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2007年1月17日 (水)

佳境を迎える将棋A級順位戦、郷田真隆九段へのエール

第65期将棋名人戦での森内俊之名人への挑戦者を決めるA級順位戦が佳境を迎えつつある。A級在籍のトップ棋士10人の総当たりリーグ戦の7回戦までが今週終了した。

私が贔屓にしている郷田真隆九段は、1月15日の7回戦で難敵佐藤康光棋聖を破り、ここまで6勝1敗で単独トップを走っている。佐藤棋聖には、昨年11月26日、タイトルホルダーなど選ばれた上位棋士12名でのトーナメント戦「JT将棋日本シリーズ」の決勝で、苦杯をなめたばかり。順位戦では見事仇を討ってくれた。

郷田九段は今期の順位戦初戦で羽生善治3冠を破ってから4連勝。5戦めで谷川浩司九段には敗れたものの、その後も、勝ち星を重ねトップを譲ることなくここまで来ている。残る2戦は、これまでの7戦と違い、8回戦は2月1日(木)、9回戦は3月2日(金)に、10人の棋士による5局が一斉に行われる。最終戦である9回戦は、名人挑戦者が決まる一方(同成績者複数の場合は、後日プレーオフ)、下のクラスのB級1組に陥落する下位2名も決まるということで、「将棋界の一番長い日」とも呼ばれる。

A級順位戦は、限られた10人で将棋界で最も権威と伝統のある名人位への挑戦権を争う場で、A級に在籍していることそのものがトップ棋士の証明であり、他の棋戦に比べ棋士の意気込みも違うようだ。成績下位者2名は、一つ下のクラスのB級1組に陥落、B級1組の上位者2名と入れ替わる。毎年、激しい星のつぶし合いが行われるのが常であり、過去には前年の名人挑戦者が翌年の下位2名となりB級1組に陥落したことさえある。

今期、7回戦が終わった時点で、A級残留が確定しているのは、既に勝ち越している郷田九段(6勝)と谷川九段(5勝)、4勝の羽生3冠、藤井九段までで、残りの6人にはまだ陥落の可能性がある。

郷田九段の今後の対戦相手は、これまで2勝に留まっている阿部隆八段(8戦目)と、丸山忠久九段(最終戦)。
阿部八段は、今期、初めてのA級昇格だったが、上位の壁に跳ね返された格好。10人中10位というポジションのため、郷田に敗れると陥落の気配が濃厚になるので、必死で挑んで来るだろう。
丸山九段は、過去2期名人位を手にした強豪であり、ポジションも10人中5位で2勝どまりの3名の中では最も上位だが、8回戦での自他の成績次第では、最終戦に残留を賭けることになる可能性もある。
郷田九段にとって、いずれも気を抜けない相手であるが、連破して単独トップのまま、名人挑戦権を手にして欲しい。そして、当然ながら、名人戦でも森内名人から名人位を奪取してもらいたい。

A級順位戦の星取表はこちら

追記訂正(1.21記)改めて、7回戦までの成績と8回戦、最終戦の対戦相手を分析してみると、7回戦時点で4勝している三浦弘行八段(順位8位)もA級在留が確定していた。2勝5敗の3人のうち、順位10位の阿部隆八段は残り2勝しても、三浦が残り2敗した場合と同じ4勝5敗で、三浦が上位。三浦より順位が一つ上の久保利明八段が残り2勝し、三浦が2敗した場合は、三浦が下位となるが、久保の8回戦の対戦相手が順位9位で3勝の深浦八段であり、久保が深浦に勝った場合、深浦が最終戦の阿部戦に勝っても4勝止まりとなり、順位の関係で三浦が上位になる。久保-深浦戦で久保が敗れれば、久保は最終戦に勝っても3勝止まりであり、三浦を上回れない。残留争いでは、8回戦の久保-深浦戦が重要な一戦となる。

8回戦で、郷田九段が阿部八段に勝ち、羽生三冠が谷川九段に勝ち、深浦八段が久保八段に勝ち、丸山九段が三浦八段に勝つと、8回戦終了時で郷田九段の名人挑戦と阿部八段、久保八段の陥落が確定し、最終戦全てが消化試合という珍しい事態が起きることになるが、さてどうだろうか。いずれにせよ、郷田九段には連勝してほしい。

*将棋に関する記事(2006年)
4月26日:『将棋世界』5月号
6月19日:第64期将棋名人戦
8月2日 :将棋名人戦、朝日新聞に
8月27日:米長邦雄将棋連盟会長の『不運のすすめ』
9月9日 :森内俊之名人から見た羽生善治3冠
9月20日:将棋名人戦、朝日・毎日の共催へ協議開始
11月18日:郷田真隆九段の揮毫「晩成」
12月23日:第19期(2006年)竜王戦-佐藤康光棋聖及ばず、渡辺竜王に立ちふさがる最後の壁は羽生3冠
12月30日:将棋名人戦、毎日・朝日両新聞社の共催の詳細固まる

*将棋に関する記事(2007年)
1月8日:
佐藤康光棋聖、5連続タイトル戦挑戦者
1月17日:佳境を迎える将棋A級順位戦、郷田真隆九段へのエール
2月2日:祝・郷田真隆九段、A級最終戦を残し、第65期将棋名人戦での森内俊之名人への挑戦権獲得
2月3日:第65期将棋A級順位戦8回戦の詳細
2月3日:郷田真隆九段、父の死を知らず
2月3日:将棋永世名人位の重み
2月10日:将棋第65期順位戦B級1組第12回戦の結果分析とB級2組での渡辺竜王の昇級確定
2月12日:「名人は選ばれたものがなる」-郷田真隆名人待望論
3月3日:将棋界の一番長い日、将棋第65期A級順位戦の最終局の結末

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» 郷田真隆九段に注目   [BS11広報マン日誌]
きょう(20日)の「囲碁・将棋ジャーナル」(NHK・BS)を見ました。注目はゲスト解説者として郷田真隆九段が出演したこと。タイムリーでしたね。 というのも、この週のA級順位戦で、郷田九段がずっと好調を... [続きを読む]

受信: 2007年1月21日 (日) 09時48分

» 【予想的中】今期名人戦の挑戦者はズバリ郷田真隆九段。 [好むと好まざるとにかかわらず]
以前、今期名人戦の挑戦者はズバリ郷田真隆九段。というエントリを書いた。そして予想が的中したようなので再掲する。序盤戦術で苦戦するかもしれないが、終盤までもつれれば、郷田真隆十分に勝機はある。というか、これで郷田真隆が名人になれば、羽生世代で何人目だろう、、羽生・佐藤・森内・丸山・郷田、の五人ですか。。すごいなあ。以下・・・... [続きを読む]

受信: 2007年2月 3日 (土) 21時35分

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