将棋の第79期棋聖戦5番勝負第3局は、挑戦者の羽生善治名人が佐藤康光棋聖に勝ち、カド番をしのぐ
第1局で『ウェブ進化論』の著者梅田望夫氏が観戦記を書いたことで注目された今期(第79期)の棋聖戦も、佐藤康光棋聖の2連勝を受け、今日(2008年7月2日)が第3局。今日、佐藤棋聖が勝てば3-0で防衛が決まる。
一昨年度(2006年度)は、5期連続タイトル挑戦をしながらも羽生三冠(当時)には3タイトル連続で敗れた佐藤棋聖。しかし、5戦目の棋王戦で森内名人・棋王(当時)から棋王位を奪い、二冠となった。今年の年初の行われた棋王戦の防衛戦では、挑戦者となった羽生二冠(当時)に2勝1敗とリードされたところから、2連勝し、3勝2敗でタイトル防衛に成功した。
棋聖戦での2連勝とあわせ、佐藤棋聖にとって対羽生戦4連勝は、初めての事らしい。(羽生名人の側は、過去には対佐藤戦12連勝という記録もある。=「玲瓏:羽生善治(棋士)データベース」より)
将棋は、中原16世名人が第一人者として君臨していた昭和50年代には盛んにタイトル戦で戦われた相矢倉模様に。後手の佐藤棋聖側は、玉を矢倉の囲いの中に入れないまま、戦うという新趣向を見せたが、羽生名人の攻めに受けきれず、投了となった。勝てば防衛が決まるという大一番で、「一度はやってっみたかった」という新趣向を取り入れるあたりは「新手の佐藤」の面目躍如というところだが、そのような冒険が出来たのも、2連勝しているという余裕と、後手という不利な立場なので、勝てばよし、負けてもいたしかたないというシリーズ5戦全体の中での戦略だったのかも知れない。
次回第4局は、来週7月8日(火)に松山市で行われる。先手番となる佐藤棋聖にとっては、2勝2敗のタイに追いつかれる前に、有利な先手番で決めてしまいたいところ。防衛が決まれば、7連覇となり棋聖戦の歴史では、大山15世名人の記録と並ぶ偉業となる。
決めたい勝負で、「新手の佐藤」がどのような戦い方を見せるのか、楽しみである。
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