7月15日放送のNHK「プロフェッショナル-仕事の流儀」ライバルスペシャルで第66期将棋名人戦の森内俊之VS羽生善治戦が取り上げられる
新聞を見ていたら、NHK「プロフェッショナル-仕事の流儀」で第66期名人戦での森内俊之名人と羽生善治挑戦者の戦いぶりが、ライバルスペシャルという形で取り上げられるという記事が出ていた。
改めて、NHKのホームページを見てみると、放送予定は2008年7月15日(火)夜10時から。書かれている予告の内容を一部抜粋すると以下の通りだ。
二人は、同い年で同期。小学校4年生の時に将棋大会で出会って以来、20年以上に渡り共に戦ってきた「宿命のライバル」である。今回のプロフェッショナルは「ライバル」スペシャルと銘打ち、この2人の闘いに長期密着。
25才の若さで前人未踏のタイトル7冠全制覇を成し遂げ、常に将棋界をリードしてきた羽生と、将来を嘱望されながら結果を残せず、羽生に対する「劣等感」をばねに、強さを磨き続け、31才で初めてタイトルを獲得した森内。その後、羽生は森内に立て続けにタイトルを奪われ1冠にまで落ち込むなど、互いにきっ抗した戦いを続け、切さたく磨しあうなかで今回の名人戦を迎えた。
“光”と“陰”のように対照的な棋士人生を歩んできた二人が最高の舞台で、同じ対局、盤面(ばんめん)を前にどのように考え、互いを意識し、勝負に挑むか。二人の人生の歩みを織り込みながら、勝負師たちのドラマを描いていく。
羽生善治新名人は、この「プロフェッショナル-仕事の流儀」にちょうど2年前の2006年7月13日の第20回に「直感は経験で磨く」というタイトルで出演している。
この中で、彼が喋った「才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、情熱や努力を継続できる力だ」というフレーズは、20代から活躍し将棋界の第一人者として活躍する彼がトップの地位を維持し続けている理由を垣間見せた一言だったように思う。
いざ、我が身を振り返り、どれだけ仕事に情熱と努力を継続してきただろうかと反省させられる。
羽生名人が将棋界の顔としてたびたびマスメディアに取り上げられる一方で、将棋ファンとしては、森内俊之前名人はこれまであまり取り上げられることがなかった。今回の番組で、森内前名人の人間像がどれだけ語られるかも関心にあるところである。
いずれにしても、将棋ファンとしては見逃せない。
<追記2008.9.24>NHK「仕事の流儀」HPの7月15日放送分の紹介ページ
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コメント
拓庵さん、ご無沙汰しています。
去年の、森内十八世名人誕生の時には、各マスコミでこんな大々的な取り上げ方はされてなかったように思います。
どうも森内九段に気の毒なような、騒がれる羽生名人が一方的に十字架を背負わされているようで、これまた却って気の毒なような、複雑な思いでNHKの番組宣伝を見ました。
私のようなド素人には、摩訶不可思議な羽生名人の将棋(それはそれで面白いのですが)よりも、理に適った指し手が多い森内九段の将棋の方が分かりやすいので、もっと前名人にも前面に出て来て貰った方が、将棋の裾野を広げる分には良いのではないか、と思っています。
ところで、郷田九段は、将棋連盟の予定表を見る限りでは、本日7/12(土)、岡山でJT日本シリーズを佐藤二冠と戦って、明日7/13(日)、ネット最強戦で阿久津六段との対局です。羽生名人に限らず、物凄い強行日程ですねえ・・・将棋を指すのが仕事のプロとはいえ、もうちょっと棋士を大事にしないといかんのではないか、と思います。
投稿: ドクトル・ジバコ | 2008年7月12日 (土) 21時35分
ドクトル・ジバコ さん、コメントありがとうございます。
森内九段(前名人)は、もっと自らを語っていいと思うし、将棋連盟も、羽生・佐藤・森内の三強の対決のドラマ性を演出すればいいのにと思います。個人的には、そこに郷田九段が加わって、四天王と呼ばれるようになってほしいところです。
郷田九段のスケジュールは、最近、少しあいていたのに、この週末、日本シリーズとネット将棋最強戦と続くのは、おかしな組み方だと思います。
日本シリーズは岡山、ネット将棋最強戦は夜8時スタートなので、東京まで戻るのでしょうか。
日本シリーズは、もう終わっているはずなので、結果がすぐわからないのがもどかしいです。
投稿: 拓庵 | 2008年7月13日 (日) 06時28分
拓庵さん、たびたび失礼します。
ネット最強戦、形勢が二転三転する息詰まる攻防の末、郷田九段が勝ちましたね。最後は素人目にも鮮やかな勝ちっぷりでした。これだからこの人の将棋は目が離せないんだなあ、と思い、ついまたコメントを書いてしまいました。
しかし、日本シリーズ郷田九段対佐藤二冠が岡山とは、うっかりしていました。知っていれば、多少の無理をすれば見に行けたのに(嫁さんに怒られたかも知れません)。
この勝者と森内九段の対戦は見に行かれるので、楽しみにしているのですが、果たしてどちらが勝ったのやら・・・何しろ、向こう傷を負うのも返り血を浴びるのも一切厭わない佐藤二冠が相手、そこへ一刀流が斬り込むのですから、さぞや凄まじい戦いになったのではないかなあ、と想像しているんですが。このネット時代、対局の翌々日にならないと結果がわからないなんて、どうかと思いますねえ・・・
投稿: ドクトル・ジバコ | 2008年7月13日 (日) 22時00分
ネット最強戦の郷田九段対阿久津六段戦、私もネットで観戦しました。
ドクトル・ジバコ さんも書かれている通りで、最後の阿久津玉の仕留め方は、「鮮やか」のひとことでしたね。
二枚の角を筋違いで使い阿久津玉を追い詰め、相手の角打ちから自玉を守るために仕方なく打ったように見えた桂馬が最後に阿久津玉の逃げ道を封じていたのは、さすがでした。記事にも書きましたので、そちらもご覧いただければと思います。
日本シリーズの方は、郷田ファンとしては残念ですが、佐藤二冠が勝ったようです。
投稿: 拓庵 | 2008年7月13日 (日) 23時44分