第29回JT将棋日本シリーズ決勝は、前回の覇者森下卓九段が弟弟子深浦康市王位を破り2連覇達成
トッププロ棋士12名(前回優勝者、毎年4月1日時点の公式戦タイトルホルダー<竜王/名人/棋聖/王位/王座/棋王/王将>と、前年の賞金ランキング上位者)が、全国各地の会場で公開対局のでトーナメントを戦い優勝者を決める将棋の日本シリーズも、決勝を迎え、先週土曜日(2008年11月22日)に、東京体育館で決勝が行われた。
対戦するのは、ともに、トーナメントを勝ち抜いてきた前回(第28回)の覇者森下卓九段と羽生名人の挑戦を退け王位タイトルの防衛を果たしたばかりの深浦康市王位の2人。二人はともに九州出身(森下九段:福岡県、深浦王位:長崎県)であり、故花村九段門下の兄弟弟子でもある。
3連休明けの今日になってようやく、日本将棋連盟のホームページ、スポンサーであるJT(日本たばこ産業)のホームページに結果と棋譜(テキストベース)が公開された。
テキストベースの棋譜を見ながら、一手一手、棋譜鑑賞ソフトに入力しながら、勝負を再現してみると解説の郷田真隆九段が「決勝戦にふさわしい大熱戦。全局面の戦いというか、両者のほとんど全ての駒がフルに働くという、プロらしい戦いだった。」(JTホームページより)と解説している通り、激しい戦いで、随所に「これは素人には指せないプロ棋士ならではの指し手だな」と思わせる指し回しが見られ、退屈しなかった。
最後に森下九段が深浦玉を受けなしの局面まで追い込んだあと、深浦王位が渾身の王手攻勢で森下玉を追う。金か銀がもう一枚深浦王位の持ち駒にあれば、詰みであったが、最後の1枚が足りず、162手で深浦王位の投了となった。
森下九段は、郷田九段(3連覇)、谷川九段(2連覇2回)に次ぐ、3人目の本大会2連覇を成し遂げた。本人の優勝談話は「優勝には自分でビックリしています。連覇を果たせたのは信じられない思いです。昨年の優勝は「奇跡の二乗三乗」と言いましたが、今回は「五乗十乗」という感じです。」(JTホームページより)
昨年の日本シリーズでの森下九段に優勝を取材した「将棋世界」2008年2月号の記事を題材に2008年1月5日に「将棋の森下卓九段の中年クライシス」という記事を書いた。
将棋連盟理事時代の激務がたたり腹膜炎を患い死ぬ思いをして気持ちが変わったという森下九段。「もう一度原点に帰って盤一筋で生きたい」というのが当時のコメントだった。
今期、順位戦など他の棋戦での成績は今ひとつ振るわなかったが、見事に日本シリーズ連覇を果たした。今回の優勝を本人がとのようにコメントするのか、楽しみである。
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