« 第48期将棋王位戦挑戦者に深浦康市八段 | トップページ | 三度(みたび)、ココログの管理ページ不調、時間別アクセス推移データ更新遅延続く »

2007年6月15日 (金)

第65期将棋名人戦第6局、郷田真隆九段が「世紀の大逆転」勝利で3勝3敗に

森内俊之名人に郷田真隆九段が挑戦している第65期将棋名人戦7番勝負の第6局が、昨日・今日(2007年6月14日・15日)の日程で青森県八戸市で行われた。
ここまでの戦績は、森内名人の3勝2敗。今日勝てば森内名人は、4勝で名人位防衛を果たすとともに、名人位5期による永世名人資格(18世名人)を得ることになる。
郷田ファンから見れば、郷田九段には何としても勝ってもらい、再び五分の星に戻してもらいたいところだが、先手番の勝率が高い2人の対戦成績の中、第6局は森内名人の先手番。いやな予感がよぎる。

会社から帰って、ニフティの名人戦棋譜速報にかじりついていたが、郷田九段の旗色は悪い。森内名人の攻めが先んじて進み、現地の解説陣からは名人勝勢のコメント。控え室では、森内18世名人の共同記者会見の段取りまで伝えられたとことで、終局間近の雰囲気が濃厚だった。
最後には森内名人の王手飛車まで飛び出し、郷田九段投了確実と思われたが、なんとか郷田玉は逃げ回る。しかし、飛車と馬に追い詰められ、森内名人の125手目で郷田玉は受けなしの状態に追い詰められた。
郷田九段に残されたの唯一の可能性は盤上の自分の駒と駒台に乗る持ち駒で、森内玉に王手をかけ続け、相手に詰まされる前に森内玉を詰ますしかない。しかし、森内玉の逃げ場は広く、いずれ攻めが途切れ、郷田九段の投了は時間の問題と誰もが思ったに違いない。

しかし、そこから15手の間、郷田九段は途切れることなく王手を続け、森内名人の玉を追い続け、自らの玉を脅かしていた森内名人の飛車と森内玉の両取りとなる金打ちを放ち、それを見た森内名人が141手目で投了した。
名人戦棋譜速報に「世紀の大逆転劇」とのコメントが踊った。投了後の森内名人の第一声は「逃げ間違えました」だったそうである。
郷田九段の大追走が始まった時点で、郷田九段はまだ15分ほど持ち時間を残していたが、森内名人はほとんど時間を使い切っており、持ち時間の少なさが、森内名人のミスを誘ったのかもしれない。

陳腐かもしれないが、「勝負は終わってみるまでわからない」という言葉を実感した勝負だった。

出だしの2連勝で郷田九段に向いていたシリーズの流れは、第3局からの3連敗で完全に森内名人に向いていたが、これで再び郷田九段に戻ってきた。
郷田九段には、この勢いに乗って第7局も勝利して、ぜひ新名人になってもらいたい。

|

« 第48期将棋王位戦挑戦者に深浦康市八段 | トップページ | 三度(みたび)、ココログの管理ページ不調、時間別アクセス推移データ更新遅延続く »

将棋」カテゴリの記事

コメント

拓庵さん、ご無沙汰しております。イヤー、凄い逆転劇でしたね。▲5五角の王手龍取り飛車取りを見た時には郷田九段は投了するのでは、と思いましたが、凄い粘りでした。▲4七玉△5八角成▲3八玉△4六桂▲2八玉△2七歩という手順は、私の将棋を見ていれば損をさせません、という郷田九段の言そのものだったように思いました。短髪で登場した郷田九段、何か心中期するところがあったのかも知れません。さて、第七局はどうなりますか・・・七番勝負は4勝3敗で決まるのが最高、と私は思っていますので(やっている方はさっさと決めたいでしょうけど)そういう意味ではいい展開になりましたが、郷田九段の気持ちがここでホッと切れたりしなきゃいいんだが、とか、この奇跡の大逆転劇が第七局だったら、とか、第七局の振り駒は、などと余計なことを思ったりしています。それにしても、しつこいようですが物凄い逆転劇。大山康晴十五世名人「仲間の信用が大事です」木村一基八段「私は誰が相手でも信用しない」羽生善治対木村一基竜王戦挑戦者決定戦第一局での一手詰め頓死、果ては星野阪神に王ダイエーが勝って4勝3敗で日本一になった時と勝敗パターンが同じだ、最終局は王ダイエーならぬ郷田九段が勝つ・・・そんなことどもが、頭の中を駆け巡っています。長々と書き連ねまして失礼しました。m(_ _)m

投稿: ドクトル・ジバコ | 2007年6月16日 (土) 06時20分

ドクトル・ジバコさん、コメントありがとうございます。
一夜明けましたが、まだ、昨夜の興奮冷めやらぬというのが正直なところです。

髪を短く刈った郷田九段の姿には、心中期するものを感じましたが、あんなドラマが待っていようとは、思いもしませんでした。

森内名人も人の子、これで18世名人を手中にしたという思いが、正確で狂うはずのない森内コンピュータを、微妙に狂わせたのでしょうか。
郷田九段は、あの王手・龍・飛車取りの角打ちをどう見ていたのか。回りが思っていたほど、ダメージは受けていないようにも見えましたが、果たして胸中はいかに。

将棋盤を挟んで棋士の生き様がぶつかりあうところが、将棋の醍醐味です。
郷田九段にまだ運はあった。諦めなかったからこそ、最後の一縷の望みを信じ、自分を信じたからこそ、道は開けたのでしょう。

今回の「世紀の大逆転」も、郷田九段が第7局も制し新名人になってこそ、「名人位をたぐり寄せ、森内名人の18世名人位を阻止した粘り」として将棋史に残るものだと思います。
郷田九段には、第7局にも勝ってこの1局をまさしく歴史に残る大逆転にして欲しいと思っています。

投稿: 拓庵 | 2007年6月16日 (土) 07時02分

あの名人戦第6局の対局場所は
青森県の八戸市ですよ

投稿: あの | 2007年6月18日 (月) 16時32分

あのさん、ご指摘ありがとうございます。
逆転勝利に興奮し確認が疎かになっていました。さっそく修正しました。

投稿: 拓庵 | 2007年6月18日 (月) 19時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/168560/15447113

この記事へのトラックバック一覧です: 第65期将棋名人戦第6局、郷田真隆九段が「世紀の大逆転」勝利で3勝3敗に:

» 【第65期名人戦・第6局】 郷田九段、大逆転で最終戦へ [たまらなく孤独で、熱い街]
今回の偶数局はすべて相矢倉なのかな、 序盤から中盤にかけての森内名人は的確で隙がありませんね。 それでも90手目に後手の郷田九段が△8六桂と打ち込んだところではいい勝負になったと思いましたが、この桂は取らずに放置されると後続手がありませんか。 以下、▲... [続きを読む]

受信: 2007年6月16日 (土) 21時09分

« 第48期将棋王位戦挑戦者に深浦康市八段 | トップページ | 三度(みたび)、ココログの管理ページ不調、時間別アクセス推移データ更新遅延続く »