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2008年5月11日 (日)

第2回ネット将棋最強戦1回戦第2局、羽生善治二冠がクリックミスによる時間切れで渡辺竜王に敗退

2007年から将棋の公式戦として始まったネット将棋最強戦。今年(2008年)のトーナメントが、前回のベスト4進出者(郷田九段・丸山九段・羽生二冠・三浦八段)、タイトルホルダー(森内名人、渡辺竜王、佐藤二冠、深浦王位)、公式戦優勝者(森下九段、村山五段)、その他賞金ランキング上位者(久保八段、木村八段、谷川九段、阿久津五段、鈴木八段、藤井九段)の計16名を参加者として5月4日(日)から始まった。

初戦は佐藤二冠対村山五段。新人王戦優勝の注目の若手村山五段に佐藤康光二冠が勝利。まずは、番付通りの結果で開幕した。
第2戦は、現在、名人戦で森内名人に挑んでいる羽生善治二冠と渡辺明竜王というタイトルホルダー同士の注目の対戦。今日(5月11日)の夜8時から、ネット中継がスタートした。
相矢倉の展開で、先手の渡辺竜王が、桂頭の歩を突き出し戦端が開かれたが、羽生二冠はその一瞬を突き、渡辺陣の玉側の端攻めを敢行し、9筋に退避していた銀を取り、歩の突き出しで隙間のできた相手陣の桂馬の頭に打ち込んだ。
双方持ち時間は30分なので、開始から1時間過ぎた午後9時過ぎには双方持ち時間がなくなり、1手30秒の秒読みとなる。
銀打ちで、やや形勢が厳しいかと思われた渡辺竜王は、1、2筋に香車・飛車、狙われた桂馬等駒を集め、羽生玉に対する端攻めに着手した。渡辺竜王の端攻めを羽生二冠がどう受け、どう切り返すかと注目していると、突然、羽生二冠「投了」との表示。
終局後のコメントをみると、次の手は、渡辺竜王が1筋を狙う飛車をいじめにいく渡辺陣への銀打ちだったとのこと。羽生二冠が銀打ちの手を指したあと、「着手確認のチェック」を漏らし、機械上では着手と認識されないまま30秒が経過し時間切れとなったようだ。

本格的な戦いはこれからというところで、観戦していたファンとしては、拍子抜けの結果に終わった。
読売新聞のネット記事YOMIURI ONLINEでは、22時58分配信で「マウス操作ミスる、羽生が時間切れ敗北…ネット将棋」との記事が流れた。記事の締めくくりには「同棋戦は選抜された棋士16人によるトーナメント戦で昨年発足したばかりだが、時間切れで負けたのは羽生二冠が初めて」と書かれている。

男子プロでは初めてかもしれないが、昨年11月から今年3月にかけて行われた、第1回女流最強戦では、2回戦の矢内女流名人対千葉涼子女流三段戦の終盤の難しい局面で、千葉女流三段が時間切れになった場面に遭遇したことがある。その時は、千葉女流三段が不利な局面で、30秒で最適手を指すのは難しい状態で、考えあぐねているうちに30秒が過ぎたのだろうなと思われる局面で、続けていても、矢内女流名人の勝利は確実な状況だった。
今回は、次の手を考えあぐねて、時間切れになるような局面ではなかっただけに残念である。

むしろ、今回の事件は、2006年第65期A級順位戦、郷田九段対久保八段戦での郷田九段の指し手が時間切れだったのではという久保八段のアピール、2007年12月第1回朝日杯オープンの佐藤二冠対郷田九段の一戦での佐藤二冠の時間が切れていたとの投了後の郷田九段の指摘といういくつかの時間切れ問題を思い起こさせる。
通常の対局の場合、記録係という人間の判断に委ねられる時間切れの判断。今回の羽生二冠のように指す意思があっても、機械は厳密に30秒でジャッジをする。
人間系で行う判断の曖昧さと機械系で行う判断の厳密さとの対比を鮮明に感じた1局だった。

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