越智啓太著『犯罪捜査の心理学』を読んでみる
日曜日、家の近くの書店に行き、店内をぶらぶらしていると『犯罪捜査の心理学』という本が目についた。最近、仕事で社内の不正について調べたことがあって、犯罪とか不正というものにも、興味を持っていたところなので、とりあえず、買って読んでみることにした。
著者は警視庁科学捜査研究所を経て、現在は法政大学の心理学科で教鞭をとっている。サブタイトルに「プロファイリングで犯人に迫る」とある。『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「プロファイリング(Offender profiling or criminal profiling)とは、犯罪捜査において、犯罪の性質や特徴から、行動科学的に分析し、犯人の特徴を推定すること」とある。
連続して事件を起こしている犯人について、犯行方法や現場の特徴などから、共通する事項を見つけ出し、犯人の特徴を推定し、絞り込んでいくという捜査手法のようだ。また、犯罪が起きた場所の分布から、犯人の居住地を推定したり、次に犯罪を起こしそうな場所を推定して予防に役立てる地理的プロファイリングという手法もあるようである。
殺人事件の多くは、今でも「金か愛」のトラブルということがほとんどで、多くの事件は被害者の交友関係で、金銭や愛憎のトラブルを抱えた人物を捜していけば、有力な容疑者が浮かび、その中の犯人がいることも多いらしいのだが、時に被害者と加害者の間に、特別の関係のないケースもあり、そのような事件を解決すべく1960年代後半に米国のFBIで、プロファイリングという手法が始まったらしい。その後、日本も含め、世界各国で、各国の犯罪事例を本に、研究が進められているとのことである。
詳しくは、本を読んでいただければと思うが、これを読むと、事件の報道の見方、読み方やが変わる思うし、刑事ドラマやサスペンス映画のの見方も少し変わると思う。
また、犯罪捜査に関わる本として、『FBIアカデミーで教える心理交渉術』という本も買ったが、こちらはまだ積ん読のままである。はやく、読まなくては…。
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