将棋第79期棋聖戦の挑戦者は、羽生二善治二冠と久保利明八段の争いに
将棋の第79期の棋聖戦の挑戦者決定トーナメントの準決勝の2戦目に当たる木村一基八段と久保利明八段の対戦が一昨日(2008年5月2日)、大阪で行われ、久保八段が勝ちトーナメント決勝に駒を進めた。先日、郷田真隆九段を破って既に決勝進出を決めている羽生善治二冠と久保八段の間で、5月13日に挑戦者決定戦が行われる。
久保利明八段にはとっては、昨年度、2007年度は悲喜こもごもの1年だった。年間トータルでは対局数54局(3位)、31勝(勝ち数同率9位)23敗、勝率0.5741。
まず、棋聖戦では挑戦者決定トーナメントの決勝に進出、渡辺明竜王と挑戦権を争ったが、渡辺竜王の急戦の仕掛けの前に敗退し挑戦権を逃した。
しかし、その後の王座戦では森内俊之名人との挑戦者決定戦に勝ち、羽生善治王座に挑戦。際どい戦いをするも、結果は3連敗で敗退。竜王戦でも、ランキング3組で優勝し、決勝トーナメントに進出(2組2位の富岡英作八段を下したものの、挑戦者となった佐藤康光棋聖に敗退)。
王将戦でも、7人戦う挑戦者決定リーグ戦を5勝1敗で制し、挑戦者として羽生善治王将と七番勝負を戦い、第3局で一矢報いるも、1勝4敗で敗退。
年間で2度のタイトル挑戦は簡単に実現できるものではなく、その点では好調だったといえるが、2回のタイトル戦を含め、2007年度、久保八段の羽生二冠との戦いは11戦で1勝10敗(その中には、羽生二冠の1000勝目に当たるA級順位戦6回戦も含まれる)。
しかし、羽生二冠戦を除けば、43戦で30勝13敗、勝率0.6976。四捨五入して勝率7割である。
残り13敗のうちの半分の6敗がA級順位戦での羽生二冠以外の他の棋士との対戦での敗戦であり、順位戦にだけ黒星が集まってしまった格好である。
要するに、2007年度の久保八段は、羽生二冠戦とA級順位戦にだけ「負け」たということだ。
棋聖戦の挑戦者決定トーナメント準決勝では、自分のA級陥落と入れ替わりにA級に残留した木村一基八段を破り、そして決勝の相手が昨年度苦杯をなめ続けた羽生二冠。
久保八段は、王座戦開幕前の心境を語った『将棋世界』の2007年11月号のインタビューで、
「羽生さんにタイトル戦で敗れた棋士はその後ほとんど調子を落とします。それは今までのままでは通用しないと感じてしまい、無理にフォームを改造しようとするからです。ああでもない、こうでもないと考え過ぎて、バランスを崩してしまうんですね。実際、私がそうでした。たぶんこれは、羽生さんとタイトル戦を戦った人なら誰しも感じ、経験していることだと思います。羽生さんの魔力、とも言うのでしょうか」
と語っている。
久保八段が、羽生二冠の魔力に惑わされず、残りの棋士との対戦での勝率7割という自らの力を信じることができれば、新たな可能性も開けてくるのではないかと思う。しかし、羽生二冠以外のタイトルホルダーへの挑戦によって自らの力を試す機会を得る最後の1戦の相手が羽生二冠というのも現実だ。
羽生二冠という大きな壁を乗り越えて、次のチャンスに進むことができるのか。5月13日に行われる羽生二冠との棋聖戦挑戦決定戦は久保八段の棋士生活の中では、大きな転機になるかもしれない一戦ではないかと思う。
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コメント
すいません、将棋初心者です。5月13日の棋聖戦は、場所は東京・千駄ヶ谷の将棋会館ですか?
投稿 maru | 2008年5月12日 (月) 11時27分
maru様
おたずねの件は、主催社である産経新聞社のウェブサイトMSN産経ニュースに
「第79期棋聖戦」(産経新聞社主催)の挑戦者決定戦が13日午前10時から東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われる。
と書かれているので、まちがいないと思います。
投稿 拓庵 | 2008年5月12日 (月) 23時25分