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2007年9月20日 (木)

将棋第66期A級順位戦3回戦第3局は、郷田真隆九段が羽生善治三冠を破り3連勝

将棋の第66期A級順位戦3回戦第3局は、これまで佐藤康光二冠、谷川浩司九段を破った郷田真隆九段(先手)と藤井猛九段、三浦弘行八段を破った羽生善治三冠(後手)の2連勝どうしの戦い。すでに3連勝とトップに立っている今期A級に昇級したばかりの木村一基八段と並んで、森内名人への挑戦者争いのトップに立つのはどちらか、A級順位戦前半戦の重要な一戦だ。

ニフティの「名人戦棋譜速報」(有料)の掲示板によれば、過去の対戦成績は、羽生三冠34勝、郷田九段16勝とダブルスコア以上の差がついている。最近の10局では、さらに羽生8勝、郷田2勝と郷田九段の分が悪い。しかし、これは郷田九段が不調だった2002年~2004年にかけて6連敗しているためで、それ以降は、一戦ごとに勝ち負けが入れ替わっている。
ちなみに、昨年(2006年)度の第65期A級順位戦では1回戦で対戦、郷田九段が勝ちその勢いで4連勝し、8回戦で7勝1敗となり最終の9回戦を前に名人挑戦者となった。

将棋の内容は、後手の羽生三冠が角交換を行う「一手損角換わり」の戦法を選択。その後、淡々と駒組みが進み、つばぜり合いがあった後、55手目に郷田九段が羽生三冠の陣地で構える桂馬・飛車を斜めに狙う角打ちを放ち、一気に、郷田九段の角、羽生三冠の飛車が飛び交う攻め合いになった。
郷田九段は、羽生玉の守りを崩しにかかる。しかし、郷田玉も、王の守りは金一枚と飛車の横効きだけ。銀と桂馬で逃げ道を封じられ窮屈。いつ、返す刀で打ち取られるか分からない手薄な守りだ。
郷田九段は、打ち込んだ角で羽生陣から奪った桂馬・香車を攻めに動員し、2筋と5筋・6筋から攻める。しかし、あと1枚駒が足りない。攻めが切れて、羽生三冠の反攻で郷田玉が危うい、後手の羽生三冠優勢のとの、控え室の棋士達の見方が広がる中で、手薄な自陣の守りの最後の1枚として▲7七にあった金を▲6六金と8八にいる玉から離し中央に進出させた。
これは、玉のそばに置いておくと、羽生三冠の攻めの手順の中で、相手の取られるのは確実で、相手に金を持たれた場合、終盤の寄せ合いの中で決め駒となる可能性が高いことから、相手に金を渡すことを避けた一手だった。

「名人戦棋譜速報」の掲示版によれば、控え室では、この▲6六金が時間の経過とともに、賞賛から大賞賛に変化したとのこと。竜王戦挑戦者決定戦を終えたばかりの木村八段は、この局面をしばらく眺め「これは郷田九段の勝ち」とコメントしたという。
指されて見ると、持ち駒が角2枚の羽生三冠は、攻め手を欠くこととなり、すでに羽生玉をかなりの所まで追い詰めていた郷田九段が、さらに着実に羽生玉包囲網を狭め、郷田九段の85手めを見て羽生三冠が投了。19日が終わり、20日になって15分ほど回ったところだった。これで郷田九段は3連勝となった。

佐藤二冠(A級4位)、谷川九段(A級2位)、羽生三冠(A級3位)とA級の上位3名を降しての3連勝と、ファンとしては願ってもない結果になった。特に、前の対局(日本シリーズ2回戦の佐藤二冠戦)で二歩で反則負けというイヤな負け方をした直後でもあり、後に引きずらなければよいがと心配していたが、杞憂だった。

また、今回の勝利で郷田九段は通算599勝。将棋界で将棋栄誉賞が贈られる区切りの600勝まであと1勝となった。600勝達成者は、過去34名だけ。600勝のお知らせも早く書きたいものである。

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コメント

序盤の鬼3番をまさかの3連勝。信じられません。
こうなったら連続挑戦。名人郷田を実現あるのみですね。支部の親睦北海道旅行で北海道将棋連盟との対抗戦などで旅行してましたので、遅まきながらのコメントです。嬉しいことばかりで今はとてもハッピ-です。升田九段の言葉だったと思いますが(笑えるときには思い切り笑っておけ、すぐに泣くときが来る)というのがありますが、泣くときがくる気がしませんね。お互い思いっきり笑っておきましょう!

投稿: norisanZ | 2007年9月22日 (土) 22時22分

norisanZさん、いつもコメントありがとうございます。上位3人との3連戦に3連勝は絶好のスタート。しかし、今期は、3連勝が3人と実力が拮抗するA級にしては、珍しい星の偏りになっています。
4回戦では、3連勝の丸山九段×木村八段戦でどちらかが4連勝になります。一方、郷田九段は、前期時間切れアピール騒動があった因縁の久保八段戦。そして5回戦が郷田×木村戦ですので、目が離せません。
郷田九段は、久保八段を撃破し、木村八段が4連勝で来ても、数々の辛酸をなめてきたA級棋士の先輩として貫禄を見せてほしいものです。

昨年、フルセットの激戦で防衛となった竜王戦は再び佐藤二冠が挑戦者として登場し、昨年の無念を晴らそうという展開です。
名人戦でも、捲土重来、郷田九段にリターンマッチを挑んでほしいと思います。

投稿: 拓庵 | 2007年9月24日 (月) 15時15分

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