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2007年10月17日 (水)

上橋菜穂子著『虚空の旅人』軽装版を読み終わる

一昨日、たまたま寄ったある書店で、何気なく児童書のコーナーをのぞいて見ると、上橋菜穂子さんの守り人・旅人シリーズの第4作にあたる『虚空の旅人』の軽装版が書棚に並んでいた。まだ、軽装版が出るのは先だろうと思っていたので、すぐ手に取り購入。奥書を見ると、2007年9月初版第1刷と書かれている。
私が減量に一生懸命になっている間に発行されていた。

虚空の旅人 (偕成社ポッシュ 軽装版)

これまでの『精霊の守り人』『闇の守り人』『夢の守り人』では、女用心棒のバルサが主人公だったが、本編『虚空の旅人』では、第1作『精霊の守り人』でバルサに命を助けられ、後に新ヨゴ皇国の皇太子となった少年チャグムが主人公である。バルサが主人公として活躍するメインストリーである『守り人』シリーズの外伝として書かれたものである。

本作では、新ヨゴ国の南に位置し南の海に突き出す半島にある隣国サンガル王国の新王即位の儀式に新ヨゴ皇国を代表して、皇太子チャグムが送られる。お供は、チャグムの学問の師でもある若き星読博士のシュガと数名の衛士だけだ。

新王即位のおめでたい儀式を控え、サンガル王国に属するカルシュ島では、「ナユーグル・ライタの目」という異界からの使いが現れる。

一方、サンガル王国から海を隔ててさらに南方にあるタルシュ帝国では、ある計画がめぐらされていた。

さまざまな人の運命が、クライマックスに向けて凝縮していく様を、描きだす筆者の筆はこれまで通り健在である。メインストリーの主人公であるバルサはチャグムの思い出の中でしか登場しない。代わりに、バルサの弟子ともいえるチャグムが、時には心優しい少年として、時には皇太子として国を代表して外交上の交渉を行ったりと活躍する。
バルサの登場するメインストーリーと切り離して、この作品だけを、一人の少年皇太子の冒険物語として読んでも十分楽しめる作品である。

守り人・旅人シリーズ全10冊を、2か月に1冊のペースで軽装版化してくれるのであれば、次は11月。第5作『神の守り人 来訪編』も早く読みたいものである。

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