ピーター・ラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターを描いた映画『ミス・ポター』を見る
昨日(2007年9月15日)から公開が始まった映画『ミス・ポター』を見た。主人公ミス・ポターとして描かれるビアトリクス・ポター女史は、日本でも人気のピーター・ラビットの原作者。
20世紀初頭のビクトリア朝時代のイギリスで、ミス・ポターことビアトリクス・ポターが、自分の作品を出版してもらおうと出版社ウォーン社を訪ねるところから、映画は始まる。経営者のウォーン兄弟のうち、兄は断ろうとしたが、弟は出版を応諾。ミス・ポターは天にも昇る気持ちで、勇んで家に帰る。
その後、家に訪ねてきたのは、ウォーン兄弟の末弟ノーマンだった。会社を手伝いたいと2人の兄に申し出たノーマンにあてがう、失敗してもよい仕事として、次兄はミス・ポターの作品の出版を認めたのだった。
なるべく、買ってもらいやすいように、カラーでなく白黒での出版を考えていたミス・ポターに、色刷りにして、なるべく低価格で出版するプランをノーマンが持ちかけ、今も愛読されるピーター・ラビットのカラーの小さな絵本が誕生した。
大好評のミス・ポターの絵本はシリーズ化、ポターとノーマンの2人も徐々に親密になっていく。
以上が、映画前半のあらすじだが、後半は映画を見ていただくとして、映画を見て感じたのは、ピーター・ラビットはあれだけ有名なのに、作者のビアトリクス・ポター女史については何も知らないことをだった。
彼女は、ピーター・ラビットのシリーズの生みの親であるだけでなく、晩年はピーター・ラビットの世界を生み出したイギリスの湖沼(湖水)地方の土地を開発から守るため、本の印税などで得た私財で売りに出た農地を買い集め、最後はナショナル・トラスト(正式名称:「歴史的名勝と自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」=National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty)に寄付したという。
自然保護活動にも大きな足跡を残しているのだ。湖水地方は、小学生の頃夢中になって読んだ『ツバメ号とアマゾン号』(アーサー・ランサム著・神宮輝夫訳、岩波書店)をはじめとするアーサー・ランサム全集12巻の多くの作品の舞台でもある。
映画を見たのも何かの縁、もう少し詳しくビアトリクス・ポター女史の一生について知ろうと伝記『ビアトリクス・ポター』(ジュディ・テイラー著、吉田新一訳、福音館書店)を買ってきた。かなり分厚い読み応えのある本だが、時間を見つけて読んでいきたい。
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