2年連続で永世名人誕生という快挙と森内俊之前名人の今後
将棋界の話題は、羽生新名人&永世(19世)名人の話題で持ちきりである。毎日新聞社と共催ではあるものの、今期から名人戦の主催社に復帰した朝日新聞社にとっても、格好の話題で、今日の朝日新聞では、1面に「羽生、永世名人に」という記事を大きく載せ、2面の「ひと」のコーナーでも羽生新名人をとりあげ、夕刊でも一夜あけた羽生名人の声が伝えられていた。(しかし、もう一方の主催社である毎日新聞でどのような報道がされているのかを確認するのに、駅の売店で毎日新聞を買うのをすっかり忘れてしまったのは、自分としては大失敗である。比較がブログのネタになったに違いないのに)
思い起こせば、1年前、同じように、名人位在位通算5期とし、永世名人(18世)資格を獲得した森内前名人の一夜あけた翌朝の声が伝えられていた。
片上大輔五段は自身のブログの中で「二年連続で永世名人の資格者が誕生するというのは、将棋界400年の歴史の中では初めてのことと思います。おそらく、空前絶後となるのではないでしょうか。」と書いていたが、おそらくその通りであろう。
昨年の名人戦では、森内名人の対戦相手で、惜しくも敗れた郷田真隆九段をずっと応援していた私は、森内名人の翌朝のインタビュー記事を複雑な思いで読んだが、当然ながら、そのような際に敗者については、一切伝えられることはない。
森内名人は、昨年は自らが永世名人となるという主役の座にあり、今年は、一転、「敗軍の将兵を語らず」で、羽生新名人の引き立て役に回ることになった。勝ち負けは、勝負の世界の常とはいえ、その心中を察すると、余りあるものがある。
前回、丸山忠久名人を4連勝で破り、初タイトルとして名人位を獲得(2002年、第60期)した翌年の第61期(2003年)名人戦は、2度目の森内×羽生戦となり、4連敗で名人位を奪われる。しかし、その時は、昨日も書いた通り、戻ったA級順位戦を9戦全勝で制して、第62期(2004年)名人戦では、羽生名人にリターンマッチを挑み、4勝2敗で名人位を取り返している。
今回は、どうであろうか。
森内前名人の2000年度以降の成績を見ると次のようになっている。
| 年度 | 対局 | 勝 | 負 | 勝率 | トピック |
| 2000 | 56 | 41 | 15 | 0.7321 | |
| 2001 | 58 | 38 | 20 | 0.6551 | |
| 2002 | 44 | 26 | 18 | 0.5909 | 名人獲得 |
| 2003 | 64 | 46 | 18 | 0.7187 | 名人失冠、竜王・王将獲得 |
| 2004 | 55 | 29 | 26 | 0.5272 | 名人獲得、竜王・王将失冠 |
| 2005 | 49 | 32 | 17 | 0.6530 | 棋王獲得 |
| 2006 | 47 | 28 | 19 | 0.5957 | 棋王失冠 |
| 2007 | 45 | 24 | 21 | 0.5333 | |
| 2008 | 9 | 3 | 6 | 0.3333 | 名人失冠 |
(出所:将棋連盟ホームページ等)
最初の名人位失冠後は、その後奮起し、同じ2003年度中に竜王、王将を羽生名人から奪い、翌年の名人位奪回とあわせ、一時名人・竜王・王将の三冠を保有した時期もある。
少々気になるのは、2005年度以降、年々勝率が下降していることである。タイトル戦でも、今年これから始まる王位戦、王座戦、竜王戦ではすでに挑戦者争いから名前が消えており、半年間は前名人・九段の状態続くことになりそうである。
敗軍の将、森内前名人がどのような形で復活を遂げるかも、しばらく注目していきたい。
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