第48期将棋王位戦第1局は、後手番の深浦康市八段が羽生善治王位を破る
羽生善治王位に深浦康市八段が挑戦する第48期将棋王位戦7番勝負第1局は、昨日・今日(2007年7月10日~11日)の2日間、福井県あわら市で行われ、後手の深浦八段が140手で羽生王位を破った。
ここまでの2人の対戦成績は羽生三冠(王位・王座・王将)の15勝、深浦八段の13勝。深浦八段は、第一人者である羽生三冠にほぼ互角の対戦成績を残している数少ない棋士である。
この王位戦7番勝負の前哨戦となった第20期竜王戦の挑戦者を決める竜王戦の決勝トーナメント第4戦(7月6日)では、後手の羽生三冠が、終盤終始攻め続け、深浦八段に攻めの機会をほとんど与えることなく、押さえ込むような形で勝利し、竜王戦の決勝トーナメント準決勝に進出した。
一方、今回の王位戦第1局は、相矢倉でがっぷりと組み合い、タイトル戦に相応しい重厚な将棋となった。終盤の攻め合いでは深浦八段が主導権を握り、竜王戦の意趣返しをする形で雪辱を果たした。
先手有利の将棋界で、短期決戦のタイトル戦で後手番の初戦を制するのは、願ってもないスタートと言える。これで対戦成績も14勝15敗。
今日の勝利も含め801局を戦い554勝、0.6916という高い勝率を残しながら、依然タイトルと縁のない深浦康市八段にとっては、初タイトルに向け楽しみな初戦勝利である。最後まで羽生キラーぶりを発揮して、王位のタイトルを奪えるか、この7番勝負にも注目していきたい。
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