第56期王座戦五番勝負第1局は、羽生善治王座が挑戦者木村一基八段を破り、17連覇に向け好発進
今日(2008年9月5日)、東京で羽生善治王座が16年間タイトルを保持し続けている王座戦の第56期の五番勝負の第1局が行われた。
挑戦者は二次予選、挑戦者決定トーナメントを勝ち上がってきた木村一基八段。あわせて6連勝(二次予選:中田宏八段、豊川六段、挑戦者決定トーナメント:飯塚六段、久保八段、郷田九段、谷川九段)で挑戦権をつかんだ。
先日来、このブログでも書いているが2人は現在、第21期竜王戦の挑戦者決定三番勝負も戦っており、8月末から10月初めまで計8連戦の予定が組まれている。
羽生王座は1991年の第39期王座戦で挑戦者となり当時の福崎文吾王座から3連勝でタイトルを奪って以降、この王座のタイトルを16連覇しており、将棋界では同一タイトルの連覇としては最長記録となっている。16回のうち、9回は相手に1勝もさせずに3連勝で勝利しており、3勝1敗が4回、3勝2敗で最終戦にもつれ込んだのは16年間でわずか3回。羽生王座が初戦を落としたのは、わずか2回だけで、その2回は3勝2敗までもつれた。
短期決戦でもあり、挑戦者にとっては、まず、なんとか初戦に勝ち優位に立ちたいところだ。
将棋の内容は、後手となった木村八段の一手損角換わりの戦型に。しばし駒組みで膠着状態のあと、羽生王座が果敢に攻め、手持ちの角を木村陣に打ち込み、飛車を切って木村玉の守りの金を剥がし、その金をすかさず木村陣に打ち込み、相手の飛車の横効きを止め自分の打ち込んだ角に紐をつけ、橋頭堡を確保した。更に、逆サイドで「と金」作りに成功。木村玉を挟撃する態勢を整えた。
木村八段は、歩が成って「と金」となった瞬間に、羽生陣に飛車を打ち込み反撃開始。一時、棋譜中継の解説では木村八段が有利とのコメントも出たが、ここで羽生王座に攻防の角打ちが出て、その後は、羽生王座優勢となり、ほどなく木村八段の投了となった。
(棋譜は→こちら)
今年の王座戦五番勝負もも羽生王座が初戦をものにして、17連覇に向け好スタートを切った。
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