将棋第78期棋聖戦での佐藤康光棋聖への挑戦者は渡辺明竜王に決定
将棋の7大タイトル戦のひとつ棋聖戦(産経新聞社主催)の第78期の挑戦者決定戦が昨日(2007年5月9日)、最終予選を勝ち残った渡辺明竜王と久保利明八段の2人の間で行われ、57手で渡辺竜王が勝ち、佐藤棋聖への挑戦者に名乗りを上げた。
今期B級1組に昇級し来期のA級入りを狙う20代の旗頭渡辺明竜王と、さばきのアーティストと呼ばれ今期でA級5期目となる現A級棋士では最も若い31才の久保八段との対戦。
前期のA級順位戦でA級に残留した8人の中でタイトル保有経験がないのは久保八段だけ。過去に、2000年の第26期棋王戦、2001年の第49期王座戦の挑戦者となったが、いずれも羽生善治棋王、王座の前に1勝3敗で敗退している。今回、佐藤棋聖に挑戦して、念願の初タイトルを手にしたいところだ。
一方、渡辺竜王は、竜王戦こそ3連覇しているものの、他の棋戦でなかなか挑戦者になれなかった。(過去1度、2003年の
第51期王座戦で羽生王座に挑戦)今回は、最終予選に勝ち残った8人で争う挑戦者決定トーナメントの初戦で、対戦相手の森下卓九段が急病で対戦できなかったため、不戦勝というハプニングがあったが、準決勝でも昨年の挑戦者鈴木大介八段を破っての挑戦者決定戦への登場した。
挑戦者決定戦での2人の将棋は、序盤から飛車や角といった大駒が相手陣に成りこみ、駒を取り合う激しい激しい将棋で、いきなり終盤戦となった。双方ともに、真っ直ぐ王様に迫っていったが、渡辺竜王が鮮やかな寄せを見せて、挑戦権を手にした。
佐藤棋聖と渡辺竜王のタイトル戦での戦いは、昨年(2006年)秋の竜王戦に続き2回目。佐藤棋聖は5連続タイトル戦挑戦の3戦目で、初戦から2連勝し、佐藤竜王誕生かと思わせたが、その後渡辺竜王が巻き返し、フルセットに持ち込み、最終戦を制して、竜王位を防衛、竜王戦3連覇を果たした。
今回は、攻守ところを替えて、佐藤棋聖の防衛戦。佐藤棋聖は、2001年の72期棋聖戦で、当時の郷田真隆棋聖に挑戦。2連敗の後、3連勝しタイトルを奪取。その後、丸山忠久、森内俊之、羽生善治、鈴木大介という錚々たるメンバーの挑戦を退け5連覇。最短期間で、永世棋聖位を手にした。
棋聖位を争う5番勝負は、6月9日から始まる。
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