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2008年4月 3日 (木)

内田樹さんが語る狙った男の口説き方-『ひとりでは生きられないのも芸のうち』から

内田樹さんの2008年1月の新刊『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(文藝春秋)を読み始めた。

ひとりでは生きられないのも芸のうち
ひとりでは生きられないのも芸のうち

神戸女学院大学教授でちょっと辛口だけど正論を語る内田さんは、自身でブログを書かれている。
この本もこれまでに著者がブログに書いてきたものを、文藝春秋の編集者が選び、それに著者が手を入れて本になったものである。(あとがきより)

書かれた文章の切り口は、

本書が扱うのは「あまりに(非)常識的であるがゆえに、これまであまり言われていないできたことだけれど、そろそろ誰かが『それ、(非)常識なんですけど』ときっぱり言わねば言わねばまずいのではないか」という論件であります。(『ひとりでは生きられないのも芸のうち』9ページ)

と書かれている通りで、内田さんの面目躍如といった内容である。

そして、まえがきのあと最初の文章が「いかにして男は籠絡されるか/弱雀小僧 is come back」と題されて、思わず読んでしまう。

配偶者をお求めの女性諸君には、標的とされた男性については、まず「隠れたる才能を評価し」、ついで「ルックス」を称えるという二段階で攻撃した場合、きわめて高い確率で所期の成果を挙げうるということをご教示しておきたい。
言っておくが、「人間的暖かさ」とか「器量の大きさ」とか「優しさ」などというものについては、いくらほめられても男は微動だにしないので言うだけ無駄である。
なぜななら、そのような資質が備わっていることをすべての男性はゆるぎなき自信をもって信じているからである。(中略)
男が待望しているのは、、「それが備わっているかどうか、ちょっとだけ自信がない」美質についての「保証」のひとことだけなのである。(『ひとりでは生きられないのも芸のうち』25ページ)

男の立場で読んでも、「なるほどそうかもしれない」と思ってしまう。

このような調子で語られる著者の考えが「Ⅰ非婚・少子化時代に、Ⅱ働くということ、Ⅲメディアの語り口、Ⅳグローバル化時代のひずみ、Ⅴ共同体に作法、Ⅵ死と愛をめぐる考察」という6つカテゴリーにわけてまとめられている。

まだ、「Ⅱ働くということ」を読んでいる最中だが、帰りの電車でページをめくっていたら、内田ワールドに入り込んでしまい、酒に酔っているわけでもないのに、一駅乗り過ごしてしまった。

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