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2008年11月16日 (日)

第21期竜王戦七番勝負は挑戦者羽生善治名人が3連勝で永世竜王・永世七冠に王手、渡辺明竜王の奮起は?

先週木曜日・金曜日(2008年11月13日・14日)に、第21期竜王戦七番勝負第3局が岩手県平泉で行われ、急戦模様の将棋は、挑戦者で後手番だった羽生名人が86手で勝ち3連勝とし、竜王位奪回にあと1勝とした。
羽生名人が、今回竜王位を獲得すれば、通算7期獲得で、初の永世竜王の有資格者となり、これまで揃えた竜王位以外の6タイトルの永世称号(19世名人・永世棋聖・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将)とあわせ、永世七冠も達成することになる。
さらに、現時点での四冠(名人・棋聖・王座・王将)に竜王を加え、五冠を保持することになる。

将棋界の七番勝負でのタイトル戦で、3連敗後の4連勝という記録はなく、データ上は防衛が相当苦しくなった渡辺竜王だが、ここから逆境をはね返し、羽生名人を相手に4連勝を飾り、竜王位5連覇で永世竜王位獲得となれば、これもまた一つのドラマである。

現在発売中の月刊誌『将棋世界』2008年12月号では、17世永世名人の有資格者でタイトル獲得27期の実績を持つ谷川浩司九段が連載中の「月下推敲」の中で、今回の第21期竜王戦七番勝負について取り上げ、渡辺明竜王の最近の成績に触れている。

「余計なお世話です。と本人に怒られそうだが、平成14年度以降の渡辺の成績を記してみた。
もちろん、勝率などは素晴らしいが、気になるのはタイトル挑戦の少なさ。(中略)20代前半は全ての棋戦でタイトル争いをするくらいの勢いがほしいところで、ちょっと物足りない。(中略)
トップ棋士というのは、タイトルを獲得して、それを失って初めて一人前になる、と私は考えている。(中略)
竜王のタイトルを持ち続けることが、皮肉にも渡辺の飛躍を妨げているとはいえないだろうか。
竜王戦で渡辺が破ってきた相手は、森内、木村、佐藤、佐藤。いずれもトップ棋士である。だが、第一人者である羽生の名前はまだない。
今回、羽生が挑戦者になったことは渡辺にとってもよかったと思う。
もし、負けたとしても、その相手が羽生であればまた一から出直せばよい。勝てばこれは誰にも文句を言わせない。胸を張っての永世竜王である。」
(『将棋世界』2008年12月号、98~99ページ)

「トップ棋士は、タイトルを獲得して、それを失って初めて一人前になる」との谷川九段の言葉は、数々のタイトルを獲得し、それと同時に失いもしたトップ棋士としての重みがある。
失ったタイトルを取り返し、タイトルを失った悔しさをバネに、また別のタイトルを取ることで、棋士は成長し、飛躍するということであろう。

私は一素人将棋ファンとして棋士の経歴を見るとき、まず「タイトル獲得経験があるか?」、次に「獲得したタイトルを防衛したことがあるか?」あわせて「二つ目のタイトルの獲得経験があるか?」の三つを見るようにしている。
二つ以上のタイトルの獲得経験があり、タイトル防衛経験もあることが、天才集団の棋士の中でも、さらに「一流」と言える条件なのではないかと思う。防衛の回数が増えれば、いつかは永世称号保有者となる。永世称号を取るためには最低でも5期タイトルを保有する必要があり、永世称号保有棋士となれば「超一流」と言えるのではないかと思う。

谷川九段の渡辺竜王に対するコメントは、竜王防衛はしているが、竜王の次のタイトルが取れていないということを言っているとも言えるだろう。

現在のタイトルホルダー、A級棋士を上記の観点に、更に、③タイトル獲得経験あり(1期)、④タイトル挑戦経験ありという2ステップを加えて、分類してみると次のようになる。

①「複数タイトル獲得経験あり(含む失冠後再獲得)」かつ「タイトル防衛経験あり」
羽生善治名人、谷川浩司九段、佐藤康光棋王、森内俊之九段、丸山忠久九段
②A「複数タイトル獲得経験あり(含む失冠後再獲得)」
郷田真隆九段
②B「タイトル防衛経験あり」
渡辺明竜王、藤井猛九段、深浦康市王位
③「タイトル獲得経験あり(1期)」
三浦弘行八段
④「タイトル挑戦経験あり」
木村一基八段、鈴木大介八段

タイトルを獲得するには予選を勝ち抜いて挑戦者となった上で、さらに七番勝負や五番勝負で、タイトルホルダーに勝利しなければならない。一度のタイトル獲得なら勢いということもあり得るが、二回以上となると、ある程度の力がなくてはできなだろう。
一方、獲得したタイトルを防衛するのも楽なことではない。並み居る強豪を倒してただ一人残った挑戦者を退けるためには、タイトル戦に向け調整も必要であろう。複数獲得と防衛の両方をなし得て、本当のトップ棋士といえるのだと思う。

私は、個人的には、郷田真隆九段を応援しているが、郷田九段は王位1期、棋聖2期の獲得経験はあるが、いずれも防衛に失敗している。なんとか、はやく4回めのタイトル獲得と初の防衛を実現させてほしいと思っている。

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