『企業こころの危機管理』(田中辰巳・海原純子談)を読む
2週間ほど前に、家の近くのブックオフに子どもたちの本を売りに行った時に、見つけた『企業こころの危機管理』(文藝春秋)という本を読んでいる。
ブックオフで売られていたからといって古い本ではなく、昨年(2007年)6月に出たばかりの本である。著者は、企業の危機管理のコンサルタントの田中辰巳さんと精神科医の海原純子さんである。2人はテレビで共演したことがあるそうで、私もこのブログで以前とりあげた海原さんの『こころの格差社会』という著書を読んだ田中さんが感想を述べたこがきっかけで、本作りの話まで発展したらしい。本の末尾には、この本は「語りおろし」と書かれており、2人の対談が本になったものようだ。
対談のテーマは、企業におけるメンタルヘルス管理。現在の日本の企業の中でうつ病ような心の病にかかる人が増えており、それを反映して労働安全衛生法も改正され、企業は社員の心の安全管理をも求められるようになった。
企業としてのメンタルヘルスは,今後ますます重要になるであろうというのが、田中さんの主張である。勝ち組、負け組といった考え方が横行する中で、それによって、心が病んでいる人も増えている。
しかし、企業のトップや主要ポストは、個別の企業の中では、いわゆる「勝ち組」の人たちが占めている。かつての成果主義の弊害が言われるようになって久しいが、彼らは、その弊害のあった成果主義を勝ち抜いていた人たちである。今の制度で勝ち抜いてきた人に
今の制度の手直しができるのだろうか。
その点は私にとってもの大きなテーマだ。明日には、読み終えたいと思っている。
| 固定リンク | 0
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 西野智彦著『ドキュメント通貨失政』(岩波書店、2022年)を読み終わる(2023.02.24)
- 三宅香帆著『それを読むたび思い出す』(青土社、2022年)を読み終わる (2023.02.18)
- 北条早雲(伊勢新九郎盛時)を描く『新九郎、奔る!』(ゆうきまさみ、小学館)(2021.05.22)
- 『戦乱と政変の室町時代』(渡邊大門編、柏書房)を読み終わる(2021.05.16)
- 小野不由美著『十二国記』シリーズ (新潮文庫版)を読み終わる(2015.03.01)
コメント