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2007年3月 9日 (金)

山下景子さんの『しあわせの言の葉』(宝島社)

『美人の日本語』や『美しい暦のことば』などの著書がある山下景子さんが、新しく『しあわせの言の葉』(宝島社)を出版された。

今回のテーマは、日本の女性たちが残した言葉に、著者が感じたことを書き添えるというもの。69名の女性の72の言葉が、

花:心を愛で満たし、勇気を与えてくれる言葉
鳥:心を自由にし、気持ちを新たにしてくれる言葉
風:まわりの人に感謝し、やさしくなれる言葉
月:素直に自分と向き合い強くなれる言葉

の4つのテーマに分けて語られている。登場するのは、歴史上の人物では、額田王、清少納言、紫式部、北条政子など、最近まで存命だった人では、沢村貞子、越路吹雪などである。

ぱらぱらとページをめくりながら読んでいると、それぞれ惹かれる言葉があるのだが、ここでは「花」のテーマの2つめに載せられているいわさきちひろさんの言葉を紹介することにする。

大人というものはどんなに苦労が多くても、自分の方から人を愛していける人間になることなんだと思います。
(いわさきちひろ『ちひろのことば』より)

著者の山下さんは、この言葉に対して、次のようなコメントを寄せている。

誰かを支えている、役に立っている、必要とされている・・・。そんな自覚を積み重ねることで、人は真の大人になっていくのではないでしょうか。
(『しあわせの言の葉』23ページ)

人のために何ができるかに考えが至るようになって、初めて本当の大人と呼べるのだろうと考えてきた、私の思いを代弁してくれている言葉でもある。

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