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2007年7月 8日 (日)

第1回大和証券杯ネット将棋・最強戦決勝は、郷田真隆九段が「因縁の対決」丸山九段戦を制し優勝

2007年4月1日にスタートした第1回のネット将棋・最強戦は、今日(2007年7月8日)の午後2時から、スポンサーである大和証券の本店で、決勝戦に駒を進めた郷田真隆九段と丸山忠久九段が、インターネットを通じて対戦した。
郷田ファンの私は、家でネット観戦していたが、104手で郷田九段が勝ち、第1回大会の優勝者となった。

将棋の内容は、駒組みが固まったあと、先手の丸山九段が仕掛け、郷田陣に攻め入る。持ち時間が双方30分しかないので、終盤はどちらも30秒の秒読み。丸山九段の繰り出す攻撃の矢をかいくぐり、郷田玉は丸山陣に入玉。何とか受け切り、郷田玉の詰みがないとみた丸山九段が投了して終局となった。終局時の持ち駒は、郷田九段が飛車、角、金3枚、桂馬2枚、歩3枚に対し、丸山九段が飛車と銀だった。

この棋戦は、従来のような将棋盤を挟んで対局者が対峙するのではなく、インターネットでつながったパソコンを介して、対局するというもので、プロ棋士の公式戦としては初めての試みである。
出場者は16名で、①タイトルホルダー、②公式戦優勝者、③前年度賞金ランキング上位者、という順で選ばれる。

今回は、
①タイトルホルダー
森内名人、渡辺竜王、羽生三冠、佐藤二冠
②公式戦優勝者
丸山九段(NHK杯優勝)、糸谷四段(新人戦優勝)
③賞金ランキング上位
谷川九段(5位)、藤井九段(7位)、鈴木八段(8位)、郷田九段(9位)、森下九段(10位)、木村七段(現八段、11位)、深浦八段(12位)、三浦八段(13位)、久保八段(14位)、島八段(15位)
の計16名という顔ぶれである。

トーナメント形式の大会で、郷田九段は1回戦島八段、2回戦渡辺竜王、3回戦三浦八段を破り決勝進出。丸山九段は1回戦佐藤二冠、2回戦久保八段、3回戦羽生三冠を破っての決勝進出だった。

郷田ファンから見ると、公式棋戦の決勝戦という大舞台で、これまで相性の悪かった丸山九段に勝った意味は大きい。
2002年度から昨年度(2006年度)までの5年間(2001年度は対戦なし)15戦して4勝11敗と大きく負け越している。3度目の昇級となったA級順位戦のこの2年の対戦でも2連敗である。
そもそも、1970年9月生まれ丸山九段と1971年3月生まれの郷田九段は同学年であり、奨励会を勝ち上がりプロ棋士(四段、順位戦C級2組)となっったのも同じ1990年4月。
タイトルこそ、郷田九段の方が先に、92年の四段当時に谷川王位を降して王位となったが、順位戦での昇級(昇段)は常に丸山九段が一歩先んじて来た。2人の順位戦での昇級は以下の通りだ。

(丸山九段・郷田九段の昇級の軌跡)

順位戦 丸山九段 郷田九段 トピック
C級2組 1990年4月 1990年4月 92.10郷田王位
C級1組 1992年4月 1993年4月
B級2組 1995年4月 1996年4月
B級1組 1997年4月 1998年4月
A級 1998年4月 1999年4月 2000.6丸山名人

C級1組以降は、常に郷田九段は丸山九段に1年遅れて昇級してきた。
明暗を分けたのは、郷田九段が初めてA級の昇級した1999年度の第58期A級順位戦。2000年3月2日に行われた最終の9回戦の5組の対戦の一つが丸山八段(当時)対郷田八段(当時)だった。
A級2年めで、そこまで7勝1敗でトップの丸山八段は勝てば自力で名人挑戦が決まる。一方の郷田八段は、初めてのA級で8戦して3勝5敗。勝てばA級残留が確定するが、負ければ他の棋士の成績次第とはいえ、B級1組への陥落が濃厚という、名人挑戦とA級残留を賭けた大一番だった。
先手郷田、後手丸山の一戦は、後手の丸山八段が「8五飛戦法」という得意技で74手で郷田八段を粉砕。
勝った丸山八段は、名人戦でも佐藤康光名人(当時)を破り、実力名人制になってからの12人目の名人となった。一方の、郷田九段は、その後2001年に3回目のタイトル棋聖位を獲得したものの、二度目のA級昇級時も1期で陥落し、なかなかA級に定着できなかった。

郷田九段は、その後も丸山九段の注文に応じ、敢えて相手の得意とする戦法を受けて立ち、何とかリベンジを果たそうとしているように見えるのだが、これまでは4勝11敗という結果に終わっている。
今日の一戦も、後手の丸山九段の「一手損角換わり」という作戦を郷田九段が受けて立った格好だ。第65期の名人戦挑戦が決まったあとのインタビューで、丸山九段との対戦で「角換わり」での戦績が1勝7敗という点に聞かれて、次のように答えている。

「(前略)あんまり負けてばかりいるから、途中は意地になっている時もあったかな(笑)。今は、それよりも角換わりに対して答えを出したいと。自分の心の中でね」
(『将棋世界』2007年5月号、11ページ)

私には、郷田九段が、丸山九段との戦いを相手の得意分野・土俵で戦って勝利しててこそ意味がある「因縁の対決」ととらえているように見える。

これで、2006年4月以降で見れば、丸山九段との対戦成績は3勝2敗。もう互角の戦いと言っていいだろう。
今年度(2007年度)の第66期のA級順位戦では8回戦で、郷田九段×丸山九段戦が組まれている。今年度は、今日の勝利の勢いで、順位戦でも郷田九段に勝利してもらいたいものである。

<謝辞>本日の記事を書くにあたって以下のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
棋士別成績一覧」、「将棋順位戦データベース」、「棋譜でーたべーす

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コメント

初コメントさせていただきます。
私め定年後5年将棋三昧の日々を過ごしている郷田ファン
です。貴ブログは名人戦開幕当初に気づいて毎回楽しみに
拝読しています。名人戦は残念でしたが、今回宿敵ともいうべき丸山さんに勝っての優勝は、郷田さん完全復活を信じていいのではないでしょうか。これからひとまわりパワ-アップされた男の子らしく潔い郷田将棋が楽しみです。

投稿: norisanZ | 2007年7月 9日 (月) 14時30分

norisanZさん、コメントありがとうございます。
名人戦開幕当初より私のブログをお読みいただいているとのこと、恐縮です。
名人戦第6局での郷田九段の奇跡の大逆転劇には、思わず快哉を叫びました。第7局も期待しましたが、あと一歩及ばず残念でした。
このネット将棋最強戦の優勝で、第6局の大逆転劇も決して偶然ではなく、実力があればこそと各棋士も認識してくれたのではないでしょうか。
次は、王座戦トーナメントの準決勝。森内名人に雪辱し、決勝も制し、今度は羽生王座を相手にした郷田一刀流の太刀さばきを見せてほしいものです。

投稿: 拓庵 | 2007年7月 9日 (月) 22時14分

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