サブプライム危機を分析する竹森俊平著『資本主義は嫌いですか』を読み始める
先週からの日本経済新聞の朝刊の「経済教室」では、米国の金融危機についての専門家の分析を載せているが、3回目の今日(2008年9月22日)は慶応大学の竹森俊平教授が書いていた。その中で自らの近著として言及されていたのが、本書『資本主義は嫌いですか』(2008年9月刊、日本経済新聞出版社)である。
サブプライム・ローン問題に端を発した、米国の金融危機は、おそらく1920年代の米国の大恐慌以来の経済危機であろう。サブプライムローンというハイリスクな貸付が、証券化という形で世界各国に輸出され破綻した。その影響は、米国に留まらず、広くヨーロッパに伝播しているし、日本の金融・証券関係も無傷ではない。我々のこれからの生活にも何の影響も与えないということはないだろう。
しかし、テレビのチャンネルを回すと登場する「日本でも大不況が到来、倒産が続出し、ボーナスは半減、年金の支給開始が遅くなる」との解説をする怪しげは経済評論家の言説には、本当だろうか?と首をかしげたくなる。
一方で、そのサブプライム・ローン問題の実像や、その原因や結果が、経済学の理屈から考えてどうとらえるべきなのかなどは、日々の仕事の中で、なかなかゆっくり考えている余裕がない。下手をするとその怪しげな経済評論家の言説に振り回される事になりかねない。
ここは、自分でもう少し勉強するしかないと、何冊か解説書を買い込み、真剣に読んでみることにした。
本書『資本主義は嫌いですか』は著者が序文で「なかなか筆が進まなかったところに、ある時、たまたま物語風の書き出しを試したところ、すらすらと筆が進み、一冊の本が書き上げられた。そにためこの本はサブプライム危機をテーマにした「物語の三部作」という形をとる」(『資本主義は嫌いですか』3ページ)と語っているように、物語仕立てで読みやすい。
金融技術に名を借りた投資銀行のマネーゲームに、どこか釈然としないものを感じていた私には、読んでいると「そうだよね、やっぱりおかしかったんだよね」と頷く部分が多い。
併せて著者の前著『1997年-世界を変えた金融危機』(竹森俊平著、2007年10月刊、朝日新書)、現役金融マンが書いた『サブプライム問題とは何か』(春山昇華著、2007年11月刊、宝島社新書)と続編にあたる『サブプライム後に何が起きているか』(春山昇華著、2008年4月刊、宝島社新書)を買い込んできた。
しばらく、朝の通勤電車での読み物は、サブプライム一色になりそうである。
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