将棋名人戦間近、郷田「激闘」流の戦いぶりを知る
いよいよ、将棋の第65期名人戦の第1局が、4月10日、来週の火曜日から始まる。私が応援する、郷田真隆九段が挑戦者として登場、森内俊之名人と戦う。
先日発売されたばかりの『将棋世界』の2007年5月号の表紙は対局中の郷田九段の写真。トップの特集記事も、「誇りと信念」と題した郷田九段のインタビューである。
過去2回、A級に昇級しながら1期で陥落した経験がある郷田九段は、3回目の昇級となった前期は5勝4敗と勝ち越し。4期目の今期はA級内の順位も4位。とはいえ、いきなり名人挑戦までは考えていなかったようだ。インタビューで、今年のA級順位戦の開幕前の意気込みについて、聞かれて次のように答えている。
「昨年初めて5勝4敗で勝ち越したので、今期の目標はそれより上ということで、6勝くらいをおぼろげに考えていました。勝ち越しについては、それなりに自信もありました」
(『将棋世界』2007年5月号、9ページ)
今期A級で開幕4連勝を果たした時の気持ちを問われた時には、
「残留が決まったので、よかったなあ(笑)、と。基本的に過去のA級はすべて残留争いだったので、早く残留が決まって別世界のようでした。」
(『将棋世界』2007年5月号、9ページ)
4戦全勝は単独トップだったが、5戦目に、3勝1敗の谷川浩司九段と対戦し、今期初の敗戦。5戦目終了時では、郷田、谷川両名に藤井猛九段を含めた3人が4勝1敗で並んだ。
「勝つと5連勝。しかも競争相手の谷川さんですから、対局前に挑戦を意識した部分もわずかにありました。ホントに一瞬なんだけど、色気みたいなものを感じたんですね。ただ、将棋の内容があまりにひどかったので、そういうことを考えている場合じゃないな、と」
(『将棋世界』2007年5月号、9ページ)
もう一つの将棋雑誌『近代将棋』のインタビューでは、この敗戦を機に、やはり1戦1戦を真剣に戦うしかないと考え直し、その後の順位戦に臨んだという趣旨のことが述べられていた。
郷田九段は6戦目から、久保八段、佐藤棋聖、阿部八段と3連勝し、名人挑戦を決めた。目の前にちらつくA級順位戦トップ=名人戦挑戦者という想いを封印し、平常心で戦えたかどうかだろう。
「棋譜でーたべーす」というウェッブ・サイトがあって、過去から現在まで4万件以上の棋譜を見ることができる。ここで、今期(2006年度、第65期)のA級順位戦での郷田九段の戦いぶりを駆け足で眺めてみた。(郷田ファンといいながら、棋譜をゆっくり見たことはなかった)
郷田九段の将棋は、「本格派」と評されることが多いが、小細工めいたことは全くなく、堂々の横綱相撲という印象だ。真正面から戦いを挑み、激しい戦いが多い。「肉を切らせて、骨を斬る」という感じだ。郷田「激闘」流と名付けたい気がする。
インタビューの中で、郷田九段のを真骨頂を発揮したと思うのが、次のひと言である。
「私は自分にしか指せない将棋を指している自負があるんです」
(『将棋世界』2007年5月号、12ページ)
郷田九段にしか指せない「激闘」流の将棋で、名人位を森内名人から奪い取ってもらいたい。
*将棋に関する記事(2007年)
1月8日:佐藤康光棋聖、5連続タイトル戦挑戦者
1月17日:佳境を迎える将棋A級順位戦、郷田真隆九段へのエール
2月2日:祝・郷田真隆九段、A級最終戦を残し、第65期将棋名人戦での森内俊之名人への挑戦権獲得
2月3日:第65期将棋A級順位戦8回戦の詳細
2月3日:郷田真隆九段、父の死を知らず
2月3日:将棋永世名人位の重み
2月10日:将棋第65期順位戦B級1組第12回戦の結果分析とB級2組での渡辺竜王の昇級確定
2月12日:「名人は選ばれたものがなる」-郷田真隆名人待望論
3月3日:将棋界の一番長い日、将棋第65期A級順位戦の最終局の結末
その他このブログの過去の将棋の記事の一覧はこちら→アーカイブ:将棋
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