おまけの『広辞苑一日一語』にひかれて『広辞苑』第六版を衝動買い
先週から、一時的に本社のビルで仕事をしている。本社には食堂の下の階に売店があり、書籍のコーナーもある。
昼食が終わると、そこで本を見てから仕事場に戻るのが日課だ。今日、書籍のコーナーに行くと、発売されたばかりの『広辞苑』第六版(岩波書店)が展示されていた。
日本の国語辞典の代名詞でもある『広辞苑』。今回はの第六版は10年ぶりの大改訂ということで、話題になっている。いつ最近、新聞に「イケメン」という言葉が「いけ面」として採録されているが、本来カタカナで「イケメン」が正しいのではないかという記事が載っていた。しかし、広辞苑に載った「いけ面」を使うべきとの意見も出ているとか。
私は、『広辞苑』が家にあることがその家庭がインテリであることの証明と勝手に思いこんでいて、第五版も我が家にはあるのだが、かといってリビングのテレビの横の書棚に鎮座しているだけで、第五版を買ってから『広辞苑』で言葉の意味を調べたのは、多くても10回に満たないだろう。
むしろ、家の一隅に『広辞苑』を置いておこうとする行為、そもそも『広辞苑』を買うという行為そのものが文化的と思っているのだ。(何の根拠もないが…)
しかし、発売当初の特別価格でも本体価格7500円という値段には、さすがに躊躇してしまうのだが、一緒に置かれていた予約特典のおまけももらえることに惹かれて、衝動買いをしてしまった。
おまけとは『広辞苑一日一語』と題した新書サイズの冊子。
ちょうど岩波新書と同じサイズで、広辞苑と同じ黒いカバー、カバーをはずした下の本体の色も、広辞苑と同じあの青色。内容は、1月1日から12月31日まで、その日にちなんだ言葉を広辞苑から抜き出してまとめたもの。広辞苑版「今日の一言」とったところだ。
その外見のレアぶりと、ブログのネタに困った時の参考になるではないか実利的な思惑に勝てず、衝動買いしてしまった。
仕事場まで、重たい『広辞苑』を運ぶ。試しにとおまけの『広辞苑一日一語』では、今日、1月17日には何が書いてあるかと開いてみると、思わぬ言葉が飛び込んできた。
兵庫県南部地震
1995年1月17日午前5時46分に淡路島北端を震源にして発生した地震。マグニチュード7.2。阪神淡路大震災を引き起こす。
(『広辞苑一日一語』13ページ)
そういえば、今朝のテレビニュースで阪神淡路大震災から13年たって、地元でも、震災を知らない子どもが増えてきているとのニュースが伝えられていた。
思えば、1995年は1月に阪神淡路大震災があり、3月には東京で地下鉄サリン事件があった。
のちの歴史家は、天災と人災で日本のバブル期の繁栄が完全に終わりを告げた転換点の年として1995年を評価するだろう。経済指標などは、すでの景気の低迷を示していたが、人々の気持ちもあれで大きく変わらざるを得なかったように思う。
あえて岩波書店の編集部が『広辞苑一日一語』で「兵庫県南部地震」を取り上げたのは、いろいろな意味で、あの悲惨な災害を忘れないようにというささやかな主張なのだろう。
このおまけの『広辞苑一日一語』は読み物としても、おもしろいので、いずれ評判になって岩波新書の1冊に加えられるのではないかと思う。
(『広辞苑一日一語』は、あくまで予約特典なので通常の書店販売ではセットにはなっていないので、もし購入される際には、気をつけていただきたい)
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