信じられない安倍首相辞任表明
政治に関することは、このブログでは、取り上げないことにしているのだが、今日は、あまりにも信じられない出来事が起きたので、時代の記録として書き残しておくことにする。
就任からほぼ1年になる安倍晋三内閣総理大臣が、今日(2007年9月12日)の午後2時から突然の辞意表明を行った。
7月の参議院議員選挙で、自ら総裁を勤める自由民主党と公明党の政権与党が、参議院での過半数を失う大敗。参院選で敗れて辞任した橋本龍太郎元総理に例もあり、「当然、辞任するのだろう」と思う世間の意向に反し、早々に続投を表明。2週間ほど前の8月下旬には内閣改造も行い、数日前にはテロ対策特別法の成立のために「職を賭して臨む」との宣言をし、昨日は、臨時国会で改造内閣での所信表明演説を行ったばかりだった。
そして、今日からは各党の代表質問というタイミングで、「私が辞めることで、テロ対策特別法成立に向け局面を転換したい」との理由で辞任表明である。
どこかのプロ野球の優勝監督のコメントではないが「信じられな~い」というのが、まずは最初の感想である。
どうせ辞めるなら、参院選大敗の時点で辞めるべきだったろうし、せめて内閣改造の前に辞めるべきだったろう。この時点での辞任は、周囲にかける迷惑も半端ではない。
参院選大敗の時点で早々に続投を表明し、テロ対策特別法の成立に職を賭して…と言った以上は、自らに信念を貫き、法案成立のための国会論戦に与党の最終責任者として臨み、それが認められなければ、その時点で辞める、あるいは、自らの辞任と引き換えに法案は成立させるという選択肢もあったろう(もちろん、野党がそれで納得して法案を通したかどうかは分からないが…)。政治が与党と野党の駆け引きの中で行われる現実の中で、最大の駆け引きの材料である「総理大臣の辞任」という切り札を、戦う前から切ってしまうという手法は全く理解できない。
辞任の報を聞いた野党首脳が口々に唱えたように「究極の無責任」、「内閣の投げだし」ある。
参議院で野党に過半数を握られた以上、いくら衆議院で2/3以上の議席を確保しているても、与野党対決法案はすべて参議院で反対され、廃案となるのは、最初から分かっていたことである。
再び衆議院の2/3以上の多数を以て可決し法案を成立させるという「伝家の宝刀」を与党として抜いて、強権発動するためには、今日に夜のテレビ番組である与党関係者が言っていたように、与党として国民に対し訴え、理解をしてもらうため相当の努力をし、少なくとも当該法案の成立については、国民の過半数できればが2/3以上支持するというような世論調査の結果でもなければ、踏み切れないだろうし、踏み切るべきでもないだろう。
どう考えても、このタイミングでの一国の首相の辞任は、納得しがたいことであり、辞めなければならなかった本当の理由は(首相本人の辞任会見後の与謝野官房長官が「健康問題」にふれたように)、どこか別のところにあるのではないかと思う。
当面は、自由民主党内で次の総裁=次の首相に誰を選ぶのかが焦点に成ってくるが、すんなり後継総裁選出、首相就任といくのか、まだまだ波乱含み数週間になりそうな気がする。
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