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2008年2月24日 (日)

赤坂真理著『モテたい理由』から

昨日紹介した『不機嫌な職場』の前に、読み終えていたのが、同じ講談社現代新書の『モテたい理由』。昨年(2007月)の12月に出版されたばかり。10日ほど前に、書店で目について、手にとって、ザーッと目を通してみたところ、キワモノ風のタイトルの割には、中身はまじめで、おもしろそうなのでさっそく購入した。

モテたい理由 (講談社現代新書)
モテたい理由 (講談社現代新書)

著者の赤坂真理さんは、1964年生まれ。ふつうの人とは違う感覚の持ち主である。サブタイトルに「男の受難・女の業」とある本書は、一人の女性の視点から、現代の男の生きずらさの背景にあるものを語る。また、一方では、女性ファッション雑誌と呼ばれる媒体が、現代の女性たちに対して語る理想の生き方をシニカルに見つめている。男性論・女性論であるとともに、現代社会論にもなっている。

40代も後半に入ったサラリーマン稼業の私にとっては、いくつも新鮮な発見があり、目から鱗が落ちるような思いで読んだところが、何カ所もあった。全部紹介しているとキリがないので、その中で印象に残っているものを一つ紹介しておきたい。「女が最も達成感を感じるとき」という小見出しがついている。

女の歓び……。

グループの中で自分が一番多く異性の注目を集めながら、最高の(自分の意中の)一人から(ステディあるいは結婚の)プロポーズをもらえること。

自分は餌をまき(体のラインを強調してみせたり胸の谷間をほのめかしたりする、など)、獲物を待つ。そして目当ての獲物がかかったとき。そして言わせたいひと言を、「相手の意思で」言わせたときの歓び……。

これが最も女性が達成感を感じるゲームのストーリー、女の全能感のシナリオである。

ああ受け身の攻撃性。(『モテたい理由』26ページ)

これを読むと、男など単純な生き物なのだと思わざるを得ない。(「すべての女性が、そう思っている訳ではないよね」などと言おうものなら、「だから男は甘いのよ」誰かに言われそうである。)

新たしいモノの見方の尺度を手に入れるという点で、非常に役に立つ本だと思う。

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