将棋第66期A級順位戦6回戦最終局、谷川浩司九段対佐藤康光二冠戦は谷川九段が制し、A級残留に大きく前進
昨日(2007年12月27日)の第66期A級順位戦6回戦最終局、残留を賭けた名人経験者対決となった、谷川浩司九段(1勝4敗)対佐藤康光二冠(0勝5敗)の対決は、序盤から激しく駒がぶつかり合う展開となった。お互い攻め合い相手玉を脅かしたが、終盤、持ち時間を1時間ほど残す谷川九段に対し、佐藤二冠はほとんど時間がなくなった。最終的には、佐藤二冠の攻めが一歩及ばず、谷川九段がA級残留に向けた貴重な2勝目をあげ、佐藤二冠は6戦全敗でA級棋士10人の最下位のままである。
6回戦までの成績と7回戦以降の対戦相手は以下の通り。
順位 | 棋士名 | 勝 | 負 | 7回戦 | 8回戦 | 9回戦 |
1 | 郷田真隆九段 | 5 | 1 | 三浦 | 丸山 | 行方 |
3 | 羽生善治二冠 | 5 | 1 | 丸山 | 木村 | 谷川 |
8 | 三浦弘行八段 | 5 | 1 | 郷田 | 谷川 | 久保 |
9 | 木村一基八段 | 5 | 1 | 久保 | 羽生 | 佐藤 |
5 | 丸山忠久九段 | 4 | 2 | 羽生 | 郷田 | 藤井 |
2 | 谷川浩司九段 | 2 | 4 | 藤井 | 三浦 | 羽生 |
6 | 藤井猛九段 | 2 | 4 | 谷川 | 行方 | 丸山 |
7 | 久保利明八段 | 1 | 5 | 木村 | 佐藤 | 三浦 |
10 | 行方尚史八段 | 1 | 5 | 佐藤 | 藤井 | 郷田 |
4 | 佐藤康光二冠 | 0 | 6 | 行方 | 久保 | 木村 |
これまでも何回か書いてきたが、上位5名と下位5名にくっきりと分かれる。
すでに5勝あげて勝ち越しが確定した上位4名に加え、4勝の丸山九段も佐藤二冠が残り全勝でも3勝止まりであること、自分より順位が下位の久保八段、行方八段がやはり残り全勝しても4勝止まりであり、成績が同じ場合、順位の下から陥落することから、残留が確定している。
下位5名で、2つの降級枠を押しつけあうことになるが、昨日勝ったことで、谷川九段が残留に一歩近づいた。丸山九段より今期の順位が上位なので、あと2つ勝って4勝なら文句なし。とりあえず、次の藤井九段戦の勝って3勝とすれば、今後全勝しても3勝止まりの佐藤二冠は順位の関係で上回ることができるし、8回戦の藤井×行方戦でどちらかが負けるため、自分より下位で3勝止まりの棋士が2人は確実にいることになる。谷川九段にとって、次回の藤井九段戦は大きな一番になる。
名人挑戦権争いは、まず来年(2008年1月7日)に、1敗同士の郷田九段×三浦八段戦。郷田ファンとしては、この新年最初のA級順位戦を制して、2年連続挑戦を一気にたぐり寄せてほしいものである。
| 固定リンク | 0
「将棋」カテゴリの記事
- 第65期王将戦七番勝負第1局、郷田真隆王将が最強の挑戦者羽生善治名人に完勝(2016.01.11)
- 第64期王将戦就位式、祝・郷田真隆王将!(2015.05.19)
- 郷田真隆九段、44歳で5回目のタイトル王将を獲得(2015.03.29)
- 郷田真隆九段、2つの三度目の正直で王将挑戦へ(2014.12.26)
- 第27期竜王戦、郷田真隆九段、今年もランキング戦1組4位で決勝トーナメント進出(2014.05.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント