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2007年5月30日 (水)

増田直紀著『私たちはどうつながっているのか』を読み終わる

中公新書の4月の新刊のうちの1冊増田直紀著『私たちはどうつながっているのか』を読み終わった。サブタイトルが「ネットワークの科学を応用する」とあり、人と人との結びつきについて、ネットワーク科学の考え方を下敷きにして解き明かそうとするものである。

私たちはどうつながっているのか―ネットワークの科学を応用する (中公新書)
私たちはどうつながっているのか―ネットワークの科学を応用する (中公新書)

著者の増田直紀さんは1976年生まれ。東京大学工学部、同大学院と進み、現在は東大の大学院の講師をしている。専門は複雑ネットワークと脳の理論とのこと。

ネットワーク科学なる学問領域は1990年代後半以降、急速に発展・進化したようで、その背景にはインターネットの急速な普及があり、その研究の中で、ネットワーク論というものが、単にコンピュータのネットワークだけでなく、人間関係を考える上でも役にたつということで、著者はまえがきで「人間がなすネットワークを知り、活用することについて考えていく。期待と不安をかき立てるこの単語を生活に糧に変えるのが、本書の目的である。」と語っている。

例えば、「6次の隔たり」ということが紹介されている。私たちはまったく赤の他人とも、自分の友人・知人、その友人・知人と紹介してもらうことによって、平均6人程度で目的の人までたどりつくということが、実験の結果、出ているとのこと。100人、1000人と経なくても、せいぜい5から10人程度を介せば、世界中の人とつながっているということを称して「スモール・ワールド」という。

また、人間のつながりの一つの単位として三人がそれぞれ知り合いであるという人間関係の三角形を「クラスター」といい、いわば自分の属する集団、コミュニティの最小単位と考えている。

私自身の理解力が十分ではないので、本書のエッセンスを上手くここで要約できないのがもどかしいが、最新の理論をイラストや図・グラフ、そして平易な言葉使いで、誰にでもわかるように語ろうしている。

これまで、特に意識せずに集団や組織の中で行動してきたことをこうやって整理すれば、よくわかるという新しい物差し、物を見る視点を与えてくれる。一読の価値があると思う。

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