第55期将棋王座戦は羽生善治王座が挑戦者の久保利明八段に3連勝し、16連覇を決める
羽生善治王座に、久保利明八段が挑戦していた将棋の第55期王座戦第3局は、今日(2007年10月3日)、将棋の駒の産地として有名な山形県天童市で行われた。羽生王座2連勝後の3局め、羽生王座が勝てば3連勝でタイトル防衛が決まる。久保八段としては、なんとか一矢報いて、次につなげたいところ。
第3局の先手は久保八段。飛車を振って四間飛車に構える。羽生王座は、居飛車で対峙。玉の守りが固まらないうちに開戦、羽生王座は飛車を切って、駒をさばきにでる。「さばきのアーティスト」久保八段のお株を奪う大胆な攻め。しかし、羽生王座の駒損は如何ともしがたく、途中までは「久保八段勝勢」との解説との見方が大勢を占めていた。
その後を、双方の玉を詰ませにかかる寄せ合いの中で、久保八段が攻防の一手で跳ねた桂馬を、羽生王位が王手となる角打ちからの流れで取り去ってしまい、一気に形勢逆転。勝利の女神は、羽生王座にほほ笑んだ。
久保八段はシリーズを通じて、善戦しながら、特に第2局と本局は勝勢と言われていた将棋で逆転され、1勝も出来ずに終わった。前回挑戦者となった2001年の第49期王座戦でさえ、1勝を上げており、その時以上の成績を目指していたに違いないので、この今回の敗退の影響は、しばらく今後に影響するかもしれない。
羽生王座は、先週、深浦康市八段に王位のタイトルを奪われた直後でもあり、3連勝による王座防衛・16連覇達成は、嫌な流れを断ち切る面もあるだろう。
今回の結果が、今後の2人の棋士人生にどのような影響を与えることになるのか、興味深いものがある。
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