第57期将棋王将戦7番勝負第3局、挑戦者の久保利明八段が勝って対羽生戦の連敗を8で止める
昨日、今日(2008年2月6日・7日)は、将棋のタイトル戦の1つ「王将戦」の第3局が静岡県浜松市で行われた。羽生善治王将(・王座)に久保利明八段が挑戦する今回のシリーズは、すでの羽生王将が2勝。久保八段にとっては、この第3局を落とすと後がなくなる。
久保八段は、最近羽生二冠に勝てない。昨年(2007年)1月の第65期A級順位戦7回戦では、1勝5敗でA級陥落の危機の中、羽生三冠(当時)を破って逆転残留への大きな一歩となった。しかし、その後9月の第55期王座戦の挑戦者となったものの、タイトルを争う5番勝負では、どれも接戦・名局と言われたものの、3連敗。そこから、棋王戦予選、NHK杯と敗れ、12月の第66期A級順位戦6回戦では、羽生二冠に記念すべき1000勝目を献上することになった。さらに、この王将戦でも2連敗し、8連敗となった。羽生二冠との通算の対戦成績もここまで30局で7勝23敗。勝率0.233と、他のA級棋士の多くが対羽生戦で少なくとも3割の勝率は確保する中、やや悪すぎる数字になっている。(「玲瓏:羽生善治(棋士)データベース」を参考にしました)
しかし第3局の将棋は、先手の久保八段の捌きが冴え、中盤から一気に攻勢に。途中、羽生王将の反撃にあったが、なんとか逃げ切り、最後は龍と馬2枚で穴熊にこもった羽生玉を包囲。羽生王将の投了となった。
これで久保八段は対羽生戦の連敗を8で止め、7番勝負の成績も1勝2敗と一つ星を返した。何とか第4局も連勝し、五分の星に持ち込みたいところだろう。
タイトル戦で羽生二冠に1度くらい勝てないとA級棋士の地位の維持は難しいというのが、私のこれまでの分析の結果である。
久保八段が第3局で一矢報いたことで、流れが変わるのか、俄然注目の王将戦である。
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