アウトプットをするためにインプットを続けることの難しさ
私が時々読ませてもらっているブログに今泉大輔さんの「シリアルイノベーション」というブログがある。
1年ほど前に『下流社会』についての記事を書いた時、やはり今泉さんが『下流社会』について記事を書かれていたので、TBしたところ、私の記事のコメントをもらったことがあり、それ以来、時々読ませてもらっている。
5月14日に「忘れるまで2年」というタイトルの記事が書かれているのだ。「日ベースで更新する個人のウェブページが旬でいられるのはおおよそ2年」という自説が展開されているのだが、納得する事が多く、少し長くなるかも知れないが引用させていただく。
以前に少し書きましたが、メディアでアウトプットを出し続けるには、インプットがなくてはなりません。立花隆が「知のソフトウェア」(知的生産のノウハウについて語った名著。梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」に次ぐ)で言っていたことが正しいとすれば、インプットが多ければ多いほどアウトプットの質が高まる、インプットが少なければアウトプットの質もよくならない、ということです。
人間毎日24時間。この時間のなかで日ベースでアウトプットの質を高められるほどインプットを行うことができる人は、そういう職種であるか、そういう日ベースの日常ができているか、才能があるか、特殊な方か、といったところでしょう。多くの場合は、日ベースメディアのアウトプットにインプットが追いつかず、息切れになってしまいます。それは、そういうものだからです。あまり悲観する必要はありません。
インプットがなくてアウトプットを続けていると、おそらくは書く当人がつまらなくなってしまいます。「こんなもの出せない」。そういう投稿が多くなってきます。それは、しょうがないのです。インプットがたくさんないと、本来はアウトプットというものはできないのです。それが世のメディアの歴史的な真理です。このブログとて、その真理から免れることはできません。
(今泉大輔さんのブログ「シリアルイノベーション」5月14日より)
今泉さんが紹介している『知のソフトウェア』(立花隆著)は、以前読んだはずだが、内容はすっかり忘れてしまっているところが情けないが、「インプットが多いほど、アウトプットの質が高まる」というのはその通りだろう。
このブログも去年の2月から始め、去年は必ずしも毎日書いていたわけでもなかったのだが、今年の年頭にとにかく続けられる限り毎日書いてみようと1日1日と書き続け、今日までなんんとか毎日続けてきた。
しかし、最近やや息切れの感は否めない。
1~2月は、佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』と、松村由利子さんのエッセイや歌集が昨年にはなかった新たなインプットだった。アウトプットもずいぶん、変わったように思う。
2月以降、将棋で私が応援する郷田真隆九段の名人挑戦が決まったことで、将棋への私自身の関心も深まり、将棋に関する記事(アウトプット)が増えた。将棋ファンが私のブログを読んでくれるようになったからだろう。アクセス数が一気に増えた。
しかし、最近、このブログの幅を一気に広げるような新たなインプットが乏しいのだ。
「多くの場合は、日ベースメディアのアウトプットにインプットが追いつかず、息切れになってしまいます。」
「インプットがなくてアウトプットを続けていると、おそらくは書く当人がつまらなくなってしまいます。」
毎日書くことを目標にしているとはいえ、何でもいいから書けばいいというものでもない。
少なくとも、自分が面白い誰かに伝えたいと思ったこと、この情報なら読んだ人にも何かの役に立つだろう(読んだ人にとってなにがしかのインプットになるだろう)と自分が思えるものを書きたいと思っていると、今日一日の中で何がネタになるかと考えるとハタと困ってしまい、キーボードを叩く指が止まってしまう。まさしく「アウトプットのインプットが追いつかない状態」になっているのだと思う。
何を新たにインプットして、アウトプットしていくのか、真剣に考えた方がいい時期に来ているのだろう。
また、一方でこれまでに蓄積のあるジャンルを、改めてブログ上で再開拓してみる必要があるかも知れない。
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