2007年本屋大賞、『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)に決定
今朝(4月7日)の新聞に講談社が、「2007年本屋大賞決定!!佐藤多佳子『一瞬の風になれ』」との大広告を出していた。調べてみると、一昨日(4月5日)に明治記念館で受賞作の発表があったとのこと。
私も、1月に電車の社内広告で見て、数日で読み終わった。陳腐な紹介しかできない自分の表現力が情けないが、陸上部での400mリレー(4継)に賭ける高校生の青春を描いた作品で、とにかく、すがすがしく、楽しく、面白かった。
候補にあがっていた直木賞の選にもれたことは残念だが、今朝の広告によれば、エンターテイメント系(大衆小説分野)の文学賞である吉川英治文学新人賞(第28回)も受賞しているとのこと。書店員がいちばん売りたい本として選ぶ、本屋大賞としても相応しい本だと思う。
しばらく前から、書店で、本屋大賞ノミネート作品ということで『一瞬の風になれ』含め10冊ほどの名前が出ていた。今回、改めて、大賞決定までのプロセスを本屋大賞のホームページで調べてみた。
2007年の大賞の場合
①対象作品
2005年11月1日~2006年10月31日までに刊行された日本の小説
②選考期間
2006年11月~2007年3月
③選考方法
新刊を扱う書店の書店員(パート・アルバイト含む)の投票
④選考プロセス
(1次投票)2006年11月1日~2007年1月12日
1人3作品を選んで投票
(2次投票)2007年1月22日~2月28日
・1月22日に1次投票の上位10作品をノミネート本として発表
・2次投票では、ノミネート作品を全て読んで、上位3作品を推薦理由とともに投票
(発表)2007年4月5日
・1位3点、2位2点、3位1.5点の点数換算し集計、最高得点の作品が大賞
10作品の作品名、作者と得点結果は以下の通り
順位 | 作品名 | 作者 | 得点 | |
1 | 一瞬の風になれ | 佐藤 多佳子 | 475.5 | |
2 | 夜は短し歩けよ乙女 | 森見 登美彦 | 455 | |
3 | 風が強く吹いている | 三浦 しをん | 247 | |
4 | 終末のフール | 伊坂 幸太郎 | 228 | |
5 | 図書館戦争 | 有川 浩 | 176 | |
6 | 鴨川ホルモー | 万城目 学 | 175 | |
7 | ミーナの行進 | 小川 洋子 | 152.5 | |
8 | 日向に咲く | 劇団ひとり | 139 | |
9 | 失われた町 | 三崎 亜記 | 127.5 | |
10 | 名もなき毒 | 宮部 みゆき | 89 |
『一瞬の風になれ』を、まだ読んでいない方は、ぜひ読んで欲しい。
*関連記事
1月25日:陸上部の青春を描く『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)(1)イチニツク
1月28日:『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)(2)ヨウイ
1月31日:『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)(3)ドン
4月7日:2007年本屋大賞、『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子著)に決定
4月8日:佐藤多佳子さんが語る『一瞬の風になれ』執筆の舞台裏
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コメント
初めまして、こんにちは、すずです。
私としては好きな作家さんが受賞出来なかったので、いささか偏屈な記事となっているのに(笑)TB有難うございました。
投稿: すず | 2007年4月 7日 (土) 14時08分