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2007年7月13日 (金)

上橋菜穂子著『夢の守り人』を読み終わる

昨日から読み始めた上橋菜穂子さんの守り人シリーズ第3作『夢の守り人』を読み終わった。

夢の守り人 (偕成社ポッシュ 軽装版)

守り人シリーズの舞台である新ヨゴ皇国では、深い眠りにおちたまま寝覚めない人が増えていく。
シリーズの主人公である女用心棒バルサの幼なじみの呪術師タンダの姪カヤ。第1作『精霊の守り人』で皇太子だった息子を亡くした国王の第一皇妃である「一ノ妃」。そして、第1作で、バルサやタンダと逃避行をし、兄の死で皇太子となったチャグム。

3人は、それぞれ放浪の歌い手ユグノの歌声に魅せられたことがあった。夢を集める異世界の<花>が、歌声に魅せられた人々の魂をとらえて離さない。
目覚めない姪のカヤを救おう、夢の<花>が咲く世界に一人乗り込んだタンダに、予想もしなかった事態が待ち受けていた…。

昨日、読んだ前半1/3は、言わば物語りの枠組みを説明した部分で、今日読んだ残り2/3で物語は一気に展開した。

今回の物語では、主に中心人物となるのは、呪術師タンダと、上のあらすじには登場しないが、タンダの師匠で老齢の女呪術師トロガイである。夢の<花>には、トロガイの過去が分かちがたく結びついている。
シリーズの主人公であるバルサもちゃんと登場するが、今回は脇を固める役回りだ。

人は誰しも、辛い現実に直面すると、こうあってほしいという夢の世界に逃避しがちである。しかし、逃避ばかりしていて、現実を見つめて、解決しようとしないとどうなるのか。そんなテーマも根底にはあるように思う。

ぐいぐいと読むものを引きつける話の展開は、いつもながら大したものだ。新ヨゴ皇国の皇太子チャグムが主人公となる第4作『虚空の旅人』の早く読みたいものだ。

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