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2007年7月27日 (金)

第66期将棋A級順位戦1回戦最終局は、郷田真隆九段が佐藤康光二冠に勝利

名人への挑戦権を争う将棋の第66期A級順位戦は、2007年6月4日の三浦弘行八段×行方尚史八段戦で開幕したが、開幕時はまだ第65期名人戦の真っ最中。
惜しくも名人戦で敗れ、第66期A級棋士10人の第1順位となった郷田真隆九段は、今日(2007年7月27日)の第1回戦の最終局(第5局)にようやく登場である。対戦相手は、佐藤康光二冠(棋聖・棋王)。

郷田九段は、名人戦敗退後も、調子を崩すことなく好調を維持しており、ネット対局による初の公式戦である第1回大和証券杯ネット将棋最強戦では準決勝で三浦弘行八段、決勝で丸山忠久九段のA級棋士を連破して優勝。王座戦の挑戦者決定トーナメントの準決勝では惜しくも森内俊之名人に敗れたが、その後の第28回JT将棋日本シリーズの1回戦では藤井猛九段に「負けて悔しいというよりも、将棋を指した気がしない」と言わしめるほど、相手を封じ込める完勝を収めた。
将棋連盟のホームぺージに掲載されている今年度成績でみても、名人戦の7局も含め、18戦12勝6敗(勝率0.6667)と好成績であり、勝数ランキングでは13勝の木村一基八段に次いで2位につけている。

対戦相手の佐藤康光二冠は、郷田九段にとって因縁の棋士のひとりだ。
郷田九段が九段の資格を得た3度目のタイトル獲得が2001年の第72期棋聖戦。羽生善治棋聖に挑戦し、3勝2敗で羽生棋聖を破った。翌2002年、挑戦者として登場したのが佐藤康光王将(当時)。郷田九段は幸先よく2連勝したが、その後3連敗して、棋聖位防衛は果たせなかった。
佐藤棋聖はその後、棋聖位の防衛を続け昨年(2006年)には5連覇し、最短で永世棋聖位を獲得、今年も渡辺明竜王を降し、6連覇とした。郷田九段にしてみれば、あの時、あと1つ勝てていればという思いはあるだろう。
また、昨年の第27回JT日本シリーズでは決勝で対戦、激闘を繰り広げたが一歩及ばず、優勝の栄冠は佐藤棋聖の頭上に輝いた。

両者の対戦成績は佐藤二冠20勝、郷田九段17勝(@niftyの名人戦棋譜速報より)。2005年11月から2006年11月まで4連敗しており、その後、昨年のA級順位戦の勝利でひとつ戻したが、郷田九段としては、同世代のライバルにこれ以上差を広げられたくはないだろう。
また、今期のA級順位戦の対戦相手が1回戦佐藤康光二冠のあと、2回戦谷川浩司九段、3回戦羽生善治三冠といずれも名人経験者のA級上位3人との対戦である。順位戦はスタートが大事。初戦に敗れ、3連敗などしようものなら、名人再挑戦はおろか、A級残留さえ覚束なくなる。一方、この3連戦を3連勝できれば、再挑戦も夢ではない。

将棋の方は、先手の佐藤二冠から角交換を行う将棋で、双方角を打ち、馬を作る将棋となったが、郷田九段の馬の方が、中央に進出して、佐藤玉ににらみを効かせるなど働きがよく、中盤以降は郷田九段優勢で進んだ。佐藤二冠も隙あらばと反撃を見せたが、佐藤玉は受けなしの状態で、郷田玉を詰ませるには至らず、122手で佐藤二冠が投了。郷田九段の初戦勝利となった。

郷田ファンとしては、まずは幸先よいスタート。序盤の谷川九段戦、羽生三冠戦をどう戦うのか、郷田九段の復活が本物か否かの真価が問われる事になるだろう。

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コメント

郷田ファンにとってドキドキの順位戦鬼3番勝負がスタ-ト。まずは1勝でホッとしました。この勝利をみて郷田九段の復調はいよいよ本物と確信しました。名人戦6,7局でみせてくれた気持ちの入った将棋でがんばってほしいですね。

投稿: norisanZ | 2007年7月28日 (土) 21時51分

norisanZさんコメントありがとうございます。

本当に、今期のA級順位戦の郷田九段の出だし3連戦は鬼のような3連戦ですね。その分、この3戦を3連勝できれば、連続挑戦も夢ではないでしょう。

王座戦は今一歩のところで残念でしたが、今年度で残っている棋王戦は過去挑戦者になったこともあり相性のいい棋戦ですし、王将戦はここ数年毎年挑戦者リーグに勝ち上がっており、今年も十分期待できると思っています。また、しばらく挑戦者リーグから遠ざかっている王位戦も、今の充実度から見ればリーグ入りが可能でしょう。

これからも、勝ち進んでほしいものです。

投稿: 拓庵 | 2007年7月28日 (土) 22時12分

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