信じられない杜撰な社会保険庁の名寄せ、妻の「ねんきん特別便」を見て…。
先週金曜日(2008年9月26日)に、私の妻のところにこれまでの年金掛け金の記録「ねんきん特別便」が届いた。
開けて「びっくり」である。見事に記載漏れがあった。
たまたま、職場の上司や同僚との会話の中で、それぞれ最近になって奥さんあてに「ねんきん特別便」が届いたという話題が出たばかりだった。
私の上司の奥さんは、数年間、現在の合併会社のうちの1社に勤務した後、上司と結婚するために退職。数ヶ月後に結婚したとのこと。結婚後の3号被保険者(専業主婦)としての掛け金の記録は記載されていたが、結婚前に勤めていた時期の厚生年金の納付記録が一切記載されていなかったという。一応、上場企業で、人事部門が社会保険料の納付を忘れることは考えられないので、会社を辞めて厚生年金から国民年金に移った時の、引き継ぎ・名寄せがきちんと行われていなかったのだろう。
我が家の妻にも、まったく同じ事が起きていた。 我が家の職場結婚なのだが、妻が退職後、1年半ほどして結婚した。私の妻の場合は、退職日から結婚までが国民年金の1号被保険者、結婚後は国民年金3号被保険者としての納付が記録されているが、退職前の会社勤めの間の厚生年金の掛け金の記録がすっぽりと抜け落ちていた。
学校を卒業して就職してから転職もしておらず、1つの会社に勤め、退職後は国民年金の1号被保険者への変更手続きも行っている。離婚したり、途中、再就職して再び厚生年金に移ったわけでもない。また、妻の旧姓は、決して多い苗字ではないので、まともに名寄せをすれば分からないはずはない。
私から見れば、我が家の妻のケースは、昭和50年代から60年代に働き、結婚した女性のきわめて一般的なケースで、事務作業として最も簡単なケースとしか思えない。
その簡単なケースでさえ、社会保険庁の管理作業に中で、厚生年金から国民年金への切り替え・引き継ぎが行われていなかったとすれば、5000万件と言われた未統合の記録の中には、私の妻と同じようなかつて会社勤めをしていて、結婚して国民年金3号被保険者となった人の記録が多くあるのではないだろうか。
そんな「当たり前」のことさえ、できていない社会保険庁とは一体どんな事務処理体制なのだろうか。あんな内容の「ねんきん特別便」を見たら、まじめに働いてきた女性たちの怒りは収まらないだろう。
麻生内閣が誕生し、年内にも総選挙が行われると言われているが、あんな杜撰な「ねんきん特別便」を見たら、誰も戦後これまでほとんどの期間を政権党として日本の政治を担ってきた自民党には誰も投票しないだろう。決して、民主党が素晴らしい政党とも思わないが、年金問題の存在を明らかににした民主党政権で、社会保険庁改革を徹底的に行って欲しいという選挙民が増えてくるのではないかと思う。
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