのグーグルの検索結果の表示から閉め出されたという感じである。「河合隼雄 容態」の2つのキーワードをいれれば、いぜんトップで表示されるだけに余計に不可解である。
以前も、ヤフー検索で同じように、「河合隼雄 容態」で、8月24日の記事がトップ10に表示されていたのに、ある時忽然と消えて、アクセスが激減したことがあった。その時も、今回も特に昨日までと変わったことをしたわけではないのに、突然消える。消えてなくなる。表示ページが1ページ後ろになったというなら気にしないが、存在そのものが消えてなくなる感じなのだ。

先週の日曜日のNHK特集でグーグルの特集番組が放送されていた。その中で、米国で、グーグルのトップ10に表示されなくなった結果、通信販売の売上が激減し、倒産の危機に瀕し、グーグルを訴えっている会社があったが、ビジネスの世界であれば、そこまで行ってしまうのだろう。

では、その後はどうかというと、なんと・・・である。今日、グーグル検索で「河合隼雄」とう単独キーワードで8月24日の記事を見に来た人がいたので、確かめてみると、「河合隼雄」単独キーワード検索結果で、トップ10の8番目に8月24日の記事が復活していた。
なぜ、消えたのかも、なぜ復活したのかも分からない。しかし、私のブログのような小さなサイトでも、それによって確実にアクセスの増減が起きるのは間違いない。

結局、検索サイトからの来訪とうのは、当てにならないということだろう。安定的にアクセスを増やしていくには、ブックマークに登録してくれて定期的に来訪してくれる①の読者を増やすしかない。しかし、それは②のトラックバックや③の検索を経由して立ち寄ってくれた一見の購読者が、ブックマークに登録しようと思ってくれるか否かにかかっており、最後はやはり書く内容次第ということななる。

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コメント

こんにちは~。

私もNHKのあの番組を見てました~。
検索されたり、されなかったり、ホント不可解ですが、そこンとこを明確にすると、そういう対策をしたサイトばかりが上位になるので、やはり不可解なままなんでしょうね。

私のブログは歴史系なので、昨年は「大河」にかなり左右されました。
ハセキョーさんのガラシャが登場すればガラシャに・・・。
関ヶ原の時は石田三成に・・・。

驚くのは、アクセス解析を見てみるとドラマの最中に、すでにアクセスがある事ですね。
「今、まだ、ドラマ見てるんじゃないの?」って思ってしまいます~。

投稿: indoor-mama | 2007年1月29日 (月) 15時41分

indoor-mamaさん、いつもコメントありがとうございます。

あのNHKの番組の中でも、検索で上位表示をとれるようにアドバイスする会社が「トップ10に入れなければ、あたたたちのページはネット上に存在しないのと同じ」というようなことを言っていましたし、『ウェブ人間論』の中で、梅田さんも100番目以降は、ほとんど見られることがないと言っています。

これは、私たちが検索を利用する立場になれば、分かることで、何かを調べようとしてグーグルで検索した時、トップ10を見れば、必要な情報は揃ってしまう。必要なものが入手でき、目的が達成されれば、誰もそれ以上は見ませんものね。

読んでもらう側になれば、検索というインフラの中で、どうやって少しでも順位を上げ、人目に触れるようにするかが、ポイントになる。

対策を講じて、それなりに効果が出たときには、面白いですが、逆に知らないうちに、閉め出されるのは、結構、恐ろしいものがあります。今回は、1週間ぐらいで復帰していましたが、必ず元に戻る保証があるわけでなく、不安になります。

実生活での私のまわりに何が起きるわけでもないのに、不安になるのは、ブログが分身だからでしょう。
私もかなり、ネット依存症、ブログ依存症になっているのかもしれません。

投稿: 拓庵 | 2007年1月29日 (月) 19時58分

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