第2回ネット将棋最強戦2回戦第3局は、郷田真隆九段が阿久津主税六段を下し、準決勝進出を決める
2008年5月4日から始まった第2回ネット将棋最強戦も、すでに鈴木大介八段、丸山忠久九段が準決勝進出を決め、残る2回戦の戦いも、今日の郷田真隆九段vs阿久津主税六段戦、来週の佐藤康光二冠vs渡辺明竜王戦の2局。
今日対戦する2人は今期ともに好調で、7月11日(金)現在で、阿久津六段は12勝3敗で勝率0.800。敗れたのは、谷川浩司九段に王座戦と日本シリーズで2敗しているのと、順位戦B級2組でライバルの橋本崇載七段に敗れただけである。12勝の中には、森内俊之名人(当時)、丸山九段、木村一基八段(2勝)とトップ棋士からの勝ち星も含まれている。
一方の郷田九段も11日現在で7勝2敗で勝率0.788(12日に行われた日本シリーズでの佐藤二冠戦の勝敗は、この記事を書いている時点では不明*追記)。2敗の相手は、棋聖戦挑戦者決定トーナメント準決勝での羽生二冠(当時)戦と、竜王戦1組準決勝の丸山九段戦のみ。格下の棋士への取りこぼしは最近ほとんど見かけなくなった。
今日の将棋は阿久津六段の先手。お互いに居飛車に構え、序盤は郷田九段がうまく捌いたように見えたが、郷田九段の側に見落としがあったようで、阿久津六段が郷田九段の桂馬を捕獲し、一歩リード。その後、駒の損得は、阿久津六段が大駒の角1枚を丸々駒得としる展開で優勢に。
しかし、ここからが郷田将棋の真骨頂。粘りとしのぎで、阿久津六段に決め手を与えず、少しずつ駒損も回復。あわや千日手指し直しかという局面もあったが、阿久津六段側が打開。
郷田九段が、飛び道具の桂馬で王手をかけると、堅い守りの阿久津陣も一気に危うい状況に。お互い攻守を入れ替えながら相手陣に迫るが、最後は、郷田九段が懐の狭くなった阿久津玉を一気に即詰みの筋に追い込み、準決勝進出、3人めのベスト4入りに名乗りを上げた。
郷田九段の今後の7月の予定は、18日(金)が王座戦挑戦者決定トーナメントの準決勝木村一基八段戦、23日(水)が竜王戦決勝トーナメント準々決勝山崎隆之七段戦とタイトル挑戦に繋がる重要な対局が続く。
今後も勝ち星を重ね、王座戦、竜王戦の挑戦者となり、タイトルホルダーとなってほしいものである。
(*7月13日23時20分追記)地元である山陽新聞のホームページで再度確認したところ、JT日本シリーズ中国大会での佐藤二冠(棋聖・棋王)と郷田九段の対局の写真が掲載され「熱戦を制し、準々決勝へ駒を進めた佐藤二冠(右)と郷田九段」とのコメントが付されていることから、佐藤康光二冠が勝ったようである。
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