河合隼雄さんの追悼式の日程と週刊朝日の記事
今朝の朝刊に河合隼雄さんの追悼式の予定が掲載されていた。
日時:9月2日(日)午後1時~
場所:京都大学百周年時計台記念館
百周年記念ホール
発起人代表:東山紘久京都大学副学長
長らく教鞭をとった京都大学での追悼式は、ご本人にも異論はないだろう。それまでの1ヵ月余、我々も喪に服し、河合さんの教えを改めて、振り返る時なのかも知れない。
週刊朝日の最新号(2007年8月3日号)には、『盟友が明かす河合隼雄さん 生前語られなかった「本心」』との半ページほどの記事が出ている。弟子にあたる山中康裕京大名誉教授、ジャーナリストの柳田邦男さん、宗教学者(人類学者)の中沢新一さんなどの追悼コメントが収録されている。
柳田邦男さんは、息子さんを「心の病」で亡くされているが、まだ息子が存命中、その悩みを河合さんにもらすと次のように言われたと書かれている。
「子供の命や心の危機に直面したとき、親は80点、90点ではだめ。100点満点をとらなきゃいけない。自分が崖っぷちに立ったつもりでなければ、何をやってもだめ」
(週刊朝日2007年8月3日号、146ページ)
なかなか、耳の痛い話である。子供の危機に際して、はたして自分は100点満点の親になれるだろうか。教科書があるわけでなし、その場その場で崖っぷちに立ったつもりで、親も必死になって考えろということなのだろう。
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コメント
拓庵さん、将棋以外の記事に初めてコメントさせて戴きます。
「100点満点をとらなきゃいけない」とは私にも耳の痛い話です。でも、実はそれに続けて「100点満点以上を目指さないと100点満点はとれないよ」と河合先生は仰りたかったのではないかな、と私なりに勝手に解釈しています。私自身は1957年生まれですが、結婚が遅かったので、子供は4歳の娘が一人いるだけです。子供がこれからどういう道を歩むかわかりませんが、自分や家内の出遭ってきた程度の危機には遭遇するに違いないので、これから河合先生の仰った意味を、じわじわと実感していくことになるんだろうな、と、少しびびっています。
それにしても、文化庁長官の重責が河合先生の命を縮めたように思うのは、たぶん私だけではないと思います。
投稿: ドクトル・ジバコ | 2007年9月 1日 (土) 19時01分
ドクトル・ジバコさん、将棋以外の記事にもコメントありがとうございます。
今日は、河合隼雄さんの追悼式の日。参列希望者が多く、会場が当初の予定の京都大学の講堂から、京都国際会議場に変更となったとのこと。
文化庁長官をもう少し早く退官していれば、あと何冊か河合さんの著作が読めたことでしょう。結果的に小泉内閣に殉じた形になったような気がします。
投稿: 拓庵 | 2007年9月 2日 (日) 23時56分