祝・郷田真隆九段、A級最終戦を残し、第65期将棋名人戦での森内俊之名人への挑戦権獲得
昨日、2月1日は、将棋の第65期A級順位戦の第8回戦の5局が、東京の将棋会館、大阪の関西将棋会館でいっせいに行われた。
森内俊之名人への挑戦権を左右するのは、ともに関西将棋会館で行われた「郷田真隆九段(6勝1敗)対阿部隆八段(2勝5敗)」と「谷川浩司九段(5勝2敗)対羽生善治3冠(4勝3敗)」の2局。
郷田ファンの私としては、結果の出るのをいまや遅しと待っていたが、ようやく2日の1時34分に、主催者毎日新聞社のMSN毎日インタラクティブに結果が次のように報じられた。
郷田は阿部隆八段を降し、星を伸ばした。2番手の谷川浩司九段は羽生善治王将に敗れ、3敗目を喫した。このため、最終局を待たずに郷田の挑戦が決まった。(MSN毎日インタラクティブ)
郷田九段は、自ら阿部八段に勝って7勝1敗とし単独トップを維持、唯一2敗で郷田九段を追っていた谷川九段が羽生3冠に破れたため、谷川、羽生とも5勝3敗となった。これで、2敗がいなくなり、郷田九段が3月2日の丸山忠久九段戦に敗れても、郷田九段に並ぶ可能性のある棋士はいなくなり、郷田真隆九段の森内名人への挑戦が確定した。
郷田真隆九段は1971年3月生まれで現在35歳。'70年9月生まれの羽生善治3冠、'70年10月生まれの森内俊之名人とは同学年である。四段昇段は、'90年4月と2人よりは遅いが、1992年の第33期王位戦では、四段ながら当時の谷川浩司王位への挑戦権を獲得。4勝2敗で谷川を破り、22歳で王位のタイトルを獲得した(四段でのタイトル獲得は将棋界初)。その後、1998年と2001年の棋聖戦で、'98年には屋敷伸之棋聖から、’01年には羽生善治棋聖から棋聖位を奪取している。2001年8月の棋聖位獲得と同時に、タイトル3期獲得の規程により、九段昇段も果たしている。
気になるのは郷田九段と森内名人との対戦成績だが、現時点では郷田12勝-森内15勝で、若干森内名人の方が分がいい。また、2003年度以降は森内名人の6連勝である(日本将棋連盟ホームページ、ホームページ棋士別成績一覧参照)。
しかし、短期集中のタイトル戦は、必ずしも過去のデータだけで決まるものでもない。郷田九段には挑戦権を最終を残して決めた勢いがあり、4月11日から始まる名人戦第1戦までの準備期間も十分ある。一方、森内名人は2月、3月は棋王戦で佐藤康光棋聖の挑戦を受ける。棋王戦が最終第5戦までもつれれば、終わるのは3月28日。その結果も、微妙に名人戦に影響することになろう。
郷田ファンとしては、この第65期名人戦で郷田九段が森内名人を破り、名人となり、羽生3冠・森内名人(棋王)・佐藤棋聖の3強に割って入り、4強・四天王と並び称されるようになることを切に望んでいる。
頑張れ、郷田真隆九段!目指せ名人位獲得
追記:なお、MSN毎日インタラクティブの報道によれば、郷田九段に破れた阿部隆八段は最終戦を待たずに、B級1組への陥落が決まったと報じられているので、阿部八段より上位で5敗していた丸山九段か久保八段のどちらか、あるいは2人とも8回戦に勝利したものと思われる。残る3局の結果もA級残留争い点から気になるところだ。
*将棋に関する記事(2007年)
1月8日:佐藤康光棋聖、5連続タイトル戦挑戦者
1月17日:佳境を迎える将棋A級順位戦、郷田真隆九段へのエール
2月2日:祝・郷田真隆九段、A級最終戦を残し、第65期将棋名人戦での森内俊之名人への挑戦権獲得
2月3日:第65期将棋A級順位戦8回戦の詳細
2月3日:郷田真隆九段、父の死を知らず
2月3日:将棋永世名人位の重み
2月10日:将棋第65期順位戦B級1組第12回戦の結果分析とB級2組での渡辺竜王の昇級確定
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