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2008年10月の記事

2008年10月31日 (金)

将棋第21期竜王戦七番勝負第2局も挑戦者羽生善治名人が渡辺明竜王を破り2連勝

昨日(2008年10月30日)、今日(10月31日)の2日にわたり、北海道の洞爺湖畔で行われた第21期竜王戦七番勝負第2局は、先手番の挑戦者の羽生名人が渡辺竜王を破り2連勝とした。

相矢倉の将棋は、後手の渡辺竜王が端攻めを狙う展開。駒損と引き替えに、手番を持って先攻し、羽生玉の矢倉囲いをバラバラのすることには成功するが、一気に詰ますまでには至らない。一方、羽生玉と対峙する形の渡辺陣の左側6筋から9筋のの銀・桂馬・香車・歩が全て、飛車・角も捌けた反面、渡辺陣の6筋~9筋にスペースができたため、羽生名人はその空間に飛車を打ち込み、渡辺玉の矢倉囲いを横から攻める。
一時、羽生優勢と言われた局面を、渡辺竜王の頑張りで一手違いのところまでは挽回したものの、最後は羽生名人の寄せがまさり、渡辺竜王の投了となった。

これで、羽生名人の2連勝。自らが先手番で迎える第3局で、渡辺竜王が勝って、星をひとつかえせるかどうか。第3局も敗れるようだと、渡辺竜王の防衛もかなり苦しくなるだろう。
過去に羽生名人が登場したタイトル戦の結果について、「将棋タイトル戦」のホームページでざっと眺めて見ると、7番勝負の場合、羽生2連勝でスタートしたシリーズ挑戦であれ、防衛戦であれは全て勝利している。 5番勝負では、唯一棋王戦13連覇がかかった第28期棋王戦(2002年度)での挑戦者丸山忠久九段との5番勝負だけが、2連勝後、3連敗でタイトル防衛に失敗し、連覇が途切れている。

一方、渡辺竜王は前々期の第19期竜王戦七番勝負でも、挑戦者の佐藤康光棋聖(当時)に2連敗を喫しながら、その後3連勝。最終的にフルセットの末、4勝3敗で防衛した経験もある。今回、羽生名人を相手にそれが再現できるかどうか、渡辺竜王の真価が問われる。

第2局の棋譜は→こちら

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2008年10月30日 (木)

将棋の王将戦挑戦者決定リーグ戦が3回戦まで終了、2勝の佐藤康光棋王を2勝1敗の郷田真隆九段が追う展開

昨日(2008年10月29日)に、将棋の王将戦挑戦者決定リーグ戦の3回戦の第3局森内俊之九段vs丸山忠久九段戦が行われ、出だし2連敗のスタートだった森内九段が丸山九段の勝ち、1勝2敗とした。敗れた丸山九段も1勝2敗となり、全敗者がいなくなった。

順位 棋士 1 2 3 4 5 6 7
2 佐藤
棋王
2 0
森内
-
久保
丸山 深浦 高橋 郷田
5 郷田
九段
2 1
深浦

久保

高橋
- 丸山 森内 佐藤
5 深浦
王位
1 1
郷田

森内
- 高橋 佐藤 久保 丸山
5 高橋
九段
1 1 -
丸山

郷田
深浦 森内 佐藤 久保
1 久保
八段
1 2
丸山

郷田

佐藤
森内 - 深浦 高橋
3 森内
九段
1 2
佐藤

丸山

丸山
深浦 高橋 郷田 -
4 丸山
九段
1 2
久保

高橋

森内
佐藤 郷田 - 深浦

3回戦終了時点では、佐藤康光棋王が2勝でトップ。郷田真隆九段が2勝1敗で追いかける。4回戦は、佐藤棋王(2-0)vs丸山九段(1-2)、深浦王位(1-1)vs高橋九段(1-1)、久保八段(1-2)vs森内九段(1-2)の3組の対局が組まれており、郷田九段(2-1)は抜け番で休み。
佐藤棋王vs丸山九段戦で丸山九段が勝つと、全勝もいなくなり混戦模様となる。佐藤棋王が勝てば順位も上位であり、優位な立場に立つ。リーグ参加者7人中下位3人はリーグ陥落となる。
次の対局は11月4日の深浦王位(1-1)vs高橋九段(1-1)戦になる。

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2008年10月29日 (水)

第2回朝日杯将棋オープン戦2次予選、郷田真隆九段は初戦で島朗九段に敗退

今年、第2回を迎えた朝日杯将棋オープン戦も第2次予選が始まり、1次予選の勝ち抜き者とシードのA級棋士を交えた2次予選が始まった。郷田真隆九段も10月28日に2次予選に登場。1次予選を勝ち上がって来た島朗九段と対戦した。

後手となった島九段の一手損角換わりで始まる。双方持ち時間40分の将棋なので、途中からは1分将棋になり瞬時の判断が求められる。
郷田九段は島九段の玉を受けなしの状態まで持ち込んだものの、島九段が郷田玉の詰み筋に追い込み、郷田九段の投了となった。
郷田九段vs島九段戦の棋譜は→こちら

島九段には、前期の王位戦の挑戦者リーグ入りを賭けた予選2組の決勝でも苦杯をなめており、この対局の前までで通算対戦成績が郷田九段の9勝10敗。これで9勝11敗の2つ負け越しとなった。
この敗戦で、郷田九段の今期の戦績は28戦で15勝13敗、勝率0.5357。勝ち越してはいるものの、5月末から6月にかけての6連勝が大きく、7月以降は王座戦、竜王戦と挑戦者決定トーナメントの準決勝でいずれも木村一基八段に敗れたあたりから、やや調子を落としている感があり、その後は大きな連敗もないが連勝も2連勝止まり。気になるところである。
昨年度(2007年度)は、年間で49戦し、33勝16敗、勝率0.6735と2勝1敗ペースだったが、今期はそこまでいくのは難しいかもしれない。

今期残すところは、2勝2敗のA級順位戦があと5局、2勝1敗の王将戦挑戦者リーグがあと3局、挑戦者リーグ入りまであと3勝の王位戦予選の中田功七段戦が確定している。
A級順位戦で名人挑戦を決めた前々期(2006年度)は年間成績は38戦21勝17敗、勝率0.5526という成績だったが、7勝2敗でA級を制し名人挑戦者となった。残された棋戦に集中して、名人戦・王将戦での挑戦権獲得、王位戦での挑戦者リーグ入りを勝ち取ってもらいたいものだ。

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2008年10月28日 (火)

2008年10月の世界同時株式暴落を予言している小幡績著『すべての経済はバブルに通じる』

今日(2008年10月28日)の日本の株式相場は、午前10時過ぎに一時6994円90銭と前日の終値7162円90銭を更に▲168円 割り込み、1972年10月6日の終値で記録した6974円以来の7000円割れとのこと。なかでも、メガバンク3行は売り込まれ、売りの先導役を果たした。
しかし、午後の入り、先週は90円割れ目前だった円ドル為替相場が93円近辺で留まったこともあり、午後の相場は急反発、引け際にかけ急騰して、終値は7621円92銭(前日比459円02銭高)と先週末の7649円08銭近くまで戻した。

東証1部上場企業の連結ベースでの株価純資産倍率(PBR)は、0.87倍。前期の実績値に基づいた数値なので、今後の数字を約束するものではないとはいえ、現在の株式相場の水準は東証1部上場企業の平均値は、解散価値よりも10%以上低いということである。いくら、株式市場が将来を先取りして動くとは言え、今後の景気減速を織り込んでも、東証1部上場企業の平均値として、今期決算で自己資本を10%以上減らす赤字になるとは思われない。
一方、配当利回りは前期実績ベースで2.78%、今期予想ベースで2.80%。このような数値を冷静に見れば、むしろ日本の株は買われてもいいように思う。
端的に言って、10月以降の日本の株式相場は、いわゆるファンダメンタルズとは関係ないところで、売買されていると考えたほうが理解しやすい。

そのメカニズムを見事にあぶり出しているのが、今回の世界同時金融危機を扱った本の中でも、ヘッジファンドや投資銀行の行動原理に焦点を当てた小幡績著『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書、2008年8月刊)だと思う。

著者は、金融資本が、さらなる増殖をめざして、ありとあらゆる投資機会を求めてさまよう様を「キャンサーキャピタリズム(癌化した資本主義)」と名付け、投資機会が減少する中で金融資本が自己増殖のため更なるリスクを取らざるを得ず、それによって生じるバブルを「リスクテイクバブル」と名付けている。

金融資本はあたかも意志を持つかのように自己増殖し、当初は経済を活性化するように見える。しかし、一旦増えすぎると、それは、さらに過剰に増殖し、激しく機能しすぎることになる。増殖した金融資本は、投資機会を求めて世界中をさまよう。そして発見した投資機会において利益を実現し、投資機会を食いつくす。利益を得た金融資本は、さらに増殖することになるが、一方、求める投資機会は食い尽くされているから、枯渇する。
自己増殖を止めない金融資本は、投資機会を自ら作り出すことを求める。その成功により、金融資本はさらに増殖するが、実体経済には過度の負担がかかり、金融資本に振り回されることになる。ここに、本来、実体経済の発展を支える存在であった金融資本が、自己増殖のために実体経済を利用するという主客転倒が起きる。そして、これが最終的には実体経済を破壊し、金融資本自身をも破滅させるさせる結果をもたらす(『すべての経済はバブルに通じる』224ページ)

「キャンサーキャピタリズムにおいては、バブルの膨張、崩壊のメカニズムは構造的市場内部に組み込まれていた。そして金融資本の増殖に比例して、バブルの崩壊はより激しくなり、そして崩壊はさらに激しいものとなった。病は急速に進展していったのである。」(『すべての経済はバブルに通じる』240ページ)

著者は、今回の株式暴落に先立って2007年8月にサブプライム関連証券化商品の下落に端を発したフランスのパリバ銀行系のファンドが解約凍結を発表してからの世界的な株式市場の下落を「サブプライムショック」というバブル崩壊、2007年年末から2008年1月の米国のモノライン危機報道、2月の米国大手証券ベアスターンズ破綻・救済合併などとともに生じた株式市場の下落を「世界同時暴落スパイラル」と表現している。

本書は次のように締めくくられている。

今回のリスクテイクバブルの崩壊は、まだ第一次崩壊過程だと思われ、今後、幾度となく、キャンサーキャピタリズムは発症し、リスクテイクバブルは繰り返され、さらに別の形のバブルやそれ以外の発症があるであろう。
キャンサーキャピタリズムの完治はいつか。それは以外と遠いようで近い気もする。しかし、それまでには、これまで以上の激痛と悶絶を経なければならないだろう。すくなくとも、その覚悟だけは、我々は今からしておかなければならない。(『すべての経済はバブルに通じる』240ページ)

2008年9月15日の米国大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻はキャンサーキャピタリズムに冒された金融資本の末路だったと考えるべきなのだろう。そしてリーマン破綻に端を発した2008年10月以降の三度目の世界同時株安・同時暴落は、その破壊的な激しさという点で、実体経済に「これまで以上の激痛」を与えている。

『すべての経済はバブルに通じる』は、現在の世界同時金融危機を学ぶ図書として外せない1冊であると思う。

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2008年10月27日 (月)

将棋第29回JT杯日本シリーズ(2008年度)決勝は前回覇者の森下卓九段vs深浦康市王位の花村門下兄弟弟子対決が実現

一昨日(2008年10月25日)は、第29回JT杯日本シリーズの準決勝第2局が行われた。前回優勝の森下卓九段vs森内俊之九段という昨年の決勝と同じ顔合わせである。
森内九段の先手となった将棋は、相矢倉の戦いに。相矢倉はお互いが駒組みを玉の守りを固め、優位を確保するためのつばぜり合いが続くケースが多いが、中盤で後手の森下九段に、前期優勝時の指し回しを思い来させる思い切った角切りの鬼手が飛び出し、これをきっかけに一気に森内陣を突破。その後、森内九段の反撃もあったが、森下九段が押し切った。http://www.jti.co.jp/JTI/shogi/result/2008/3-2kyoku.html

すでに10月4日に行われていた準決勝1回戦、羽生善治名人vs深浦康市王位戦では、羽生名人の攻めをしのいで入玉に成功した深浦九段が、王位タイトル防衛に続き、羽生名人を降し、本棋戦初めての決勝進出を決めている。
http://www.jti.co.jp/JTI/shogi/result/2008/3-1kyoku.html

決勝戦は、前回(第28回)の優勝者である森下卓九段と七冠復帰を目指す羽生善治名人を相手に王位タイトルの防衛戦に勝利し、九段昇段も勝ち取った深浦康市王位の組み合わせとなった。奇しくも2人は、故花村元司門下の兄弟弟子である。また、森下九段が福岡県出身、深浦王位が長崎県出身と、九州出身棋士の対決ということにもなる。
日本シリーズの出場資格は、「前年度のJT杯覇者、当該年度の4月1日時点での公式タイトルホルダー(竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王・王将)、前年末での賞金獲得ランキング上位者の順で12名まで」というものであり、まさに選りすぐりのトップ棋士で争うものであり、タイトルホルダー以外は賞金ランキング上位者という点で、本当に将棋に勝って稼いでいる棋士ということになる。タイトルホルダー以外はA級棋士が中心にはなるが、今(第29回)大会では、現A級で過去優勝経験もある藤井猛九段や、やはりA級の三浦弘行八段、鈴木大介八段は選から漏れている。
まさに、現在、本当に強くて各棋戦で勝っている棋士12名の星のつぶし合いの中で、勝ち残ったことになる。

深浦王位の去年・今年の活躍は、昨年の王位戦で4勝3敗で羽生善治現名人から王位タイトルを奪い、今年再度の七冠制覇をめざしリターンマッチに登場した羽生名人を再度4勝3敗で破り、王位タイトル2連覇を達成したことだろう。今期(2008年度)は三度目のA級復帰も果たし、本棋戦の優勝とA級残留を決め、名実ともにトップ棋士としてもう一段の飛躍を果たしたいところだろう。
一方の森下九段は、昨年の本棋戦で下馬評を覆し、思い切った指し回しで、見事優勝した。大きな棋戦での優勝は1990年度の第9回全日本プロトーナメント以来、タイトル挑戦を見ても、第48期王将戦(1998年度)で羽生善治王将に4勝1敗で敗れたのが、最後であり、長年守ったA級棋士の座も第61期(2002年度)に2勝7敗で降級。第64期(2005年度)の復帰をはたすが、3勝6敗で1期で降級を余儀なくされた。戦績的には、すでに過去の人になりつつあった森下九段の復活は印象に残るものであった(本ブログ:2008年1月5日: 将棋の森下卓九段の中年クライシス)。過去28回の歴史の中、谷川九段と郷田九段の2人しかいないという本棋戦の連覇を果たし、昨年の優勝がフロックでなかったことを示したいところである。l

11月22日に行われる決勝は、兄弟弟子対決ことですでに話題だと思うが、上述のようにどちらが勝っても、ドラマがある。まさに、第21期竜王戦第1局の【梅田望夫観戦記】で語られた「人間が人間と戦う将棋の面白さ」(第21期竜王戦第1局【梅田望夫観戦記】(2))ではないかと思う。

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2008年10月26日 (日)

27回忌に短歌で知る亡き祖父の思い

今日は、母方の祖父の27回忌と祖母の7回忌の法事だった。祖父が亡くなったのは、私が大学4年の年の秋。就職が内定し、ほっとしていた時だった。祖父は、明治生まれで、80歳を超えても元気で、特にこれといった持病もなく、最期は老衰だった。孫から見る祖父はいつもにこにこした優しい「おじいちゃん」であった。

母の家族は亡くなった祖父母に三姉妹。母は次女。三姉妹はそれぞれ結婚し、それぞれに3人、3人、2人と子どもが生まれたため、祖父母の孫は8人になった。

今日の法事には、三姉妹と2人の夫(私の父は亡くなっている)、8人の孫のうち5人、その子(曽孫)が7人、孫の夫と妻が1人ずつ、祖母の妹、三姉妹の従姉妹2人の計22人が集まった。

高尾にある都の霊園で読経のあと、八王子の和風レストランで会食。その場で、祖父母と一緒に暮らしていた叔母が二冊の糸綴じの冊子を披露してくれた。タイトルが「雑詠草」。悠々自適の暮らしとなった祖父が日々の思いを、短歌や俳句に詠んだものだった。

その中に、母が3人目の子(私の弟)を妊娠し、私が小学校に入学することを詠んだ短歌があった。

三たび目の出産近し母子(ぼし)ともに 安かれと祈る筑紫路の空

うましまごすくすくのびて此の春は 学びの庭に入(い)るぞ嬉しき

このとき、学びの庭に入ることを祖父によろこんでもらった私も今年4回目の年男を迎えた。このような短歌が残っているとは思いもしなかったので、驚いたし、嬉しくもあった。
私の就職が決まった直後に祖父が亡くなったと知った時、自分の中で、もう子どもではいられないのだと思ったものだ。
今の私の姿を、祖父はどう見ているのだろうか。恥ずかしくない生き方をしなければと、改めて思った一日だった。

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2008年10月25日 (土)

底が見えない世界同時金融危機を生き抜いて行く方法、第21期竜王戦の【梅田望夫観戦記】から

昨日(2008年10月24日(金))の日経平均株価の終値は、とうとう8,000円を割り込み、7649.08円で引けた。10月7日(火)には10,155.90円とまだ1万円台を何とか確保していたが、それから3週間ほどで一気にほぼ▲25%下落したことになる。
今回の世界同時金融危機の最後の引き金を引いた形になったリーマンブラザーズの破綻が9月15日。その直前の9月12日(金)の日経平均株価は12,214.76円。そこからの1ヵ月余での下落率は▲37%である。

【日経平均株価】2008年9月以降


円・ドル相場も日本で一時1ドル=95円台をつけて1995年8月以来13年ぶりというニュースで流れていたと思ったら、ロンドン市場では一気に円高が進み一時1ドル=90円台を記録したという。

【円・ドル為替相場】2008年9月以降


余りにも急な市場、相場の動きをなすすべもなく、呆然と見ているというのが偽らざるところである。ささやかながら個人資産として保有している株式はみるみる値下がりし、1年前と比べると半値になってしまった。
こんな時は、じたばたとあわててもしかたがない。株式も含み損ではあるが、売らなければ実現損にはならない。そこが時価会計を求められない個人の気楽なところではある。

第21期竜王戦第1局の観戦記を書いた梅田望夫氏が「正しいことが正しく行われている街で」と題した初回の観戦記の中で、次のように書いている。

個人の手に負えないほど大きなことが周囲で起きたときに、私たち一人ひとりにできることはそれほど多くないということである。もちろんサバイバルのためにベストを尽くすのは大切だ。でも、そんなことばかりを365日24時間考え続けながら生きることは、私たちには到底できないのである。
テロが起きても、戦争が始まっても、世界経済が音を立てて崩れようとも、私たちは、毎日の生活の潤いや楽しみを求めて、音楽を聴いたり、小説を読んだり、野球を観たりしながら、精神のバランスをとって、したたかに生きていかなければならないのだ。文化は、その時代が厳しくなればなるほど、人々の日常に潤いをもたらす貴重な役割を果たすものなのである。
(第21期竜王戦第1局竜王戦【梅田望夫観戦記】(1)「正しいことが正しく行われている街で」より)

「世界経済が音を立てて崩れようとも、私たちは、(中略)精神のバランスをとって、したたかに生きていかなければならないのだ」。
株式が何%下落しようと、円ドル為替がどれだけ円高になろうと、我々は日々生活していかなければならず、それは、過去の歴史の中でも、何回となく繰り返されてきたことだろう。我々の系譜を祖先に向けて遡っていけば、どこか戦争や恐慌などに巡りあって来たはずである。しかし、祖先たちが「精神のバランスをとって、したたかに生き」抜いたからこそ、自分はいまここにいるのだと考えれば、世界の人々は皆危機を生き抜いてきた人々の子孫の集まりということになる。
その、脈々と危機を生き抜いてきた血が自らの中にも流れているのだと、開き直って、音楽を聴き、読書をし、時にパソコンのソフトの上で贔屓のプロ棋士の将棋の対局を眺めたりしながら、周りに踊らされることなく、したたかに生きていくことが、必要なのだろうと思う。

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2008年10月24日 (金)

第58期王将戦挑戦者決定リーグ3回戦で郷田真隆九段初黒星

昨日(2008年10月23)行われた将棋の第58期王将戦挑戦者決定リーグ戦3回戦で、郷田真隆九段は高橋道雄九段と対戦し敗れた。
郷田九段は2勝1敗、高橋九段は1勝1敗となった。(速報)

その昨日のお昼時のこと、仕事で外出した私は、出先で一仕事終え、地下鉄でオフィスに戻る際、駅の売店で300円を出し、将棋の専門新聞である「週刊将棋」の10月22日号を買った。竜王戦七番勝負の第1局の結果が出ていると思って勝ったのだが、まだ載っておらず、あてが外れたと思いながら、ページを開くと王将戦の挑戦者リーグの2回戦郷田九段vs久保八段戦の記事が出ていた。「大乱戦の末、郷田2連勝」といった見出しだったと思う。これが読めれば、300円払った甲斐があると思いながら、改めて新聞を開き、読み始めようとした時だった。

ちょうど列車は次の駅に着き、ドアが開いた。ドアのそばに立っていた私の横を1人の中年男性が通り過ぎ、足早に降りて行った。その時、彼の体が、私の持っていた「週刊将棋」に触れた。それほどしっかりと握っていたわけでもなかった私の手から、「週刊将棋」はたき落とされ、ちょう今まさに閉まろうとしているドアとホームの間の隙間に滑り込むように落ちていった。自分が私の新聞をはたき落としたと知った男性は「すいません」とひと言いったが、なすすべもなかった。私は、文句をいう気力もなく、呆然と線路に落ちた新聞を眺めているだけだった。ドアは閉まり、列車は発車した。その間、ものの30秒ほどだったろう。

一緒に乗っていた上司と同僚は、300円を一瞬にして落としてしまった私をどう慰めたものか、思いあぐねていたようで、「普通は、あんな狭いところに落ちることはないよね」とつぶやき、私は「人が乗り降りするドアのところで、新聞を開いていた自分も悪いですから、仕方ないです」と言い訳をするしかなかった。

郷田ファンの私として、おそらくちょうど郷田九段vs高橋九段戦のさなかに、前回の郷田九段vs久保八段戦での郷田九段勝利の記事を読もうとしたまさにその時に、その新聞をホームとドアのわずかな隙間に落としてしまったことは、何とも後味の悪いものだった。もちろん、そんな事で、郷田九段が負けたわけはないのだが、今朝携帯電話で将棋連盟のホームページにアクセスし、冒頭に書いた郷田敗戦の報に接した時、「やっぱり、負けたか」と思ったのも事実である。

ファンとしては、贔屓の棋士の足を引っ張るようなまねだけは、慎まなければと深く反省した次第である。

これで、王将戦挑戦者決定リーグでの負けなしは、1回戦で森内九段を破り、2回戦が抜け番で休みの佐藤康光棋王だけになった。その佐藤棋王(1勝0敗)は26日に久保八段(1勝1敗)と対戦し、29日には3回戦の3局め森内九段(0勝2敗)と丸山九段の対戦がある。郷田九段が2勝1敗となったことで、王将戦の挑戦者争いも順位戦同様混沌としてきた。郷田九段には、残る3局(4回戦:抜け番で休み、5回戦:丸山九段、6回戦:森内九段、7回戦:佐藤棋王)を全勝で走り抜け、挑戦権を手にしてほしいものである。

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2008年10月23日 (木)

倉都康行著『投資銀行バブルの終焉』を読み終わる

サブプライム問題に端を発した世界の金融危機に関する本を何冊か読んできたが、知人のmacky-junさんのブログ「神楽坂のキャピタリスト」の中で紹介されていた倉都康行著『投資銀行バブルの終焉』(日経BP社)を読んでみた。

著者は、旧横浜正金銀行を引き継いで誕生した東京銀行(1996年三菱銀行と合併し、現在の東京三菱UFJ銀行)の香港、ロンドン支店勤務の後、米国のチェース・マンハッタン銀行に移り「内外の証券や金融派生商品などのディーラーや商品開発という、市場部門での仕事を長く担当してきた」(『投資銀行バブルの終焉』15ページ)と自ら紹介しているように、金融の現場で、投資銀行の隆盛を見続けてきたビジネスマンである。

預金を集め、それを貸出に回して預金金利と貸出金利との利鞘で利益ろあげる商業銀行に対し投資銀行は企業の発行する債券や株式を引き受けて投資家に販売し、引受手数料や販売手数料で収益を上げる。日本で言えば証券会社に当たる。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、メリル・リンチなどが大手である。今回の金融危機の中で経営が悪化し2008年5月にJPモルガン・チェースに救済合併されたベアー・ズターンズは米国第5位、2008年9月に経営破綻したリーマン・ブラザーズは米国4位の投資銀行だった。

本書は、その投資銀行が隆盛を極め、しかしその飽くなき利益追求の果てに、サブプライムローンの証券化というビジネスにのめり込み、破綻していったかを描いている。(この本が書かれた時点では、リーマン・ブラザーズはまだ破綻に至っていなかったが、破綻もやむなかったというのは、本書を読むとよくわかる)

今回の金融危機は、詳しく調べれば調べるほど、まさに欧米を中心とした世界の金融機関での信用バブル、金融バブルであるということが見えてくる。金融機関が自らの利益確保のために、金融工学を駆使し、従来の金融の常識を逸脱してリスクをとり、破綻するか破綻寸前に追い込まれるところが続出している。そのリスクテイクは、主に投資銀行を中心とした金融の世界の中で行われてきたことではあるが、しかし、投資銀行とともに今回の騒動の主役でもあり被害者でもある商業銀行は、自己資本比率規制というルールに縛られている。
一定規模の貸出資産を維持するには、一定規模の自己資本を維持しなければならない。証券化商品の評価損・売却損がかさみ、多額の赤字を計上し、資本が毀損するとその資本の減価分に見合う貸出資産を減らさなければならない。それは、貸出先から貸出金を回収するということであり、ここにいたって金融機関の世界でのマネーゲームの結末が、貸し渋りという形で実態経済に影響してくる。

まだまだ、回復への道のりは長いだろう。

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2008年10月22日 (水)

たくきよしみつ著『デジカメに1000万画素はいらない』を読んで、自分のカメラ・デジカメ遍歴を振り返る

講談社現代新書の2008年10月の新刊たくきよしみつ著『デジカメに1000万画素はいらない』を読んだ。デジカメを取り上げた新書などが出ると、つい買ってしまう。

詳細は省くが、本書では、画素数が多ければいい写真が撮れるわけではないことを説明し、機材の選択では画素数だけでなく、レンズの明るさも大切であるこを強調し、あとはフィルムカメラと違って失敗が許されるデジカメの性質を活用して、たくさん撮って、その中から気に入ったものを選ぶということを勧めている。

デジタルカメラを使い出したのは10年ぐらい前だろうか。仕事で富山勤務だった頃。最初に買ったのは、コダックのDC20(27万画素)というおもちゃのようなデジカメだった。まだ、内蔵されたわずかな容量のメモリー(1MBB)エリアに画像を記憶し、ケーブルでパソコンにつないで転送するという方式だった。

「DC20」


当時は、まだフィルムカメラの全盛期で、家族のポートレートや風景写真もキヤノンの低価格一眼レフEOS(撮影中転んで地面に落とし壊してしまった)や、オリンパスのAPSフィルムカメラ「Centurion」(EOSの後継機として購入)を愛用していた。

「Centurion」


1995年12月から2000年10月までの富山勤務の間、キヤノンの35万画素機(PowerShot 350)、コダックの100万画素機(DC215)と買い換え、フィルムカメラをメインにしつつも、デジカメでも撮るという時期が続いた。

「PowerShot 350」


「DC215」


2000年10月に富山から東京に戻り、その後は、高画質・高倍率ズーム機にメイン機と手軽に撮れるサブ機を分けて持つようになった。フィルムカメラで撮影する機会は減り、デジカメが我が家の節目を節目を記録するカメラになった。
メイン機は、オリンパスC2500L(250万画素・3倍ズーム)、ニコンCOOLPIX5700(500 万画素・8倍ズーム)を経て、現在は2006年2月に発売された600画素12倍ズームのパナソニック「LUMIX DMC-FZ7」(2006年2月発売)になった。

「C2500L」


「COOLPIX5700」


「LUMIX DMC-FZ7」


サブ機は、今はデジカメ業務をソニーの売却してデジカメ生産から撤退してしまったコニカミノルタのミノルタ時代の「DiMAGE X」(211万画素、2002年1月発売)を経て、その後継機のコニカミノルタの「DiMAGE Xg」(320万画素、2004年2月発売)を使っている。
「DiMAGE X」のシリーズは、カメラらしからぬ四角いボディに3倍ズームレンズが納められていて、ポケットに入れもかさばらずに持ち歩けるので、手放せない。いまや携帯電話のカメラも200万画素が当たり前だが、やはりカメラメーカーがまじめに作ったものは製品の質が違うように思う。

「DiMAGE X」


「DiMAGE Xg」


しかし、結局、いつまでたっても、露出を変更してよりよい写真を撮るというところまでレベルアップしなくて、各カメラにデフォルトで設定されているフルオート撮影ですませてしまっている。
『デジカメに1000万画素はいらない』を読んで、もう一度、「LUMIX DMC-FZ7」と「DiMAGE Xg」の取扱説明書を箱から出して、まじめに読んでみようかと思っている。

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2008年10月21日 (火)

第21期竜王戦第1局【梅田望夫観戦記】を読んで「人間が人間と戦う将棋の面白さ」を考える

永世竜王位を賭け戦いとなった将棋の第21期竜王戦第1局のパリ決戦は、挑戦者の羽生善治名人が初戦勝利で、永世竜王に向けて一歩前進したが、この第1局のもう一つの話題が、2008年6月の棋聖戦第1局に続き、『ウェブ進化論』などの著者梅田望夫氏の観戦記である。
1960年生まれの梅田氏は、かなりの将棋好きで、梅田氏のブログにもウェブ関連の話題に交じって、よく将棋の話題が登場する。よく古今東西の棋書を読んでいるし、長年にわたり将棋界の変遷を見ているし、順位戦やタイトル戦などの主要な対局も時間があるときは、自ら棋譜を並べ、素人の域を超えた棋譜鑑賞をされているようだ。
その将棋に対する造詣の深さを下敷きに、『ウェブ進化論』などの著作でみせた表現力で観戦記を書くので、並の観戦記者の書く観戦記の及ぶところではない。将棋連盟にとっては、願ってもない応援団といえるだろう。

梅田氏は今回の2日間を観戦して計13回の観戦記を書いているが、第2回に「人間が人間と戦う将棋の面白さ」と題して、渡辺明竜王のことを語っている。梅田氏は渡辺竜王が書いた『頭脳勝負』(ちくま新書)の帯に推薦文を書くため、ゲラ段階で読んだことを紹介し、渡辺竜王の話を通じて、自らの将棋界への見方も語る。

誤解を恐れずにいえば、これまでの将棋界は、「将棋が好きなら、将棋を指してください。そして強くなってください。将棋の強さで、将棋への愛をはかりますよ」というところが強かったと思う。
トーナメント・プロの世界はもちろんそれでいい。(中略)
将棋の未来を切り開いていくためには、「指さない将棋ファン」「将棋は弱くても、観て楽しめる将棋ファン」を増やさなくてはいけない。渡辺さんはそう考えて「頭脳勝負」という本を書いた。さらにこの「頭脳勝負」という本は、対局者の心理戦の面白さを描き、「人間が人間と戦う将棋の面白さ」とは何かを突き詰めたもので、人間と人間が戦う最高峰の将棋の魅力は将棋のことをあまりわからない人でも十分に楽しめるものなのだという渡辺さんの願いがあらわれていた。(以下略)
(【梅田望夫観戦記】 (2)「 人間が人間と戦う将棋の面白さ」より)

“将棋の未来を切り開いていくためには、「指さない将棋ファン」「将棋は弱くても、観て楽しめる将棋ファン」を増やさなくてはいけない。”という部分は渡辺竜王の思いであり、梅田氏の思いでもあるだろう。
私は、自分は特に誰かと将棋が指したいとは思わないが、日本の中の一握りの天才たち150名がしのぎを削る世界での、頼るものは自分の力だけという、究極の実力の世界、自己責任の世界での、天才たちの生き様に興味があって将棋を見ている。彼らは、負けても他人のせいにはできない。負けは、自分の力が相手の力に及ばなかったという冷徹な現実が自分に突きつけられるだけの話である。そういう勝ち負けでしか評価されない世界で、その厳しい世界で生きている棋士たちの戦いの記録である「棋譜」は、棋士の生き様の記録でもあり、難しい局面に成った時、自分ならどう指すだとうかと考えたり、そこに表現される棋士の個性に魅力を感じて見ているようなものだ。

今の日本社会で声高に求められている自己責任というものをプロ入りを目指した時から、ずっと背負ってきている150人の天才たち。しかし、その150人も、タイトルを獲れる一握りのスーパーエリートとそれに取って代われる実力を持つ10名ほどのトップ棋士を頂点に、勝負に現れた言い訳のできない、したところで意味のない、階層社会が形成されている。その中で、どう生き抜いていくかは、一人ひとりの個性の表れるところだろう。

プロ将棋が、端的に言ってしまえば、スポンサーの賞金によって成り立つ興業(見せ物)である以上、それは、また、より多くの人に感心も持ってもらってこそ、成り立ち、発展する世界であろう。そこをよくわかっている渡辺竜王は、梅田氏が観戦記の中で書いているように将棋界の次世代を担うリーダーに相応しいといえるのだと思う。

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2008年10月20日 (月)

西島三重子のワーナーパイオニア時代の新しいベスト盤『西島三重子スーパーベストコレクション』を購入

学生時代によく聴いていた歌手西島三重子の曲を改めて聴くようになって半年ほど。私がよく聴いていたのは1980年前後ということで、当時はまだアナログレコードの時代。買い揃えたのは全てLP。彼女は、デビュー時に所属していたワーナー・パイオニアからテイチクに移籍した直後だった。
以前もこのブログに書いたが、彼女自身の年齢の変化もあると思うが、ワーナーパイオニア時代の曲は「女学生」のイメージ、テイチクに移ってからは「大人の女」に少し軸足を移した曲に感じられた。私は自分がまだ学生だったせいもあって、ワーナーパイオニア時代の5枚のLPが特に好きで何度も聴いたものだ。

その後、社会人になってほどなくすると、音楽はCD中心の時代に変わる。もう少し後に登場した歌手であれば、LP音源をCD化したものが発売されたようだが、西島三重子のLPはワーナー・パイオニア時代、テイチク時代を含めて1枚もCD化されなかった(と思う)。結局、今、CDで入手できるのは、各レーベルの音源を中心にまとめたベスト盤だけで、こんなタイトルの曲もあったはずと思っても、聴くすべがない。

先日、実家の母親に私が学生時代に買い揃えた彼女のLPが残っているはずと探してもらったが、「見つからないよ」との返事。USBでパソコンに繋ぐレコードプレヤーでLPをCD化することも、元のLPがなくては難しい。

あとは、音源を持っているはずのワーナー・ミュージックにCD化して再発売してもらうしかないが、そんな気配もまったくない。ところが、たまたまパソコンで検索をしていたら、新しく「西島三重子 スーパーベスト・コレクション」というワーナー・パイオニア時代の曲から16曲を選んだベスト盤が発売されて間もないことがわかった。
アマゾン、楽天市場で取り扱っていたので、楽天市場で注文し今日届いた。収録曲は以下の通り。

西島三重子 スーパーベスト・コレクション

1. 池上線、2. のんだくれ、3. 鬼無里の道、4. ジンライム、5. 1460日、6. 目白通り
7. 星めぐり、8. 仮縫い、9. 想い出づくり、10. かもめより白い心で、11. 水色の季節の風、
12. かげろう坂、13. ラブ・ソング、14. びしょぬれワルツ、15. 千登勢橋、16. 冬のかもめ

おなじみの「池上線」や「千登勢橋」に混じって、「鬼無里(きなさ)の道」、「目白通り」、「かげろう坂」、「ラブ・ソング」の4曲は初めてCD化された。

現在、アマゾンに注文すると「3~5週間」かかると表示されている。楽天市場(そふと屋)の方は、先週金曜日に注文したら、今日(月曜日)に届いた。

楽天市場そふと屋
http://item.rakuten.co.jp/softya/wqcq-160/

西島三重子ファンで、初CD化の4曲を聴きたい方は、注文されてみてはいかがだろうか。

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第21期竜王戦七番勝負第1局パリ決戦は、挑戦者羽生善治名人の勝利

昨日は終局まで見届ける元気が残っておらず、今朝、起きたところで、竜王戦第1局の棋譜を確かめる。結果は、後手の羽生名人が92手目を指したところで、渡辺竜王が投了している。パリ時間で19日(日)の18時15分。日本では今日20日(月)の1時15分と記されている。

棋譜と中継ブログにざっと目を通した限りでは、羽生名人の大局観の勝利。自らの強さ、格の違いを14歳年下の渡辺竜王に見せつけたという印象を受ける将棋だった。
後手羽生名人の一手損角換わりの戦型に対し、矢倉から穴熊に組み替えて自玉の守りを堅めた渡辺竜王が、2筋の突破に成功し、手持ちの角を▲2三角と打ち込んで角と金・桂馬の2枚替えの上、飛車成りに成功して、序盤から中盤の駆け引きでは素人目には明らかに渡辺竜王優勢に見える展開だった。その後、羽生名人が放った攻防の△6四角打ちに渡辺竜王が長考。感想戦で、渡辺竜王が「角を打たれてみて、(自分の側に)手がないので唖然とした」と語っているように、ここからは羽生名人ペースだったようだ。
よく要所要所で相手の意表を突いて形勢を逆転させる羽生名人の勝負手に「羽生マジック」という言葉が使われるが、渡辺竜王としてもこれと言った悪手を指した訳でもないのに、羽生名人の完勝だったという意味でこの1局全体が「羽生マジック」のようにも見える。

永世竜王位を賭けた大勝負の初戦は挑戦者羽生名人が勝ち取り、永世七冠に向け大きな一歩を記した。先手番の第1局を完敗で落とした渡辺竜王は、どう立て直してくるだろうか。今後の展開から目がはなせないシリーズになりそうだ。

第1局の棋譜
http://live2.shogi.or.jp/ryuou/kifu/081018.html
竜王戦中継ブログ
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/

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2008年10月19日 (日)

永世竜王位を賭けて渡辺明竜王と羽生善治名人が激突する第21期竜王戦七番勝負始まる

いよいよ、将棋界の今年一番に注目の対決、竜王位5連覇で永世竜王位を目指す渡辺明竜王と竜王位通算7期獲得で永世竜王位を目指す羽生善治名人(四冠)が戦う第21期竜王戦七番勝負が始まった。
初戦は、昨日(2008年10月18日)フランスのパリで始まった。竜王戦は2年に1回七番勝負の初戦を海外で開催していて、2年前の第19期竜王戦の渡辺竜王vs佐藤棋聖(当時)の初戦はアメリカ・サンフランシスコだった。

渡辺竜王のこれまでの竜王4連覇は、最強世代と言われる羽生世代との戦いだった。2004年の第17期竜王戦で五段でランキング戦4組で優勝。挑戦者を決める決勝トーナメント進出を果たすと、森雞二九段(3組2位)を皮切りに、準々決勝で1組優勝の谷川浩司王位・棋王(当時)、準決勝で屋敷伸之九段(1組3位)を破って決勝である挑戦者決定3番勝負に進出。そこでも、1組2位で決勝に勝ち上がってきた森下卓九段に2連勝して挑戦者となった。
挑戦者となって六段に昇段し、最強世代の一人森内俊之竜王(当時は名人・王将を併せ持つ三冠)に戦いを挑んだ。第7戦までもつれ込む戦いとなったが、第7戦に勝利して竜王位を獲得。
初防衛戦だった翌年の第18期(2005年)では木村一基七段(当時)に4連勝で初防衛。その後2年間は、最強世代の中でで羽生に次いで永世称号(永世棋聖)を獲得して好調の佐藤康光棋聖の挑戦を受けるも、第19期(2006年)は4勝3敗で、第20期(2007年)は4勝2敗で防衛を果たした。

そして、最強世代のしんがりで登場したのが、最強世代のリーダー羽生名人である。渡辺竜王が羽生名人の挑戦をも退けて、名実ともに最強世代の後継者となるのか、まだまだ自分(たち)の時代が続くと羽生名人が竜王位を奪還し、五冠を手にするのか。

パリとは時差があるため、まだ勝負は途中。19日の日本の午後8時現在、パリは2日めの昼食が終わったところ。初戦の勝負が決まるのは、日本時間では20日になってからだろう。

第21期竜王戦七番勝負第1局の棋譜
http://live3.shogi.or.jp/ryuou/kifu/081018.html
竜王戦中継plus(中継ブログ)
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/

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公認不正検査士(CFE)試験終了

2日間にわたって受験した公認不正検査士の試験が終わった。
昨日(10月18日)午前が「財務取引と不正スキーム」、午後が「不正の法的要素」、今日(10月19日)午前が「不正調査」、午後が「犯罪学と倫理」の計4科目。

試験は、問題に対して4択か2択(正誤問題)でマークシート式で2時間で125問。各科目の合格ラインは正答率75%と言われていて、 125×75%=93.75となるので、合格ラインは各科目94問正解ということになる。逆から見れば、31問までは落としても大丈夫ということになる。

1日めの昨日は、午前中の「財務取引と不正スキーム」はテキストが最も厚く、内容も多い。4科目あるものの、テキストや問題集のボリュームは、この「財務取引と不正スキーム」1科目と他の3科目の合計が同じくらい。1週間の仕事の疲れが出たのか、試験中、一瞬眠くなることが数回あり、75%を確保できたかあまり自信がない。
1日め午後の「不正の法的要素」は不正に関する法律が中心。不正検査士資格そのものは、米国の制度を輸入してきたもので、日本の協会も米国本部の支部に位置づけになるようで、資格も最終的には米国に申請する。この「不正の法的要素」科目も日本に試験が導入された当時は、米国の法律の説明だったようだが、現在のテキストは刑法を中心とした日本の法律の解説が追加され、試験の内容も日本の法律に合わせて出題された。午前中の「財務」よりはましなのではないかと思うが、どうだろうか。

昨日は、試験から戻って我が家で最後のあがき。今日の午前の「不正調査」の模擬問題集289問をもう一度一通りやる。しかし、午後の「犯罪学と倫理」までは手が回らなかった。

今日2日め午前の「不正調査」は、最後のあがきをやっていなければ、散々だったと思う。とは言え、75%をクリアできているかどうかは、これも自信がない。しかし、解答できるかどうかは、知っているか知らないかでしかないので、わからないところは一番可能性のありそうな番号をマークするだけ。
各科目とも試験時間は2時間だが、開始から1時間経過後は退出可能。午前の「不正調査」は解答記入とマーク漏れマークした番号の間違いがないかだけを確認し、11時過ぎには解答を提出していったん試験会場から退出。近くの上野公園で弁当を急いで食べて、公園の中の喫茶店に席を確保して、最終科目の「犯罪学と倫理」対策。
模擬問題集は4科目で1300問ほどあるのだが、一枚のCD-ROMに収まっていてパソコンがないと話しにならない。今日は、昨日の夜やりきれなかったこともあって、ノートパソコンもリュックに入れて会場まで持って行った。喫茶店では、やおらノートパソコンを取り出して、1問でも多く問題を解く。間違ったところは、テキストで確認しながら。それでも喫茶店で50分ほど、問題数にして50~60問程度は「最後の最後のあがき」をすることができた。

午後の試験開始時刻13時の20分ほど前に会場に戻る。13時からは最後の科目「犯罪学と倫理」。これも、昼の喫茶店での「最後の最後のあがき」をしていなければ、まったく手も足もでなかったと思うが、最後の頑張りでなんとか格好がついたのではないかと思う。

各科目の合否の判定は1ヵ月後の11月18日発送とのこと。四科目全て合格となれば、実務経験が2年あれば、晴れて公認不正検査士(CFE)資格を申請することになる。一部科目のみ合格の場合は、残り2回(1年)の試験で残った科目に合格する必要がある。
来月、どんな結果が送られてくるだろうか?
いつも、試験ギリギリになってあたふたして、もう少し前からちゃんと勉強しておけばよかったと思うのだが、なかなか行動パターンは変えられないものである。

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2008年10月18日 (土)

第50期将棋王位戦予選、郷田真隆九段が田丸昇八段を破り、挑戦者リーグ入りまであと3勝

将棋の7つのタイトルは、それぞれ挑戦者決定までの仕組みに工夫を凝らし、特色を出している。
将棋界で最も伝統あるタイトルである名人位の挑戦者を争えるのは、ピラミッド型の階層構造に成っている順位戦のA級棋士10人だけであり、毎年を行われる順位戦でC級2組-C級1組-B級2組-B級1組とそれぞれで勝ち上がってA級にたどり着けなければ、名人に挑戦することさえできない。約150人のプロ棋士の中で、頂点に君臨する名人への挑戦を目指し、A級棋士10名が毎年厳しい戦いを繰り広げる。しかしA級にまでたどり着くことなくプロ生活を終える棋士が大部分であり、多くの棋士のとって名人への道は遠い。

他のタイトル戦でも、タイトルホルダーやA級棋士がシードされるケースが多いが、その中で王位戦は、全棋士を8つのグループに分けてトーナメントを行い、それに勝ち残った8人が、王位戦挑戦者を争う紅白のリーグ入りする。紅白のリーグの定員は各6名の計12名。予選勝ち上がり組8人と前期の紅白各リーグの上位2名のリーグ残留者で新しい期のリーグ戦を行い、紅白のリーグの勝者が、挑戦権を賭けて戦う。
順位戦で下位のクラスにいる棋士でも、他のタイトルホルダーやA級棋士と同列の扱いなので、実力さえあれば、王位のタイトルを取ることも夢ではない。

過去、1983年の第24期にはC級1組の高橋道雄五段が内藤国雄王位を破ってタイトルを獲得しているし、1992年の第33期ではC級2組の郷田真隆四段が谷川浩司王位を破ってタイトルホルダーとなっている。

一度は王位のタイトルに輝いた郷田真隆九段だが、2001年の第42期王位戦が最後のリーグ入りで、以後は挑戦者リーグからも遠ざかっている。前期(第49期)は予選2組の決勝まで進んだが、島朗八段(当時)に敗れ、リーグ入りにあと一歩届かなかった。
今期(第50期)は、予選6組。
昨日(2008年10月17日)に、田丸昇八段と対戦し勝っている。これで、予選6組のベスト8に進み、次は中田功七段と対戦。それに勝てば、すでにベスト4を決めている小倉久史七段と対戦し、それも勝って決勝に駒を進めると小林健二九段vs山崎隆之七段の勝者とリーグ入りを賭けて戦うことになる。6組では唯一のA級棋士である郷田九段。今期こそは、リーグ入りを果たし、節目となる第50期王位戦で深浦康市王位からタイトルを奪還してほしいものである。

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2008年10月17日 (金)

明日から公認不正検査士(CFE)試験

プロの将棋の世界では、渡辺明竜王と挑戦者羽生善治名人の永世竜王を賭けた第21期竜王戦七番勝負の第1局が明日(2008年10月18日)から、フランスのパリで始まるが、私の方は、明日(2008年10月18日)と明後日(10月19日)は、2ヵ月ほど前から勉強を始めた公認不正検査士(Certified Fraud Examiner:略称CFE)の試験。
この2ヵ月間、十分な勉強ができたとは、とても言えない状況だが、高い受験料も支払っており、最後まで諦めずにチャレンジするしかない。

試験のスケジュールは
18日(土)10:00~12:00「財務取引と不正スキーム」13:00~15:00「不正の法的要素」
19日(日)10:00~12:00「不正調査」13:00~15:00「犯罪学と倫理」

試験会場は東京と大阪だけで、東京の会場は上野公園の近くだ。残り少ない時間、一問でも多く解けるよう、最後のあがきに時間を使うことにする。

公認不正検査士の資格の詳細に興味のある方は、こちらをご参照下さい。
2008年8月9日の記事:公認不正検査士(CFE)の勉強を始める
日本不正検査士協会ホームページ

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2008年10月16日 (木)

将棋の第67期A級順位戦4回戦第5局は三浦弘行八段が 59手で木村一基八段に完勝、1敗を守り、挑戦者レーストップに踏みとどまる

昨日(2008年10月15日)は、将棋のA級順位戦4回戦の最後を締めくくる三浦弘行八段(2勝1敗)と木村一基八段(1勝2敗)の対戦が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。

終盤まで挑戦者争いに名を連ねた前期同様、今期も2勝1敗と好スタートの三浦八段と王座戦では挑戦者になるなど他棋戦では活躍しながら、肝心の順位戦で出だし2連敗と躓いたものの、3回戦では持将棋、指し直しの末佐藤棋王を破ってようやく順位戦初勝利をあげた木村八段。
三浦八段は勝って、今期も挑戦者レースのトップを走りたいし、木村八段も勝って2勝2敗の五分に戻し、降級候補から挑戦者候補のグループへ移りたいところ。

三浦八段先手の対局は、後手の木村八段が一手損角換わりを選択。その後、その手にした角を、長考の末、将棋盤81マスの中央の5五に、飛車取りで打ち込む。三浦八段は中盤にいた銀を引いて飛車取りを防ぎつつ角取りに当てる。当然、読み筋の手だったと思われる。木村八段は、その後思い切りよく角を切り、玉の守りの側の銀と交換した。
どちらも、まだ玉の守りの固まらない駒組み途中での思い切った手だったが、角と銀・歩の交換では、駒の損得だけ見るといかにも分が悪い。その後も、木村八段側には、角を犠牲にして手番を確保したにもかかわらず、これといった決め手も出ず、徐々に三浦八段が自らの優位を築いていく展開に。
最後は、三浦八段が飛車を切り、木村玉の守りの要の金と交換。さらに飛車金交換の代償として歩が成って「と金」作りに成功。と金とは反対側から角打ちの王手で木村玉を挟撃。居玉のままの木村玉は、角筋を避けるための一つ上に上がったものの、更に角筋に飛車取りの銀打ちを効かされ、三浦八段の手元にはまだ角と金が持ち駒をして残る状況では、踏ん張りようがなく、59手という短手数で投了となった。
朝10時から始まり、双方が互いに6時間の持ち時間を使い切り、日付が変わるまで勝負が付かないという戦いも珍しくないA級順位戦では珍しく、当日の午後8時28分に終局という将棋だった。
「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれる木村八段だが、今回は角切りの作戦に無理があり、その無理を的確に咎めた三浦八段の完勝で、「受け師」の華麗な受けが見られる場面はなかった。木村八段としては、不出来であり不本意な将棋だろう。
これで三浦八段が3勝1敗で、森内九段、丸山九段とともに挑戦者レースのトップに並んだ。一方、木村八段は1勝3敗の2つ負け越し。鈴木八段、深浦王位とともに、降級をどうやって逃れるかを気にしなければならない星勘定になってきた。残る郷田九段、藤井九段、谷川九段、佐藤棋王の4人が2勝2敗。

今後の対戦カードを見ると、上位3人のうち、森内vs丸山戦、三浦vs丸山戦はすでに終了していて(いずれも丸山九段の勝ち)、3人の直接対決は最終9回戦の森内vs三浦戦だけであり、それぞれが勝ち続けた場合、最終戦まで3人が7勝1敗で並走するという可能性もあるということになる。しかし、2勝2敗組が、やすやすと3人の連勝を許すとは思えない。特に3人との対戦を全て残している郷田九段にとっては、3人から3勝あげられれば、自らも挑戦者レースのトップに並ぶ事ができる。まだまだ、星のつぶし合いが繰り広げられることになるだろう。

一方、1勝3敗の3人は6回戦で木村vs鈴木戦、7回戦で鈴木vs深浦戦、8回戦で木村vs深浦戦と今後に直接対決が残されており、この直接対決の戦績が残留・降級に大きく影響する。誰が当面の敵を叩けるかということが鍵を握る事になるだろう。

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2008年10月15日 (水)

第58期将棋王将戦挑戦者決定リーグ2回戦で、郷田真隆九段が久保利明八段を破り2連勝

第58期王将戦七番勝負で羽生善治王将への挑戦者を決める挑戦者決定リーグ戦も昨日(2008年10月15日)から2回戦に入った。7人で争うリーグ戦の1回戦を終わった時点での成績は、白星スタートが前期挑戦者の久保利明八段、佐藤康光棋王、郷田真隆九段、黒星スタートが森内俊之九段、丸山忠久九段、深浦康市王位で、最後の予選通過を決めた高橋道雄九段は1回戦は「抜け番」(休み)で2回戦からの登場になる。

2回戦の最初の対戦は、久保利明八段(先手)vs郷田真隆九段という初戦白星同士の対戦。勝った方が、挑戦者レースのトップに躍り出る。

今日の将棋連盟のホームページの「最近1週間の結果」で勝敗を確かめると、郷田九段の勝ち。郷田九段2勝、久保八段1勝1敗となった。

今年度、5月~6月は6連勝と一時期7割近い勝率を上げていた郷田九段も、7月にTV棋戦の銀河戦の決勝トーナメント1回戦で片上大輔五段に敗れたあと、棋王戦の本戦トーナメント2回戦で橋本崇載七段に敗れるなど格下の棋士の負けがあり、竜王戦の決勝トーナメント準決勝で木村八段に敗退、2連勝でスタートしたA級順位戦も2連敗で2勝2敗の相星まで戻るなど、やや調子を落としている感じがある。その中で、王将戦は2次予選・挑戦者リーグと4連勝で、ここまでの年度の成績は25戦で14勝11敗で勝率0.560。

今期残る棋戦は、順位戦のほかは、この王将戦、17日(金)に田丸昇八段と対戦する王位戦、2次予選からの登場となる朝日杯将棋オープンなどである。ファンとしては、タイトル挑戦・タイトル奪取、棋戦優勝を毎年見たいもの。
昨年はタイトルには届かなかったものの第65期名人戦で森内名人への挑戦者となり、カド番の第6局で大逆転を見せてくれたし、その後の第1回ネット将棋最強戦でも初代チャンピオンとなった。
今年は、棋聖戦、王座戦、竜王戦といずれも挑戦者決定戦(決勝)の一歩手前で敗れている。王将戦こそは、その鬱憤を晴らして、挑戦者となって羽生善治四冠の一冠を奪ってほしいものである。

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時価会計は本当に必要なのだろうか?

日本の企業会計の世界では、しばらく前に「会計ビッグバン」ということが声高に言われ、国際的な会計ルールに沿う形で、日本の会計ルールの多くが変更された。固定資産の減損会計、退職給付会計、金融商品の時価評価の徹底、等々。
その背景にあるものは、時価主義である。企業が保有する資産を全て評価日現在の市場価格で評価しようとするものである。

それ以前の日本の会計では取得原価主義が原則で、不動産や投資有価証券などの資産は購入時の価額がそのまま、貸借対照表に記録され、保有期間中は貸借対照表上に記録された価額(簿価)が変更されることはなかった。
その資産が売却される時になって初めて、取得価額と売却額の差額が、売却益や売却損として実現し、売却時の決算の内容を大きく左右した。戦後の高度経済成長の中で、成長を続けた日本企業は、保有する株式や不動産に含み益を抱え、ある程度の損失であれば、その含み益を実現させること穴埋めが可能で、一過性の損失であれば、企業の存亡に関わるようなことはなかった。

80年代までの日本企業が海外進出しその力を発揮していた時期には保有株式の「含み益」が海外から槍玉にあげられ、バブル崩壊後は今度は高値で取得した不動産の「含み損」を明確にして、企業の実態を示すことが求められた。

今回の米国での大手証券会社の危機も、時価会計の厳格化が、危機の深刻化に一役買っている。サブプライムローンを証券化した商品や更にそれらを組み合わせた複合的な証券化商品は、もともと投資家と証券会社の間で相対で販売され、広く一般に流通しているわけではない。価格も理論値はあっても、実際の売買事例は多くはなかったようである。
米国の新しい会計ルールFAS157では、時価の不明確な資産の時価評価ルールを定め、レベル1=売買事例のあるものは売買価格、レベル2=同種の商品の売買事例が参考になるものそこから類推、レベル3=まったく時価事例のないものとした。そしてレベル3の時価不明の資産の保有額を明らかにするように求めた。
米国の大手証券会社は、2007年度の第一四半期からこのルールを先行適用した結果、レベル3に分類される資産の規模が多く、その多くがサブプライム関連の証券化商品で多額の含み損を抱えているのではないかと市場参加者から見られ、株価下落の要因の一つになったというものである。

証券化商品は、もともと広く流通させることを目的に作られた運用資産ではないだけに、買い手がつかなくなれば、評価額は理論値と乖離して下落する。売れないとなれば、ますます狼狽売りを誘い、悪循環に陥る。そうなった場合の時価とは、本当にその資産の正しい価値を表しているとは言えるのだろうかと思う。
先週暴落した世界各国の株価はG7の行動計画を政治の断固たるメッセージと捉え、今週に入り今度は急騰している。昨日(2008年10月14日)の日経平均株価の上昇率は過去最高を記録したとのことだ。市場で日々取引が行われほぼ毎日値付けが行われる上場株式でさえ、これだけ乱高下する。

市場価格のない、証券化商品の時価を厳格に求めようとする事にどれだけの意味があったのだろうかと思う。
証券化商品の多くは、ものすごく単純化すると、その利払・償還のリスクを分解しハイリスク・ハイリターンの「エクイティ」、ローリスク・ローリターンの「シニア」、その中間のミドルリスク・ミドルリターンの「メザニン」に分けられる。
今回の騒動の発端であるサブプライムローンの延滞率の上昇は、確かにこれまでのサブプライムローンの行き過ぎによるものであり、いずれ是正されるべきものだが、さりとてサブプライムローン全てが延滞しているわけではない。「エクイティ」を購入した投資家は丸損かもしれないが、「シニア」部分への影響は少ないだろう。中二階の「メザニン」にどれだけ悪影響があるかであろう。
取得原価で評価されるのであれば、それは購入した投資家の投資利回りの悪化、保有資産の評価損計上、償却として徐々現れてくるものであったろう。
もともと時価などないものに無理に時価を当てはめようとして混乱を招くことと、リスクを取った投資家の資産全体の中で、徐々に損を実現化させていくことの、どちらが混乱が少なかったのかは、よくわからないところだ。

最近、私が時々読ませていただいているブログ「投資経済データリンク」では、「史上最大の作戦-世界の金融システム防衛戦」と題した2008年10月14日付の記事で「国際会計基準審議会が米国のSECに追随して時価会計の適用基準を一部緩和した」という報道を紹介している。

市場は万能ではなく、時価がおかしい時もあるということであろう。

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2008年10月14日 (火)

サブプライム問題と今回の世界同時金融危機に関する本2冊(みずほ総合研究所編『サブプライム金融危機』、チャールズ・R・モリス著『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか』)を追加購入

先週は、日本の株式市場も売りが続き、あれよあれよという間に日経平均株価は8000円台まで下落してしまった。
週末のG7で発表された行動計画に反応する形で、ニューヨーク証券取引所の株価は反発したようだが、日本の株価はどうなるだろうか。
個人的には、欧米株は仕方ないが、日本株は現状では売られ過ぎという気がしてしかたないのだが…。今後の世界景気の低迷による日本経済の悪化を先取りしたと講釈もできるかもしれないが、どこかのブログで書かれていたように「米国のように空売り規制をしないので、証券化商品の暴落で損を抱えたファンドの損の穴埋めのため、空売りの標的にされたのではないか?」というのが、実態ではないだろうか。空売りで下げるだけ下げておいて、買い戻すタイミングを見計らっているのだろう。

しばらく前に、買い込んだサブプライム関係の本4冊は、とりあえず読み終わった。その前に紹介した金融庁の報告書とあわせ、サブプライム問題がどのようにして発生し、それがどう今回の一連の金融危機の繋がっていったかという点はほぼ理解できた気がする。

サブプライム問題が象徴するのは、米国の住宅バブルの崩壊であり、それがかつての日本のバブル崩壊時のように当該国だけに留まらず、ひろくヨーロッパを中心に世界各国に波及したのは、証券化という金融技術によってサブプライムローンが、資産運用商品として各国に販売されたことによる。
米国住宅バブル崩壊により、元利払いの延滞が増加し不良債権と化したサブプライムローンは、運用商品の価格下落を引き起こし、サブプライムローンを組み込んだ証券化商品を保有する投資家は、損失計上を余儀なくなれた。その規模が巨額である上に、その運用商品の購入資金は、借入金でまかなわれており、運用商品の価格下落は、資金の貸し手であった金融機関の貸出金の内容劣化にも繋がる。
おまけに、金融機関自身が傘下にファンドを組成し、手広く証券化商品の運用に関わっていたのだから、サブプライムローンの損失は幾重にも金融機関にのしかかってくる。

しかし、金融機関がそのような後から振り返ればリスクの高い運用を行ったのは、そもそも世界的な金余りがあった。資源国や新興経済国は貿易黒字を元にした莫大な資金を保有するが、自国内にも、海外にもめぼしい投資先がない。その余った資金の運用の受け皿となったのが、サブプライム・ローン等を中心に組成された証券化商品である。言い方を変えれば、余った資金を運用先として何かが必要とされ、その求めに応える形で、証券化商品は登場したと考えることもできる。証券化という金融技術を使って、元は一つの住宅ローンから幾重にも証券化商品が作成される。
よく、サブプライムを解説した本では、そのあたりのことを指して「信用創造」という言葉使われる。しかし、我々が大学で習った古典的な経済学では、資金不足の環境の中で、最初の貸出金の一部が預金として金融機関に環流し、さらにその環流した預金を元に新たな貸出が実施されるという循環が続く中で、資金が幾重にも回転し、見かけ上預金が増加し、それがさらに貸出に回るという形で資金が効率的に利用されることをもって「信用創造」と呼んでいたように思う。
サブプライムの一連の流れの中で創造されたのは、上記の例の、預金の方ではなく、貸出にあたる側の運用商品である。元は一つのローンが、幾重にも証券化されるということは、
どういう事か。最初のローンには借入人もいて実態があるが、そのローンが証券化され最初の債権・債務関係から離れてしまい、さらに最初のローン証券を担保にした証券化商品ができると、どこまでが実態のある運用商品といえるのだろうか?という気がしてくる。

わかったようでもあり、突き詰めて考えるとわからないような気もしてくる。もう少し勉強しようと、追加で2冊関連図書を購入した。

3連休が終わり、今日からマーケットが開く日本の現実世界の方は、どう動いていくのか、これも目が離せない。

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2008年10月13日 (月)

昨日(2008年10月12日)で900タイトル達成

昨日の「羽生善治名人の活躍で「blogranKing.net(ブログランキング ドット ネット)」の「日記」カテゴリの サブカテゴリ「40代~」で1ヵ月間「2位」をキープ」の記事が、このブログの900タイトルの区切りの記事だった。

800タイトルが2008年7月7日、1日1タイトルのペースは守っているので、3ヵ月余で900タイトルを迎えた。

801から900までの記事を眺めて見ると、この3ヵ月は政治・経済で激動の3ヵ月だった。

9月1日: 福田康夫総理大臣、まさかの辞任会見
夏休み明け最初のビッグニュースは、2年続けての総理大臣のポスト投げ出し。しかし、今思えば、その後に迫り来る嵐の前奏曲に過ぎなかったのかもしれない

9月16日:サブプライム・ローン問題の岐路、米大手証券会社リーマン・ブラザーズ経営破綻
2007年の夏から欧米で騒がれていたサブプライムローン問題。各国政府や中央銀行が様々な手を打ってきたが、とうとう、米国4位の大手証券会社が破綻という形ではじけた(9月15日)。その後は世界各国での金融危機が本格的に到来し、株式市場は暴落。この週末のG7の行動計画で市場の混乱が収まるかどうかは、週明けの市場を見なければ分からない。この問題は1000タイトルに向けた3ヵ月の中で何回か書くことになるだろう。

この3ヵ月に読んだ本は、印象的なものが多かったが、経済の関係では、現在の金融危機を平易に解説している、竹森俊平著『資本主義は嫌いですか』が秀逸だった。
2008年9月22日:サブプライム危機を分析する竹森俊平著『資本主義は嫌いですか』を読み始める

また、黒川伊保子著『恋するコンピュータ』には触発されるところが多く、このブログでも3回取り上げた。
2008年8月16日:「言葉」の不思議について語る黒川伊保子著『恋するコンピュータ』が面白い
2008年8月18日:黒川伊保子著『恋するコンピュータ』で語られるプロフェッショナルの特徴
2008年8月28日:黒川伊保子著『恋するコンピュータ』に登場する昭和34年から37年生まれの世代論
同じ著者の『恋愛脳』も、これまでのブログでは紹介していないが、脳の構造から男女の違いを語っていて思い当たる点も多く、面白く読め、いろいろと参考になった。異性とのすれ違いに悩む方は必読である。

個人的なことでは、将棋のアマチュア初段の資格の認定を受けたこと、大腸内視鏡検査を受けたこと(幸い、特に問題はなかった)、朝バナナダイエットで半年ぶりに本格的な減量を再開したことなどである。
2008年8月8日:将棋アマチュア「初段」の要件を満たす
2008年9月19日:大腸内視鏡検査を受ける
2008年10月3日:朝バナナダイエットの効用とバナナの品薄

最後の締めくくりは、北京オリンピックでの日本男子400mリレーチームの銅メダル獲得だろう。日本陸上界の歴史的1ページをテレビとはいえ、見ることができたのは、元陸上部員としては幸せなことであった。
2008年8月22日: 北京オリンピック、陸上日本男子4×100mリレー(4継)銅メダルの快挙!
関連記事として
2008年7月31日:400mリレー日本代表を描いたノンフィクション、佐藤多佳子著『夏から夏へ』を読み始める
2008年9月15日:『陸上競技マガジン』と『月刊陸上競技』の2008年10月号で北京オリンピック男子4×100mリレー銅メダルの感動をもう一度

あらためて振り返ってみると、いろいろなことがあった3ヵ月だった。

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2008年10月12日 (日)

羽生善治名人の活躍で「blogranKing.net(ブログランキング ドット ネット)」の「日記」カテゴリの サブカテゴリ「40代~」で1ヵ月間「2位」をキープ

私はこのブログを blogranKing.netというランキングサイトに登録し、そこでの順位が毎日どれぐらいになるかブログを書き続ける時のひとつの励みにしている。ランキングの詳細はこちら→http://blogranking.net/guide/log/eid3.html

2007年1月に登録して、1年半以上が経過した。私が登録した頃は、2万8000件ぐらいだった登録ブログの総数も、この記事を書いている時点(2008年10月12日午前7時45分)では43370件と表示されており、この間、ほぼ1.5倍になっている。
blogranKing.netでは、ブログの内容で、まず「カテゴリ」(「インターネット」「学問」「業界」「生活・文化」「地域」「ビジネス」「恋愛・結婚」「日記」・・・・)分けを行い、カテゴリによっては、サブ・カテゴリさらに細分化される。たとえば私に登録する「日記」のカテゴリのサブ・カテゴリは、ほぼ年代別となっており、「一般」「就職」「転職」「学生」「主婦」「10代」「20代」「30代」「40代~」となっている。
毎日、過去7日分のアクセスをベースに、全体での順位を示す「総合」順位、「カテゴリ別」順位、「サブカテゴリ別」順位が示される。

私の登録以来の目標は、「日記」カテゴリの「40代~」サブカテゴリで「2位」(1位は遠すぎて目標にならない)と総合順位で登録総数の上位1%に置いている。サブカテゴリの2位は過去何回か達成しているが、過去は1日のアクセスが急増した結果、7日間の累計が増え、その突出した1日分が累計に寄与する1週間の間、2位をキープするのが精一杯だった。

今回、9月11日に総合668位、日記カテゴリ20位、40代~サブカテゴリ2位を記録してから、昨日10月11日(総合673位、日記カテゴリ21位、40代~サブカテゴリ2位)まで「日記:40代~」サブカテゴリで2位をキープできた。幸い、今日10月12日も2位である。

今回のアクセス増、順位アップの要因は、ひとえに将棋の羽生善治名人の活躍につきる。この間、個別の記事として最もアクセスが多かったのは2008年9月12日の「羽生善治名人強し、第21期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局は180手の激闘の末、木村一基八段を破り竜王戦でも挑戦者に」という記事である。この1ヵ月で2000件以上のアクセスがあった。しかし、さすが羽生名人も過密スケジュールの疲れもあったのだろう。二度目の七冠制覇の可能性は、王位戦で深浦王位からタイトルを奪還できなかった時点で、たたれている。しかし、もう一つの話題である全てのタイトルで永世称号を得るという「永世七冠」は、来週2008年10月18~19日に開幕する第21期竜王戦七番勝負にその実現がかかる。

おそらく、また将棋ファンの注目があつまるであろう。私としては、blogranKing.netでのもう一つの目標、「総合順位で登録総数の上位1%(現在登録数で言えば433位)」を実現できるよう、読んでもらえる記事を書いていきたい。

ちなみに、下のグラフは9月12日以降この1ヵ月間の総合順位の推移である。総合順位では、9月20日の506位が最高で、400位台の壁は厚かった。

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2008年10月11日 (土)

将棋の第67期順位戦B級1組7回戦終了、久保利明八段が5勝1敗で単独トップをキープ、杉本昌隆七段・屋敷伸之九段が4勝2敗で続く

昨日の対局の組み合わせと結果は以下の通りだった。(左側が先手)

屋敷伸之九段(4勝2敗)○-●山崎隆之七段(3勝4敗)
井上慶太八段(4勝3敗)●-○行方尚史八段(3勝4敗)
渡辺 明竜王(4勝3敗)○-●森下 卓九段(2勝4敗)
高橋道雄九段(3勝3敗)○-●阿部 隆八段(4勝3敗)
久保利明八段(5勝1敗)○-●畠山 鎮七段(2勝4敗)
北浜健介七段(2勝3敗)●-○堀口一史座七段(1勝5敗)
<杉本昌隆七段(4勝2敗)は抜け番で対局なし>

私が今期のB級1組で注目している屋敷九段は、今期ともにB級2組から昇級した山崎七段との対戦。後手山崎九段が一手損角換わりを選択。角交換後は、お互い相矢倉模様になったが、手持ちの角を山崎陣に打ち込み、馬作りの成功した屋敷九段が主導権を握り、最後は、その馬を切って山崎玉を左右から挟撃。受けなしとなった山崎七段の投了となった。屋敷九段は4勝2敗とし、順位13位の幕尻ながら昇級レースに踏みとどまった。

渡辺竜王と森下九段の対戦は、相矢倉から渡辺竜王は穴熊に組み替え。自陣の守りを固めた上で、先手の渡辺竜王が果敢に攻めかける。最後は飛車・角が竜・馬となり森下玉に迫る。穴熊の渡辺玉は遙かに遠く、自玉の受けがなくなった森下九段が投了。渡辺竜王は白星先行の4勝3敗とした。

4勝1敗でトップを走る久保八段は、畠山鎮七段との対戦。途中、膠着状態となる場面もあったが、畠山玉の守りの金銀を久保八段が3枚の桂馬を使って玉から引き離し、投了に追い込んだ。

7回戦終了後の成績は以下の通りとなった。
5勝1敗:久保利明八段(1)
4勝2敗:杉本昌隆八段(11)、屋敷伸之九段(13)
4勝3敗:渡辺明竜王(4)、阿部隆八段(5)、井上慶太八段(9)
3勝3敗:高橋道雄九段(3)
3勝4敗:行方尚史八段(2)
2勝4敗:畠山鎮七段(6)、北浜健介七段(8)、森下卓九段(10)
2勝5敗:堀口一史座七段(7)

久保八段が引き続き単独トップをも守っている。A級からの降級直後で順位1位ということもあり、残り6戦を2勝1敗ペースをキープし9勝3敗で終えられればA級復帰は可能だろう。
4勝2敗の杉本八段、屋敷九段はともに順位が下位なので、昇級については、上位の3敗者と同列というところだろう。
今後の対戦表を見ると、10回戦:渡辺竜王vs久保八段戦、12回戦:渡辺竜王vs屋敷九段戦、最終13回戦:屋敷九段vs杉本七段戦などの対戦が残っている。まだまだ、今後の結果次第では、波乱もあるだろう。

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2008年10月10日 (金)

第67期将棋A級順位戦4回戦、佐藤棋王vs丸山九段戦、深浦王位vs藤井九段戦同日開催で全勝が消え、挑戦者争いは混沌

昨日(2008年10月9日)の東京・千駄ヶ谷の将棋会館では、第67期A級順位戦4回戦のうちの
▲佐藤康光棋王(1勝2敗)vs△丸山忠久九段(3勝0敗)
▲深浦康市王位(1勝2敗)vs△藤井猛九段(1勝2敗)
の2局が行われた。
どちらもタイトルホルダーが登場の対局。中でも、丸山九段が勝って4連勝として名人挑戦者争いの単独トップを維持できるかどうかは、一番の関心事だろう。

先に決着したのは、深浦vs藤井戦。1勝2敗同士の対局なので、勝って2勝2敗にすれば、今後のリーグ戦の展開次第ではまだまだ名人挑戦権も狙える。一方、負けて1勝3敗となれば、今期の名人挑戦はほぼ絶望となり、むしろ降級の心配をしなければならなくなる。羽生名人との死闘を制し、王位防衛・九段昇段を果たした深浦王位にとっては3回目のA級昇級の今期こそは悲願のA級定着を果たしたいところ。
しかし、将棋の内容は、後手の藤井九段の完勝とも言える内容。向かい飛車に振った自陣の飛車を見捨て飛車角交換に応じた藤井九段は、手にした角をすかざす深浦陣に打ち込み、穴熊から深浦玉をあぶり出し、その後も切れ目のない攻めで、自玉に深浦王位の本格的な攻めの手が及ぶ前に深浦王位を投了に追い込んだ。2勝2敗と五分の星に戻したには藤井九段で、深浦王位は1勝3敗と苦しい星勘定になった。

一方、佐藤vs丸山戦は、後手丸山九段の一手損角換わり。角交換のあと、佐藤棋王は飛車を振り、お互いの飛車と飛車、玉と玉が向かい合う形で駒組みが進んだ。先に、佐藤棋王が丸山陣への角成りに成功。馬となって、橋頭堡を築いた。丸山九段も、佐藤陣の隙をを突いて、佐藤玉に攻めかかり追い詰めたが、攻め駒が不足していたのと、自陣も盤石の態勢とは言えず、攻めが途切れたところで、佐藤棋王の逆襲に合い、丸山九段の投了となった。丸山九段は3勝1敗となり単独トップの地位からは後退。佐藤棋王は2勝2敗とし、挑戦者争いに望みをつないだ。

これまでの4回戦の結果を踏まえて、現在のA級の名人挑戦者レースの状況を整理すると
3勝1敗:森内俊之九段(1)、丸山忠久九段(4)
2勝1敗:三浦弘行八段(2)
2勝2敗:郷田真隆九段(3)、藤井猛九段(6)、谷川浩司九段(7)、佐藤康光棋王(8)
1勝2敗:木村一基八段(5)
1勝3敗:鈴木大介八段(9)、深浦康市王位(10)

残る三八段浦vs木村八段戦は、来週15日(水)に行われる。どちらが勝つにせよ、すでに全勝と全敗がいなくなっており混戦模様である。4回戦を終え、2勝2敗の棋士が1人もおらず、上位グループ5人と下位グループ5人にはっきり分かれた前期とは様変わりだ。

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2008年10月 9日 (木)

第67期将棋A級順位戦4回戦第2局、鈴木大介八段vs郷田真隆九段戦は鈴木八段が勝ち復帰後のA級で初白星

1週間で4局のA級順位戦が組まれている今週。6日(月)の谷川九段vs森内九段の永世名人対決の次は、鈴木大介八段vs郷田真隆九段の対戦である。

2人のA級順位戦での対戦は3年前の第64期以来の2回目。その時は、A級3期目ながら順位8位で2勝5敗と厳しい星勘定の先手:鈴木八段とA級に3回目の復帰で幕尻の順位10位ながら4勝3敗と白星先行の後手:郷田九段の対決であった。
郷田九段が2度目のA級昇級を果たし4勝5敗と健闘したものの順位の関係で降級の憂き目にあった第61期順位戦で、 鈴木八段はB級1組を8勝3敗の2位の成績で1期で通過、第62期にはB級1組に降級する郷田九段と入れ替わる形で、A級に昇級している。前回は、3回目のA級昇級で初の勝ち越しを決め最終局を前にA級残留を決めたい郷田九段と、何とか8回戦、最終9回戦と連勝し4勝5敗として、A級残留に望みをつなぎたい鈴木八段という位置づけだった。
この時の勝負は178手の及ぶ長い戦いの末、午前1時26分に郷田九段が勝ち、郷田九段は5勝目で勝ち越し・残留が確定。鈴木八段は、2勝6敗とより厳しい星勘定になった。この61期は、羽生現名人と谷川九段がともに8勝1敗でプレーオフという結果になったため他の棋士は軒並み成績が振るわず、3勝6敗の棋士が5人という混戦になった。鈴木八段も最終戦に勝ち3勝6敗で並んだが、同成績の場合順位が下位の2人が降級といいうことで、5人のうち順位9位の森下九段と8位の鈴木八段がA級の椅子を失なった。
郷田九段、鈴木八段の2人にとっては、その後棋士生活に大きな影響を与える一戦だった。

昨日(8日)の対局も、先手は鈴木八段。振り飛車党の鈴木八段が中飛車に構えたのに対し、後手の郷田九段も三間飛車と飛車を振り、相振り飛車に。途中、鈴木有利が、郷田有利との評価に変わったものの、持ち時間を早々に使い切ってしまった郷田九段は1分将棋の中で、若干緩手もあったようで、再び鈴木ペースに。145手という手数で見れば長い将棋になったが、最後の20手くらいは、郷田九段の形作りの感じだった。

3連敗のスタートだった鈴木八段は、今期のA級で初白星で1勝3敗。郷田九段は、2連勝のあと2連敗で2勝2敗。3連勝の丸山九段、3勝1敗の森内九段に一歩遅れることになった。何とか、気持ちを切り替え、残り5局を全勝する勢いで頑張ってもらいたいものだ。

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2008年10月 8日 (水)

脳学者茂木健一郎の悩みに河合隼雄さんがヒントを与える河合隼雄・茂木健一郎対談集『こころと脳の対話』

一昨日、河合隼雄さんの1周忌を弔うように出版された対談集として『こども力がいっぱい』(光村図書出版)を取り上げ、その中から河合さんと宇宙飛行士の毛利衛さんの対談の内容の一部を紹介したが、同じように1周忌前後に出版された対談集がもう1冊あった。河合さんと脳科学者の茂木健一郎さんとの3回の対談をまとめた『こころと脳の対話』(潮出版社)である。

対談そのものは、初回が2005年11月に東京のホテルの一室で、2回目が2006年2月に京都にある河合さんの研究室で、第3回は2006年4月に茂木さんが講師を務めるカルチャースクールの連続講座に河合さんが特別ゲストとして招かれるという形で行われている。
普段は、聞き手に回る河合隼雄さんが、この茂木さんとの対談では全体を通して、喋る側に回っているのが印象的である。それは、第3回の対談の締めくくりの2人の会話に端的に表れている。

<河合>しかしね、考えたら 、いつも僕、茂木さんにうまいことやられて、しゃべりまくっているんだけれど、本当は脳の話をもうちょっとしてもいいんです。
<茂木>いえいえ、ちゃんと脳の話につながっていますんで。
(『こころと脳の対話』203ページ)

そこは、NHKの「プロフェッショナル-仕事の流儀」で、数多くのプロフェッショナルな人たちのインタビュアーを務める茂木さんの面目躍如というべきであろうか。
むしろ、対談時に43歳(1962年10月生まれ)だった茂木さん、自ら抱える悩みを、臨床心理士である河合さんにカウンセリングしてもらっているようにも読める。対談に中では、脳学者として「クオリア」(感覚の持つ質感)というものを研究テーマにし、脳と心の関係(心脳問題)を研究している茂木さんならではの悩みが披瀝される。ものすごく簡単に要約してしまえば、「心の問題は科学で扱えるのか?」という問題だと私は思う。読み終わってから改めて考えると、それは40代前半の茂木さんにとって、ある種の「中年クライシス」(中年期の危機)だったのかも知れないと思う。茂木さんが自ら見た夢を語り、京都の河合研究室で箱庭を作り、その夢や箱庭に現れたものを河合さんが河合流に説明していく。
それは、茂木さん個人の夢や箱庭に現れた茂木さん個人が直面している問題を2人で考えるという形にはなっているのだけれど、どこかで普遍的なものに繋がっていて、読む者を納得させる。

第1回では、茂木さんの見た夢「イギリスでバスで旅行をしていて、そのバスの中に赤い服を着た5~6歳の小さな女の子が乗っていて、それが誰だかわからない」との問いに、の河合さんがいくつかの見方を説明し、それをヒントに茂木さんが自らの考えを深めていく。
また、第2回の対談の際に、茂木さんが作った箱庭では、箱庭作りで使ったニワトリやゴリラの人形が心を読み解くヒントになる。
この時、茂木さんが作った箱庭は、河合さんの訃報に接した際の茂木さん自身のブログの記事に写真が載っている(茂木健一郎:クオリア日記、2007年7月21日河合隼雄先生のこと

「こころ」と脳について、関心のある方は、一読されるとよいと思う。

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2008年10月 7日 (火)

将棋第67期A級順位戦4回戦始まる、永世名人対決の谷川浩司九段vs森内俊之九段戦は森内九段に軍配

今週はA級順位戦週間で、1週間に4局もA級の対戦が組まれている。
10月6日(月)
▲谷川浩司九段(2勝1敗)vs△森内俊之九段(2勝1敗)
10月8日(水)
▲鈴木大介八段(0勝3敗)vs△郷田真隆九段(2勝1敗)
10月9日(木)
▲佐藤康光棋王(1勝2敗)vs△丸山忠久九段(3勝0敗)
▲深浦康市王位(1勝2敗)vs△藤井猛九段(1勝2敗)
ちなみに残る1局は、来週で
10月15日(水)
▲三浦弘行八段(2勝1敗)vs△木村一基八段(1勝2敗)
多忙な棋士が多い中、月の前半で全員の対局が終わるのも珍しいのではないだろうか。

昨日(2008年10月6日)は、ともに2勝1敗の谷川浩司九段(17世名人)と森内俊之九段(18世名人)の対決。森内九段が谷川九段の本拠大阪に遠征して行われた。勝って3勝1敗とした方は、名人挑戦権レースに踏みとどまり、負けで2勝2敗となった方は、一歩後退となる。
ネット有料中継「名人棋譜速報」の解説では、2人の対戦成績は谷川26勝:森内30勝だが、最近は森内九段が5連勝しているらしい。2年前の第64期名人戦では、森内名人(当時)が挑戦者として登場した谷川九段を4勝2敗で退けている。

将棋の内容は、先手谷川九段から角交換で相矢倉模様だったが、谷川玉が囲いに入城したのに対し、森内玉は金が1枚玉から離れた事もあり入城せずに4筋に戻した。一時、戦局は膠着状態で千日手含みになったが、谷川九段が打開。しかし、森内九段の受けが巧みだったのか、戦局が進めば進むほど谷川九段側の桂損→銀・桂損、駒損が大きくなり、真綿で首を絞めるようにじわじわと攻めてくる森内九段に対し、谷川九段は、攻防とも有効な打開策が見いだせず投了となった。

これで森内九段が3勝1敗。谷川九段が2勝2敗。9日(木)の佐藤棋王vs丸山九段戦の結果次第では、名人挑戦権レースのトップに躍り出ることになる。

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2008年10月 6日 (月)

季刊誌「飛ぶ教室」での河合隼雄さんの対談をまとめた『子ども力がいっぱい』から毛利衛さんの「受け入れる力」

元文化庁長官で心理学者の河合隼雄さんが2007年7月16日に亡くなって1年余。一周忌を弔うように、河合さんゆかりの本が何冊か出版された。
2008年8月に出版されたのが、しばらく前にこのブログで紹介した『河合隼雄のスクールカウンセリング講演録』(村山正治・滝口俊子編、創元社)と作家の小川洋子さんとの対談をまとめた『生きるとは、自分の物語をつくること』(新潮社)。

ちょうど一周忌にあたる2008年7月に出版されたのが、今日紹介する『子ども力がいっぱい』(光村図書出版)である。

児童文学をテーマにした光村図書の季刊誌『飛ぶ教室』での「あなたがこどもだったころ」と題した著名人の子ども時代をテーマにした対談をまとめたものである。「飛ぶ教室」は、河合さん自らが編集委員に名を連ねていたこともあり、様々な形で積極的に関わっていたようだ(「飛ぶ教室」2008年冬号での今江祥智氏と山中康裕氏の対談から)。「飛ぶ教室」は1981年12月に創刊され1995年にいったん休刊、2005年に復刊している。河合さんは休刊前の旧「飛ぶ教室」でも「あなたがこどもだったころ」という対談を行っており、現在『あなたがこどもだったころ』として講談社+α文庫に収録されている。

今回の『子ども力がいっぱい』にまとめられた対談は、2005年の「飛ぶ教室」の復刊第1号から第6号まで連載され、最後の対談となった女優三林京子さんとの対談は2006年5月に行われていたが、河合さんがその直後に脳梗塞で倒れたこともあり、河合隼雄追悼号となった2008年冬号に掲載された。今回復刊1号から6号までの対談と併せて7人との対談が本にまとめられた。対談相手は、どういう基準で選ばれたのかはわからないが、よくこれだけのメンバーが集まったものだと思えるほどそうそうたる顔ぶれである。

第1号山本容子(銅版画家)
第2号鶴見俊輔(哲学者・評論家)
第3号筒井康隆(作家)
第4号佐渡裕(指揮者)
第5号毛利衛(宇宙飛行士・理学博士)
第6号安藤忠雄(建築家)
第12号三林京子(女優)

どの対談相手も個性的な人物ばかりで、味のある対談になっているが、これまであまりこのような場に登場することがなかった日本初の宇宙飛行士の毛利衛さんの素顔がのぞけたのは興味深かった。

宇宙飛行士になったことについて次のようなやりとりがある。

<毛利>たまたま運が良かったんじゃないですか、本当に。同時に子ども時代からの自分を見てくると、何かすごく期待されているわけでも、またそういう巡り合わせではないけれども、いろいろなものがちょっとしたぎりぎりのところでうまくかみ合ってきた。それで宇宙に行けたというのがわかりますね。ちょっとしたところをうまく生き延びてこられたのが影響していると思いますね。
<河合>自分から、これをやろう、あれをやろうというんじゃなくて、ちょっと待っているときに、うまく来て、来たのにすうっと乗ってという感じはありますね。(一部略)
<毛利>それは、確かにありますね。
(中略)
<河合>でも、大事なことは、それに応える力があったということですね。そういうのに応えられて、また次に応えられる。来たものをうまく受け止めてやれる力、環境をうまく受け入れる力と言ってもいいでしょうね。それがあったわけですよ。
<毛利>その性格がどこから来たかはわかりませんけれども、八人兄弟の末っ子ということもあったかもしれませんね。
(『子ども力がいっぱい』140~141ページ)

このあたりのやりとりが、この毛利さんの特長をもっともよく表していると思われたのだろう対談のタイトルは「環境をうまく受け入れる力」となっている。

インタビューを終えた後のコメントの中で、河合さんは
「このように与えられた条件を最大限に生かす毛利さん力がよくわかって感心した。これも本人に言わせれば「たまたま運がよかったんじゃないか」ということになるが、その「運」も受け止め方によって悪運になるかもしれない、ということをわれわれは知っておかなくてはならない」(『子ども力がいっぱい』144~145ページ)

「運」も力のない人にとっては、悪運になるかもしれないというひと言は、我が身を振り返っても思い当って耳が痛い。常に、自分の力を蓄え、磨いておかなければならないということだろう。

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2008年10月 5日 (日)

2008年2月からの体重計測データをグラフにまとめ、自分の不摂生を再確認

昨年(2007年)9月から12月まで岡田斗司夫さん提唱のレコーディング・ダイエットを行って70kg台だった体重を12月半ばには63kg台まで落とし、約▲7kgの減量にいったんは成功したものの、年末年始の帰省でリバウンドしてしまい、2008年に入ってからは、体重の逓増傾向に歯止めがかけられないまま、8月末には68kg台まで戻ってしまい、7kgの減量のうち5kgが戻ってしまった。

昨年の減量の際は、毎朝体重の計量をしては、パソコン上で、エクセルで作表をして毎日体重データを入力し、折れ線グラフにして管理していた。しかし、昨年暮れに、任天堂のTVゲーム機「Wii」と健康管理ソフト「Wii Fit」を購入してからは、「Wii Fit」に乗れば体重とBMIを日々記録しグラフ化してくれるので、とりあえずグラフ化はそちらに任せていた。
当然ながら、「Wii Fit」のグラフでも体重もBMIも趨勢として右上がりが続いていた。「Wii Fit」は乗るだけで記録してくれるので楽なのだが、画面上では BMIのデータは数字として表示されるが、体重は目盛り表示だけで、具体的に○.○kgというデジタルなデータでは表示されない。それでも、「Wii Fit」の計量とは別に、以前から使っているヘルスメータでの毎朝の体重測定は続け、カレンダーに結果を書き込んでいた。部屋の中を探してみると2月から9月までの日々の計測データが数日間の欠落を除き、揃ったので、改めてエクセルに入力して折れ線グラフにしてみた。
オレンジの線が日々の記録、赤い線が過去7日分の平均であり、いわば過去1週間の移動平均である。職場で働く平日に比べ、自宅で過ごす土日はどうしても間食の誘惑も多く、食事も子どもたちのペース食べると食べ過ぎになりやすい。1週間の平均を取ることで、日々の結果よりもトレンドを見るために、いつもグラフ化の際には数字をはじいている。



改めてグラフを見てみると、体重が大きく増えているのは、2月半ばから3月と5月前半、そして8月から9月半ばの3回である。
2月半ばから3月末までで66kg台に突入、4月はなんとかそれを戻そうと奮闘するが増やさないのが精一杯。5月のGWでその抑えがはずれ、急増。5下旬はそれでも何とか5月の増量分は落としている。そして6月はほぼ横ばいから微増に抑え、7月は増減はあったものの全体を通せば微増。平均値で66kgを超える水準が定着している。
最悪なのは8月、ほぼ一直線で増加しており、1ヵ月で1.5kg増えている。9月半ばには、7日間の平均値で67.89kgと平均68kgが目前となってしまった。

ここで、折良く大腸の内視鏡検査があって、1日でほぼ1kg減り、その後の朝バナナダイエットの効果もあってか、何とか下降トレンドに入ったかというところ。それでも、現状は、まだ、8月以降の上積み分をなんとか戻そうとしているところ。
目標は年内に63kgを切る水準まで持って行くこと。こうやってブログで、何回も宣言することで、自分自身のコントロールをしていきたい。
なんとか、順調に減っているという報告をしたいものだ。

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2008年10月 4日 (土)

第34期棋王戦挑戦者決定トーナメント3回戦で羽生善治名人が久保利明八段に敗退し棋王戦挑戦の可能性消える

今朝、将棋連盟のホームページの2008年10月2日の対局結果速報を見て、王将戦挑戦者決定リーグの1回戦についての記事を書いたが、王将戦の森内俊之九段vs佐藤康光棋王戦の一行上に書かれていた棋王戦挑戦者決定トーナメント3回戦の羽生善治名人vs久保利明八段戦の結果を見落としていた。
書かれている結果は、「●羽生-久保○」で後手番の久保八段の勝ち。棋王戦はベスト4まで進めば敗者復活戦のシステムがあるが、まだ、3回戦で勝ち残った16名を8名に絞る段階なので、ここでの負けは、棋王戦での挑戦権獲得の可能性がなくなったことを意味する。

第21期竜王戦の挑戦者決定の9月半ばまで神懸かり的な快進撃を続けていた羽生名人も、深浦王位へのリーターンマッチに3勝4敗で敗れ深浦王位にタイトル防衛を許したことで、これまで張りつめていた糸が若干緩んだのか、昨年度は王座戦・王将戦の2つのタイトル戦で7勝1敗、年間でも10勝1敗と力の差を見せつけた久保八段に敗れた。

前期の王将戦から続いてきた羽生名人のタイトル戦の連続登場も、今期の王将戦までの8で途切れることになった。

羽生敗退後の棋王戦の挑戦者決定トーナメントに勝ち残ったベスト8を、準々決勝の組み合わせで並べると

阿部隆八段vs渡辺明竜王
鈴木大介八段vs木村一基八段
深浦康市王位vs橋本崇載七段
阿久津主税六段vs久保八段

の8人となっている。

A級棋士が中心だった王将戦の挑戦者決定リーグと重なっているのは、このタイトルを持つ佐藤康光棋王を除けば、深浦康市王位だけで、渡辺竜王を筆頭に橋本七段、阿久津六段と次世代を担う若手も名を連ねている。
ベスト8に残った中で、佐藤棋王とタイトル戦を戦った経験があるのは、渡辺竜王を鈴木大介八段の2人だけであり、残りの6人の中から挑戦者が出れば、新たな顔合わせとなる。この8人の中から誰が勝ち残るかも、興味深いところだ。

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将棋第58期王将戦挑戦者決定戦リーグ1回戦終了、白星スタートは久保八段、佐藤棋王、郷田九段

9月に入って始まった、将棋の第58期王将戦での羽生善治王将への挑戦者を決める7人総当たりの挑戦者決定リーグ戦。一昨日(2008年10月2日)、1回戦の第3局森内俊之九段(前名人)vs佐藤康光棋王の一戦は、後手の佐藤棋王が勝ち、1回戦は終了。
リーグ戦開幕時にはまだ決まっていなかった予選勝ち上がりの3人目は、中原誠16世名人の休場・不戦敗で、高橋道雄九段に決まり、組み合わせも全て確定した。

順位 氏名 1 2 3 4 5 6 7
1 久保
八段
1 0
丸山
郷田 佐藤 森内 - 深浦 高橋
2 佐藤
棋王
1 0
森内
- 久保 丸山 深浦 高橋 郷田
3 森内
九段
0 1
佐藤
深浦 丸山 久保 高橋 郷田 -
4 丸山
九段
0 1
久保
高橋 森内 佐藤 郷田 - 深浦
5 深浦
王位
0 1
郷田
森内 - 高橋 佐藤 久保 丸山
5 高橋
九段
0 0 - 丸山 郷田 深浦 森内 佐藤 久保
5 郷田
九段
1 0
深浦
久保 高橋 - 丸山 森内 佐藤

初戦白星は、前期挑戦者の久保利明八段、前々期挑戦者の佐藤康光棋王。そして、私が応援している郷田真隆九段。リーグ戦を戦う7人は、7人中5人がA級棋士、うち2人はタイトルホルダーという豪華な顔ぶれ。

郷田九段を応援する私から見ると、郷田九段にとって極端に分の悪い相手がいるわけではない。要は、このリーグの中で勢いがつき、星が集まるかどうか、7人総当たりなので、毎回誰か1人、対戦が休みになるが、郷田九段はちょうど真ん中の4回戦が休み。前半戦が深浦王位、久保八段、高橋九段、 後半戦が丸山九段、森内九段、佐藤棋王。
9ヵ月かけて戦う長丁場の順位戦と違い、3ヵ月足らずで決まる短期決戦のリーグ戦で初戦を勝った意味は大きい。前半戦の久保八段、高橋九段戦を勝って3連勝折り返せれば、挑戦権も見えてくるのではないかと思う。
12月まで、楽しみが増えたが、王将戦挑戦者決定戦リーグはトップクラス棋士が戦う好カード揃いなのに、棋譜中継がないのが残念だ。リアルタイム中継が無理でも、せめてJT日本シリーズのように、2~3日後にはJAVAがFLASHで棋譜を公開してくれればうれしいのだけれど…。

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守り人&旅人シリーズ第8作『天と地の守り人 第一部』(上橋菜穂子著)を読み終わる

10月に入り、上橋菜穂子さんの「守り人&旅人」シリーズの最後を締めくくる『天と地の守り人』三部作の第一部ロタ王国編が軽装版で登場した。

天と地の守り人〈第1部〉 (軽装版偕成社ポッシュ)
天と地の守り人〈第1部〉 (軽装版偕成社ポッシュ)

『精霊の守り人』から始まった守り人&旅人シリーズの面白さにすっかりはまってしまい、第1作の『精霊の守り人』を新潮文庫で読んで以来、文庫が待ちきれず、それより速く出版される偕成社の軽装版が出版されたところですぐ買って読み継いできた。

女用心棒バルサと彼女に助けられた新ヨゴ皇国の皇太子チャグムの物語も歴史大河小説の趣を醸し出している。これまでの物語の中で、新ヨゴ皇国の周辺のカンバル王国、サンガル王国、ロタ王国、タルシュ帝国の歴史や内情が語られてきた。そして、各国を巡る国際政治情勢が2人の運命を翻弄していく。

前作『蒼路の旅人』で海を隔てた南の強国タルシュ帝国に捕虜として捕らわれ、その野望を知った新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、タルシュ帝国から新ヨゴ皇国に送り返される途上、ある思いを抱いて船から海に身を投げ、行方知れずとなる。
本作『天と地の守り人 第一部』では、チャグムはタルシュ帝国の捕虜になる前に戦死したことになっており、新ヨゴ皇国ではすでに葬儀も行われている。
女用心棒バルサは、彼女あてに託された手紙を受け取り、チャグムが死んでいないことを知り、チャグムを探すため、ロタ王国に向かう。
チャグム探しの旅の中で、バルサにもチャグムを取り巻く複雑な国と国との駆け引き、国の中での主導権争いなどが少しずつ明らかになっていく。
バルサはチャグムを探し出すことができるのか…?

いつもながら読み始めると、ぐいぐいと物語の世界に引き込まれ、ほとんど1日で読み終わってしまった。この物語もあと2冊、読みおわってしまうのが、もったいないような、でもはやくどういう結末になるのか知りたいような、読者としては複雑な心境である。

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2008年10月 3日 (金)

朝バナナダイエットの効用とバナナの品薄

2週間ほど前だったか、どこかのテレビ局で太めの女芸人を集め、それぞれに現在世の中で取り上げられている各種のダイエット方法に取り組んでもらうという番組を放送していた。

トップバッターで登場したのが、森三中の村上知子。私が昨年の9月から12月末まで実践して70kg台から63kg台までの減量に成功した岡田斗司夫さん提唱のレコーディング・ダイエットに取り組み、かなりの成果を上げていた。(それについては、岡田斗司夫著『脱デブ』も村上自身がコメントを寄せている)

その次に登場したのがオペラ歌手森公美子。こちらは、毎朝バナナを食べて水を飲み、あとは寝る4時間前までに夕食を取るということだけがルールの朝バナナダイエット。こちらも、始める前の体重が109kg台。約1ヵ月半後には102g台まで減量に成功し、体脂肪率も52%ぐらいあったものが49%台まで落ちていた。森公美子本人は、これまで体重が増えることはあっても、経ることはなかったようで、この結果には感激していた。
バナナは腹持ちがいい上に、バナナに含まれる成分が脂肪燃焼に効果があるらしい。
我が家では、一時、次女が朝バナナダイエットに取り組んでいたが、続いてはいなかったので、あまり効果はないだろうと思っていた。
しかし、TVの説明は巧みで、見ていると朝バナナダイエットをやれば、必ず痩せそうな気がしてくる。

私自身は、昨年後半4ヵ月のレコーディング・ダイエットで▲7kgの減量には成功したものの、目標にしていた62kg台には届かないままで、その後年末年始の帰郷で食生活が乱れ、食事の記録もやらなくなり、今年に入ってからは65kg台→66kg台と少しずつ体重が増えていた。さらに追い打ちをかけたのが、家族と行った夏の南房総旅行で、おいしそうな海の幸を目の前にすると、つい食べ過ぎて、一時68kg台まで戻っていた。
なんとかどこかで止めて、戻さないとと思いながらきっかけがつかめずにいたところ、朝バナナダイエットの放送を見たので、ダメもとで試してみることにした。
ちょうど、大腸内視鏡検査でほぼ1日食事をしなかったので、そこで一気に1kg近く体重が減ったこともあって、チャンス到来と始めた。2週間ほど続け、この2日ほど66kg台に戻ってきた。なんとか、週末もこのペースを維持し、速く65kg台まで落としたい。

ただ、困ったことは、森公美子の感激する姿を見て、朝バナナダイエットを始めた人が多いうようで、最近、夕方になると、我が家の近くの食品スーパーや果物屋では、バナナが売り切れになっていて、中には「TV放送の影響で、品薄になっている」との趣旨のお詫びの貼り紙がしてある店もある。
ダイエットの実践の前に、バナナの確保が奔走することになるとは思いもしなかったが、なんとか今回こそ62kg台を実現したいものだ。

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2008年10月 2日 (木)

2008年夏のクールビズ期間終了、久しぶりにネクタイを締める

私の職場では、夏の間、クールビズということで、半袖・ノーネクタイが認められていた。さすがに、少し冷え込みを感じ始めた先週あたりからは、半袖を長袖に替え、上着も着るようになったが、ネクタイは締めない。
しかし、そのクールビス期間も9月末で終了し、10月からは通常のドレス・コードに戻るということで、昨日から久しぶりにネクタイを締めての出勤となった。

現在の職場は、3つの会社の合併会社なので、合併当初は、夏場の服装もそれぞれの出身母体の会社の慣行を引きずっていた。私のもとの会社は、以前から夏の半袖・ノーネクタイが認められていたので、私自身は夏場はずっとノーネクタイで過ごしていたが、他の2社の出身者は、夏でも長袖でネクタイもきっちりと締めてという人が多かったように思う。

小泉内閣の途中からだったか、環境面に配慮して夏の冷房を抑えるためクールビスが言われるようになり、総理や閣僚が率先してノーネクタイで登場するようになって、一気に夏のノーネクタイが普及したように思う。私の職場でも、今ではほとんどの人がノーネクタイになっている。
このようにして、時間をかけてすこしずつ人間の集団の意識は変わって行くものだろう。

<2008年9月の東京の気温の推移>


久しぶりに、東京の日々の最低・最高気温のグラフを作ってみた。 2008年9月の1ヵ月間と昨日(10月1日)である。先週の土曜日(9月27日)から一気に気温が下がっている。いよいよ秋本番というところだろう。

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2008年10月 1日 (水)

将棋第56期王座戦は、羽生善治王座が挑戦者の木村一基八段に3連勝し17連覇達成

昨日(2008年9月30日)に行われた将棋の第56期王座戦五番勝負第3局は、ここまで2連勝の羽生善治王座が挑戦者の木村一基八段に勝ち、3連勝でタイトル防衛を決め、四冠(名人・棋聖・王座・王将)を守った。
これで、羽生王座は1992年に当時の福崎文吾王座から王座のタイトルを奪取して以降、17連覇となり、自らがこの王座のタイトルで続けている同一タイトルの連続獲得記録を更新した。(2位は大山15世名人の名人13連覇)。 同一タイトルの通算獲得回数も大山15世名人の王将20期、名人18期に次ぐ単独3位となり、通算のタイトル獲得も6871期とし、故大山康晴15世名人の80期にあと129となった。

昨日の将棋も、どちらが勝ってもおかしくない混沌とした将棋で、棋譜中継の解説も終盤何度も形勢が入れ替わる内容だったが、玉を穴熊に囲った羽生王座を挑戦者木村八段が攻めきることができず、反対に最後は木村玉は上下から挟撃され逃げ道が封じられ、171手で木村八段の投了となった。

木村八段には、この3局を通じて、何回か木村八段優勢ではとコメントされたが、王座戦では無類の強さを誇る羽生王座の前に、勝ち星をあげることができずに敗退となった。木村八段のタイトル挑戦は2005年の第18期竜王戦(対渡辺明竜王)に次いで2回目だったが、その時も4連敗で勝ち星がなく、タイトル戦通算7連敗となっている。

羽生名人・四冠の次のタイトル戦は第21期竜王戦。10月から12月までの3ヵ月間で7局が予定されている。第1局は10月18日(土)・19日(日)にパリで開催される。立会人米長邦夫将棋連盟会長(永世棋聖)、解説佐藤康光棋王、記録係が中村太地四段と周りを固めるメンバーも通常のタイトル戦の対局よりも1ランク上の豪華な顔ぶれ。
連続5期(渡辺竜王)vs通算7期(羽生挑戦者)の最初の永世竜王位を巡る戦いがどちらに軍配が上がるのかが将棋ファン、マスコミの最大の関心事だろう。
また羽生名人より14歳若く次世代のトップである渡辺竜王との戦いは世代交代を巡る対戦でもあり、中原vs谷川戦、谷川vs羽生戦、のような世代を代表する戦いとして、今後何度も激突することが予想される。

2人のタイトル戦での対戦は5年前の2003年の第51期王座戦で羽生王座が当時まだ無冠の渡辺五段の挑戦を3勝2敗でしのいで以来である。当時は無冠だった渡辺竜王も、竜王4連覇を果たし、その間羽生世代・最強世代の森内俊之九段から竜王位奪取、佐藤康光棋王の挑戦は2年連続で退ける力強さを示しており、これで羽生名人に勝って、5連覇・初の永世竜王となれば、羽生名人の第一人者の地位を脅かす存在になるだろう。逆に、羽生名人がシリーズを制して、五冠・初の永世竜王となれば、渡辺時代の到来はまだ先ということになる。
世代交代という面では挑戦者の立場にある渡辺竜王が、自らのホームグラウンドに第一人者羽生名人を迎えてどのような戦いを見せるのか、一番興味のあるところである。

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